「安全工学」の講義 第15回 災害から身を守る(4) 危惧される大規模災害4 BCPという備え(片桐教授)
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2年生の選択必修の講義「安全工学」の担当の片桐です。
このブログのシリーズでは、安全工学という講義の中でお話しした内容について、片桐の個人的な意見を述べていきます。
BCPということばは、なじみのないことばかも知れません。Business Continuity Planつまり、大きな災害後に業務を継続して行うための計画のことです。計画の立案は予防対策です。大規模災害に遭遇した後に命があれば、次は生活再建です。そのためには仕事を再開する必要があります。このような視点からの対策が重要です。
この計画の作成は、リスクアセスメント(ブログ2016.11.02)そのものです。あえて言えば、化学物質のリスクアセスメントは「事故防止」を目的とし、BCPは「事故被害の局限化」を目的とします。化学物質のリスクアセスメントでは、
- 「どのような薬品をどのように使うのか」というシナリオの設定
- 「どのくらい有害な薬品なのか」というMSDSの入手と有害性の調査
- 「作業環境でどのくらいの量をばく露するのか」を測定する作業環境測定
- 「上記の結果を元にしたリスクレベルの判定」
の4段階ですすめます。
同様にBCPでも
- まず、災害の分析により災害のシナリオ(どのような災害を想定するか)を作ります。
- 次にその災害による業務への影響(想定被害)を見積もり。
- そして、その被害を抑えるための対応策を立案し
- マニュアル化してまとめます。
BCPは、実例に乏しいため、影響の大きさの見積もりは難しいでしょう。また、対策立案は、その時の社会情勢や被害の重軽による違い(TPO)も考慮しなければならないため、立案は難しいものであり、マニュアル化にそぐわないものでもあります。
難しいからといって、何もしない無策は危険です。常日頃から重大自体を想定することは、事態の局限対策になるだけではなく、事態の悪化回避にも役立ちます。
<学生生活における大規模災害!>
このようなBCPの話を聞いても、それだけではどのように役立てるか、イメージがわきにくいと思います。そこで、試しに、学生生活において「留年する」という大規模災害を想定し、BCPを建ててみましょう。どのようなきっかけで事態は開始するのか、どのような原因で事態は悪化するのか。留年の最後の砦は何か。留年が確定したらどのような被害が想定されるのか、そこからどのように回復するのか(できるのか)、回復のためにはどのくらいのコスト(経済的負担、時間的負担、労力)が通常の場合に比べて余分に必要になるのか、その負担に耐えられるのかを見積もってみましょう。そのような想定を考えることは、間違いなくこの人為的な大規模災害の回避に役立ちます。
安全工学で獲得した知識や力は実社会や学生生活でものすご〜く役に立ちます。実学としてぜひ役立てて下さい。
以上で、2016年度の「安全工学」の講義に関する連載を終わります。
みなさま「ご安全に」。
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