「安全工学」の講義 番外編 インフルエンザ-3
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2年生の講義「安全工学」担当の片桐です。番外編です。以下は片桐の個人的な意見です。
予防接種を受けるべきかどうかは、悩みどころです。1回の摂取で数千円の費用と多大な時間がかかります。また、インフルエンザがはやってから受けにいっても、効果が出るまでに時間がかかり、下手をすると病院でインフルエンザを拾ってくることもあります。
予防摂取のメリットは「かかりにくくなる」「かかっても軽く済む(重症化を防ぐ)」ところです。摂取時期は10,11月が好適と言われています。しかし、その年の流行のインフルエンザの型に対して予防摂取ワクチンの予想が外れると、ほとんど効果を期待できません。現在は4種類のウイルスに対するワクチン(4価ワクチン)を使っています。
さて、Web Pageで「インフルエンザワクチン」を検索すると、上位にワクチンに対して否定的な意見が出てきます。今回,このブログを書くために、そのうちのいくつかを読んでみました。そこに書かれている「事実」は私の目から見て正しいのですが、その事実を元にした「意見」は結論ありきでかなり飛躍したものもありました。
私は医者ではないので、その可否についての意見をここでは示しません。しかし、それらを読まれる方には、事実と意見をしっかり分離して、事実を受け取り、自分で判断されることを強くお勧めします。予防接種を受けろと圧力をかけることが正しくないように、予防接種は危険だという自分の意見を押し付けることもまた正しくないと存じます。これは歯科医での「フッ素塗布」と同じです(ブロク2016.11.7)。
以下は本当に個人的な意見です。
ヒトの体の中に、ウイルスやウイルスの断片を積極的に注入する予防接種には必ずリスクがあります。受けなくて済むのなら、受けたくないものです。一方で、その病気の被害にあった時に、そしてその被害が取り返しのつかないものであるのなら、親の立場で予防摂取を受けさせなかったことを非常に後悔するでしょう。逆にワクチンの種類によっては副作用もあります。(これはインフルエンザの治療薬のタミフルの時にも問題になりました)。
どうすれば良いか、そこに正解はありません。決断だけです。もし、子供の衛生観念がしっかりしたもので、手洗いうがいをしっかりし、自己防衛を完璧にできると信頼できるのなら、受けさせません。しかし、実際にはそのように子供を信頼できないから、私はインフルエンザの予防接種を受けさせるわけですね。
ネットの普及で多くの情報が簡単に入手できるようになりました。それだからこそ、親御さんは自分で判断することを強く求められるようになっています。後悔しないように、知識をつけてください。勉強してください。
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