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喫煙文化の今昔(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 私事ですが先週の中頃から一週間、豪州に出張していました。以下の写真はそのとき使った飛行機のトイレの扉なのですが、何かおかしなところがありませんか?

 そうです。でかでかと禁煙マークが付いているのにハンドルの下にはちゃんと灰皿が取り付けてあるのです。

 今でこそ飛行機では禁煙が当たり前なのですが、昔は喫煙可能なのが当たり前でした。一時は新幹線の禁煙車両・喫煙車両よろしく飛行機の前後で禁煙領域と喫煙領域を区分していたこともありました。その頃、禁煙領域と喫煙領域の境目に座ったことがあったのですが、禁煙領域がわなのにたばこの煙が流れてくるので禁煙領域と喫煙領域の間に「受動喫煙」領域が必要だな、などと思ったものでした。

 私自身は喫煙者ではないのですが、愛煙家の人たちが飛行機が空港についた途端に一服、という風景を見るようになったのも飛行機での禁煙が定着したからですね。(最近は少ないようにも思いますが...。)

 禁煙マークの下の灰皿、これは飛行機が禁煙になる前の名残、人間でいう盲腸のようなものなのでしょう。

 と、この記事をまとめようと思ったのですが、少し調べてみるとこれには意外な理由が。

Fig

 ハフィントンポストのこちらの記事によるとアメリカの規定によって禁煙であるなしに関わらず飛行機のトイレには灰皿を設置することが義務づけられているというのです。

 理由は安全のため。禁止されているかどうかに関わらず、トイレで喫煙をする人間はいる。その人物に罰金を科すとしても、その行為による火災発生の危険を防ぐために灰皿が有効であるなら設置するべきだ、という考えなのだと言います。

 なるほど。飛行機で火事が起こったら取り返しの付かないことになる可能性がある訳です。そうなったときに「トイレで喫煙した人が悪い」と言っても文字通り取り返しは付かないですよね。

江頭 靖幸

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