危険物取扱者の資格を取ろう-4 法律-1 危険物とその分類-1 (片桐教授)
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このシリーズはこの夏の受験により危険物取扱者の資格を目指す学生さんを対象にしたレクチャーをします。
危険物取扱者の試験の三科目のうち「危険物に関する法令(15問)」は理系の人間にとって一番厄介です。その他の「物理学及び化学(10問)」はあまり心配しなくても良いでしょう。「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法(20問)」は憶えることもありますが、まあ常識の範囲です。でも法律で60%=15問中9問正解するのは、大変です。しかも、試験問題は引っかけに近いものもあるため、そそっかしい人や素直すぎる人は要注意です。疑り深くなりましょう。でも、法律をクリヤしないと資格は取れません。
危険物取扱者の扱う「危険物」は、消防法に定められたものです。
消防法では第二条に「7 危険物とは、別表第一の品名欄に掲げる物品で、同表に定める区分に応じ同表の性質欄に掲げる性状を有するものをいう。」と定められています。
別表第一には第一類から第六類まで記載してます。この「類」は酸化剤(第一類(固体)、第六類(液体))か可燃物(第二類(固体),第四類(液体))かそれとも両方の性質を兼ね備えているか(第五類)、あるいは水や空気で燃え出すか(第三類)で分類されています。実験室でも酸化剤と可燃物を同じところに保管していはダメです。
第一類は酸化剤となる固体、第二類は可燃性のある固体、第三類は空気中や水と触れると発火する物質、第四類は可燃性の液体、第五類は爆発する物質、第六類は酸化剤になる液体です。
これを燃焼の三要素「可燃物、酸化剤、着火源」でおおまかに理解できます。第一類は固体の酸化剤、第六類は液体の酸化剤、第二類は固体の可燃物、第四類は液体の可燃物、第三類は可燃物+着火源、第五類は可燃物+酸化剤ですね。燃焼の三要素は、可燃物・酸化剤・着火源、です。燃焼や爆発はこの3要素のそろった時におこります。どれかひとつ欠けても燃焼や爆発は起こりません。だから類に分けて、それぞれ別個に保管するのです。
しかし、法律の類別のこの順番のバラバラさは何か意地悪っぽいのですが、まず類別(第◯類はどのような危険物か)を憶えてください。次に、具体的な物質がどの類になるのかをわかる程度に表の中身も憶えてください。
ここで気に留めておいてほしいことは、消防法の危険物は液体や固体で、気体は対象となっていないことです。
危険物かどうかの判定は、
(1) まず、この表に該当する物質は危険物です。
(2) 次に、表に記載の性質を持つ物質は危険物です、
(3) それでもわからない時は、実際に燃えるかどうかなどの判定試験を行い、燃える物質は危険物です。
ですから資格試験では、(1)のために、表の物質名と類を憶える。(2)のために類の性質を憶える。(3)については「政令の定める試験」の概要を憶えなければなりません。これは次回に述べます。
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