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太陽はどれくらいのエネルギーを放出しているのか?(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 地球に降り注ぐ太陽光のエネルギーは莫大で、その一部を利用するだけで人類が必要とする全てのエネルギーがまかなえる、という話はよく聞きます。では視点を変えて、太陽自体はどのくらいのエネルギーを放出しているのか、その中のどの程度のエネルギーが地球に届くのか、それが今回のお題です。

 さて、この数字の求め方ですが、まずは太陽定数からスタートしましょう。太陽定数はこちらの記事で説明したとおり、「地球の外、地球の軌道上でみた太陽からの光のエネルギーの密度」の事で、その値は1367 W/m2 となるそうです。

 もう一つ必要な数字は太陽と地球の距離。これは149 597 870 700 m、約1.5×1011 m、つまり千五百億メートルです。正に天文学的な距離。それもそのはずでこれは「1天文単位=1au」という距離の単位として定義されているくらいです。

 さて、この2つの数字から太陽が発するエネルギーを計算することができます。

 まずは太陽と地球の距離を半径とする大きくて中空の球が太陽を囲んでいると考えてみましょう。太陽がこの巨大な球の中心に位置していれば球の内部はどの面でも同じエネルギーを受けていると考えられます。そのエネルギー密度、実は太陽定数のことですよね。

 巨大中空球の面積は 4×3.14×(1.5×10112 = 2.8×1023 m2 という計算になります。これに太陽定数をかけると

 2.8 ×1023 × 1367 = 3.8×1026

3.8×1026 W となります。うーん、数字が大きすぎてどう表現して良いかわかりませんね。化学の人間ならアボガドロ数の約600倍とでも言えば良いのでしょうか。

L201006190800

 では、太陽が放出するエネルギーのどの程度が地球に到達するのでしょうか。先ほどの求めた巨大中空球の面積に対して地球の断面積が占める割合がどのくらいか、を求めればその比率がわかります。

 地球を球と見なすと(本当は少し偏っていますが)、半径は6357km だそうです。地球の断面積は 5.1×1014m2。約500兆平方メートル、かろうじて日本語で表現できる範囲の数字になりました。これを巨大中空球の面積で割ると1.8×10-9となります。

 結局、太陽が放出するエネルギーの「10兆分の1.8」が地球に降り注いでいる、という計算になります。大きな数字で笑ってしまうほどです。宇宙にはエネルギーがあふれているんですね。

江頭 靖幸

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