呼吸でどのくらいの酸素が二酸化炭素に変わるのか?(江頭教授)
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本ブログでいろいろな記事を公開しているので、時々その内容について問い合わせをいただくことがあります。今回のお題、「呼吸でどのくらいの酸素が二酸化炭素に変わるのか?」もその一つから。
以前の「人間は一人当たりどのくらいの二酸化炭素を排出しているか? その2」という記事にテレビ局の人から問い合わせをいただきました。件の記事は人間が呼吸する空気の量と、呼吸の前後で増える二酸化炭素の濃度から(生き物としての人間が)排出している二酸化炭素の量を計算したものですが、呼吸でどのくらい二酸化炭素濃度が増えるか、という点についての問い合わせです。ということで今回は出典を含めて少し説明を加えたいと思います。
早速元データにつてい。本学の図書館にあった以下の保険体育についての専門書
猪飼道夫編
現代保健体育学大系 ; 13 人体生理学
大修館書店(1984)
に呼吸に関する章がありました。その中に呼吸の前後でのガスの成分の変化のデータが記載されています。
以下に呼吸の前後の酸素と二酸化炭素のデータを抜き出してみました。
吸う息の時は、「酸素が20.94% 二酸化炭素が0.03%」
吐く息の時は、「酸素が16.44% 二酸化炭素が3.84%」
です。ややデータが古いので、現在なら吸気の二酸化炭素濃度は0.04%ですね。「空気中の酸素の濃度は20%」と言われることも多いのですが、乾燥した空気なら21%程度となります。
以前の記事では二酸化炭素の濃度を約4%としていました。いずれにしても吐く息の中に含まれる二酸化炭素の濃度はあまり大きくはないのです。
ところで呼吸で無くなる酸素は 20.94% - 16.44% = 4.50% 、二酸化炭素の増える量は 3.84% - 0.03% = 3.81% と二酸化炭素の方が少し小さいのですが、これは炭水化物の他に脂肪などが体内で分解するとき、一部の酸素は水になってしまうからです。
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