「奨学金130万円×4年間」工科大学の新しい入試制度(江頭教授)
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昨日(2017年6月7日)、工学部の会議で配られた資料、以下の部分に思わず注目してしまいました。
東京工科大学の新しい入試制度がスタートした、その目玉の一つ「奨学生入試」についての報告だったのですが、奨学金の選抜と大学入試の選抜を同時に行う。つまり、奨学金入試に合格すれば奨学金も確定する、という制度です。
なるほど、本学も良い制度を導入したものだと思います。入試に合格したが、奨学金が受けられるかどうか分からない、というのでは進学に際しての計画が立てられません。この制度によって、奨学金を必要とする受験生にとって深刻なリスクを一つ排除したことになりますね。(もちろん、その分競争は激しくなるでしょうが。)
さて、少し長い時間スケールで考えてみましょう。産業革命以前の社会、あるいはそれに近い状態の社会では人間の労働はかなりの部分、力仕事だったわけです。その時点でも初等的な教育、「読み書きそろばん」の有用性は高かったはずですが、それ以上の高等教育へのニーズはそれほど大きなものではなりませんでした。要するに、高等教育を受けたとしても、その能力を発揮する場所が無かったわけです。
やがて社会が産業化されると人間の労働の本質は情報処理へと移行してゆきます。それに従って高等教育を受けることで有利な職につけることになります。高等教育を受けた人と受けなかった人で大きな収入差がある、そんな社会ではだれもが高等教育を受けたいと欲します。奨学金制度はそんな個人を支援するための制度だ、と見ることができます。
一方、これを社会の側から見ると、高等教育を受けた人材が多数必要だ、というニーズに対して奨学金はそのニーズを満たすための制度だとも言えます。
単に個々人の希望を叶えるだけではなく、社会的なニーズに応えるという点で、奨学金制度には公共性があると言えるでしょう。本学は私立大学ではありますが、大学という時点ですでに公的な性格を持った組織です。本学で奨学金入試を行うにはそのような意味もあるのです。
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