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2017年8月

2017.08.31

物理量の次元(江頭教授)

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 前回の記事で物理量の単位について考えてみました。そして「違う単位の物理量は足したり引いたり出来ない。」と述べたのですが、今回はその意味についてもう少し考えてみたいと思います。

「私の身長は1メートル76センチです」

 これは普通に使われる表現ですが、「物理量は数値と単位の積」というルールからは外れています。物理量として表現したいなら

「私の身長は 1.76 m です」

あるいは

「私の身長は 176 cm です」

とするべきですね。

 つまり「1メートル76センチ」とは「1m + 76cm」のことで、76cmを0.76mに読み替えれば1.76mに、1mを100cmに読み替えれば176cmになるわけです。

 あれ?メートルとセンチメートルは違う単位なのに足したりしてませんか。

 メートルとセンチメートルは厳密に言えば違う単位なのですが、長さの単位という意味では同じです。同じだから足し算ができますが、違うから100倍(あるいは100分の1)する、つまり換算する必要がある。うーん、「同じ」とか「違う」とか言葉の意味がごちゃごちゃしてきました。

 このような混乱を避けるために使われるのが「次元」です。物理量にはそれぞれの次元がある。例えば身長という物理量は長さの次元をもっている、という言い方をします。長さの次元を記号Lで表現します。1mの次元はL、76cmの次元もL。この2つの物理量は同じ次元なので換算して足し算することができる、という訳です。

 同じ単位の物理量の足し算はそのまま数値の部分を足して単位を付ければ良い。次元が同じ物理量の足し算は換算して単位を一致させてから数値の部分を足して一致させた単位をつける。次元という言葉を使うとこの様に表現することができます。

 こういう言い方もできます。長さLという次元をもつ物理量は長さという次元に対応したいろいろな単位をつかって表現することができます。物理量の数値の部分は使用する単位によって変わります。物理量を表す単位の部分を変更することを換算する、といいますが、その際、数字の部分も一定の倍率で変更されなくてはなりません。そして、単位にはそれぞれ対応する次元があって、違う次元の物理量を表す単位では換算ができないのです。

 同じ次元の物理量に対応する単位なら、SI以外の単位でも換算することができます。図は「化学工学便覧」からの引用ですが、インチなどヤードポンド法の単位系との換算も可能です。

 さて、長さ以外の次元について考えてみましょう。

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2017.08.30

単位とは何だろう(江頭教授)

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 単位とは大学で授業を受け、期末試験に合格したものに与えられるもので、進級、研究室配属、卒業にはそれぞれ必要な単位数が…、というのはさておき、今回のお題の「単位」はメートルとかキログラムとか、いわゆる物理単位のことです。

 物理に限らず化学や生物など、科学の分野で用いられる物理量は数値と単位の積で表されています。古来、いろいろな単位が用いられて来たのですが、現在科学の世界では統一された単位系としてSI単位系(国際単位系)を用いることが推奨されています。

 SI単位系では基本単位として「メートル」「キログラム」「秒」「アンペア」「ケルビン」「モル」「カンデラ」の7つが指定されていて、その他の単位はこの基本単位を掛けたり割ったりして作った組立単位として表現されます。

 「ジュール」や「ニュートン」など一部の組立単位には固有の名称と記号が指定されています。

 また、1000倍を表すk(キロ)や1000分の1を表すm(ミリ)などのSI接頭語を使用することで大小様々な物理量を表現できるようになっています。

 さて、一通り説明した後でもう一度。単位とは何でしょうか?ここでの説明は単位の表現の仕方、であって単位そのものが何かを説明してはいない気がします。

 さあ、どうしましょう?

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2017.08.29

35年ぶりに「人間機械論(ノーバート・ウィーナー著)」を読んで(江頭教授)

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 皆さんはノーバート・ウィーナーという人の名前を知っているでしょうか?知らない、という人も「サイバネティックス」という言葉は聞いたことがあると思います。「サイボーグ」や「サイバー空間」などの語源としても知られているこの言葉は、このウィーナーの造語なのです。

 ノーバート・ウィーナーの著書として有名なのは、そのものズバリの「サイバネティックス」と、この「人間機械論」です。ずいぶん前、たしか学生時代に両方とも読んだ記憶があるのですが、久々に「人間機械論」を手に取ってみたのは、現在の自動制御の普及ぶりと当時とのギャップを実感したかったからです。

 「指令通りに動く機械」から「動作の結果を報告する機械」への変化、これがフィードバック制御の基礎となります。機械からの報告を評価し、目標が達せられなかった場合には改善すべく次の指示をだす、その繰り返しで機械は正確に目標に到達することができます。そして、指令を出すもの、それは人間である必要はありません。別の機械が評価と指示を担うことで自動制御は完成します。

 「サイバネティクス」という学問は、このように状況を報告したり、目標の達成度を評価するなどの能力、つまりある種の知能を持った機械についての学問であると同時に、機械と人間、あるいは機械と機械のコミュニケーションについての学問でもあるのです。現在のIT革命の基礎となる「サイバネティクス」を造りあげたウィーナーが、広く当時のアメリカ人に向けて著したのが、この「人間機械論」です。

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2017.08.28

8月27日(日)、オープンキャンパスを実施しました。(江頭教授)

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 以前このブログでも紹介した通り、8月27日の日曜日、本学八王子キャンパスのオープンキャンパスが開催されました。われわれ応用化学科も片柳研究棟7階の学生実験室を中心に、教員、アルバイトの学生諸君が協力して訪問してくれた高校生諸君、ご父兄の皆さんをお迎えしました。

 8月に入って2回目のオープンキャンパスは例年8月1回目のオープンキャンパスより参加者数がやや少なくなるそうです。今年も例年通り、8月6日のオープンキャンパスには及びませんでしたが、それでも多数の高校生、そして同伴者の方が参加してくれました。

 さて、本学科のオープンキャンパスでは体験実験として「タオルの染色」を行っています。白地に本学科名の入ったハンドタオルを黄色に染め、実験に参加してくれた学生諸君には、記念品としてタオルを持ち帰っていただいています。以下の写真はその中の一枚。

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2017.08.25

推薦図書「「健康食品」ウソ・ホント 「効能・効果」の科学的根拠を検証する」(江頭教授)

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高橋久仁子 著

「健康食品」ウソ・ホント 「効能・効果」の科学的根拠を検証する (ブルーバックス)

講談社(2016)

 先日、「代替医療の光と闇 魔法を信じるかい?」という代替医療の問題点を取り扱った本を紹介しましたが、今回紹介する本は「健康食品」の問題点を指摘したものです。

 この本で取り扱われている「健康食品」は、具体的には「トクホ」や「機能性表示食品」など、体に良いと表示をつけて売られている食品のこと。これらの「健康食品」は本当に体に良いのか、きちんとした根拠があるのだろうか、という問題意識がこの本の出発点です。

 そもそも、医薬品などのいわゆる薬は勝手に販売することはできません。その薬が安全で医薬品として効果があることが実験的に確認され、製造方法も適切であることを示し、許可をとってはじめて医薬品として販売し、その薬の効果を宣伝することができます。

 その一方で「健康食品」は薬ではありませんから、効果を確認する必要はありません。その代わりに医薬品の様な効果を謳った宣伝は出来ません。でも、これでは「健康食品」を売り込むのは難しい、ということである程度「健康食品」の効果を確認した上で、ある程度の宣伝を認めよう、というのが「トクホ」などの考え方です。

 問題は「効果の確認」と「宣伝」がそれぞれどの程度なのか、「宣伝」と比べて「効果の確認」がお粗末なのではないか。ということで実際の商品の宣伝内容とその根拠となった研究の内容を照らし合わせて検証する、というのが本書の中核となっています。具体的な商品名と宣伝に使われている図表などを示しながら、実験データが如何に頼り無いものか、宣伝が如何に誇張されいているかをこれでもかとばかりに示されていて、なかなか圧巻です。

 特に、広告で使われるグラフと対比して論文中のデータをそのまま著者がグラフ化したものを示す、という手法が何回か用いられています。グラフの作り方によってデータの見え方が違うこと、頭では理解しているつもりですが実際に目にするとハッとさせられます。

 「健康食品」の過剰な宣伝に惑わされないよう本書をおすすめします。

と書いて終わりたいところなのですが、もう少しだけコメントしたいことがあります。

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2017.08.24

ライナス・ポーリングとビタミンC(江頭教授)

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 ライナス・ポーリング(写真)といえば化学関係の人間で知らない人はない有名人。一般の人の知名度は低いかも知れませんが、「化学結合論」で量子力学と化学とを結びつけた天才的な化学者・物理学者、というのが化学者の間での評価でしょう。

 先日推薦図書として紹介した「代替医療の光と闇」という書物の中にこのライナス・ポーリングの名前がありました。ここで私はライナス・ポーリングのまだ知らなかった側面を知ることとなりました。

 まず、ライナス・ポーリングの化学結合論以外の分野での活躍です。鎌状赤血球貧血という病気の分子レベルでの原因究明によって分子生物学の成立に寄与したこと、タンパク質の高次構造というアイデア。学術的な内容以外でも核廃絶に向けた真摯な努力など。

 と、ポジティブな面もあったのですが、ライナス・ポーリングの「闇」の一面も記載されていました。というか、この本の文脈からはこちらが主軸。なにが「闇」かというと

「ビタミンCで風邪が治る」

「ビタミンCでインフルエンザが予防できる」

「ビタミンCで癌が治る」

と主張したと言うのです。

 主張しただけなら別に悪くありません。問題なのはこれらの主張を検証するための臨床試験(大人数の患者を2グループに分けて、「ビタミンC」と「プラシーボ(偽薬)」とを、それと分からない様に与えて、両グループの経過を比較する実験)で効果がみられないことが示された後までこの手の主張を続け、その影響力で根拠の薄弱な「ビタミンC」ビジネスを育て上げてしまった、という点です。

 1966年、65歳のライナス・ポーリングは「毎日3gのビタミンCを摂れば健康になれる」というアドバイスに従ってみたところ、自分が健康になった(気がした)ことを根拠にこの様な主張を始めたそうです。その主張はエスカレートを続けてビタミンAやビタミンE、セレニウムやベータカロテンも推薦薬のリスト入り、事実上ほぼ全ての病気がこのビタミン類で治ると主張したといいます。1970年にアメリカにAIDSが入ってくると、AIDSもビタミンで治せると言ったとか。

 ここまで来ると、まともではありません。ずば抜けた化学者であり科学者であった筈のライナス・ポーリングはある時期から科学の方法論から逸脱してしまったのです。しかし、彼はビタミンビジネスの広告塔となりました。何しろノーベル賞受賞者(しかも2つ!)が言うのだから間違いない、普通の人はそう思い込んでしまうのです。

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2017.08.23

八王子駅のホームで「エコレールマーク」を見た!(江頭教授)

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 以前の記事で西国分寺駅で観たエコレールマークを紹介したのですが、実はもっと身近な八王子駅でエコレールマークを見つけました。

 本学科が属する東京工科大学八王子キャンパスへはJR八王子駅の南口からスクールバスが出ています。ですが最寄り駅は横浜線の八王子みなみ野駅なので、時々JR八王子駅から八王子みなみ野まで横浜線で移動することがあります。そんな時、八王子駅の横浜線のホームから見つけたのが写真のエコレールマーク付のオイル輸送車でした。

 前回も紹介したように「エコレールマーク」には「個別商品用」と「企業イメージ用」の二つがあります。「個別商品用」は商品そのものやそのパッケージ、カタログや広告などに記載するもの。「企業イメージ用」は広告やカタログ、WEBサイトや環境報告書などで利用するもの。今回見つけたエコレールマーク、よく見ると

当社は、環境にやさしい鉄道貨物輸送を推進している企業です。

と書いてありますから、「企業イメージ用」なのでしょう。

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2017.08.22

8月27日(日)オープンキャンパスを実施します。(江頭教授)

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 8月27日、この記事が公開される次の日曜日に本学の八王子キャパスでの今年4回目のオープンキャンパスを実施します。

 高校の夏休みも後半に入り、受験生の皆さんもいろいろな大学のオープンキャンパスに参加したかも知れません。次回27日のオープンキャンパスは今年度最後のオープンキャンパスとなります。

 オープンキャンパスの詳細はこちらのページに。オープンキャンパスの開催日に走る「オープンキャンパス無料送迎バス」の情報もこちらに。比較的遠方、例えば新潟、茨城、栃木、長野、静岡、山梨の方でも交通費を気にせずに利用できる制度です。

 そして、応用化学科のオープンキャンパスは片柳研究棟の7階の学生実験室で行われます。

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2017.08.21

プロジェクションマッピング、表から見るか 裏から見るか(江頭教授)

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 以前紹介した八王子市市制100周年を記念した片柳研究棟へのプロジェクションマッピング、8月11日金曜日の夜に行われました。

 このプロジェクションマッピング、実は投影先には私の居室も含まれています。部屋に残れば裏から(投影される側から)プロジェクションマッピングが見られるはず、と思ったのですが、「片柳研究棟は18:00以降立ち入り禁止」というきついお達しが。そこで部屋にビデオカメラをセットして様子を撮影してみたのが下の映像です。

 あっ、ちょっと観る前に一言。がっかりしないでくださいね。一分と少しの映像なのですが、以前紹介したこちらの映像を裏から見たかたちになっています。

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2017.08.18

八王子キャンパス、今日から活動再開です。(江頭教授)

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 先の記事に書きましたが8月10日~17日の夏期休暇期間の間、八王子キャンパスは原則閉鎖となっていましたが、本日(8月18日)から再度オープンです。

 日本の大学のほとんどは二期制(セメスター制)で前期(多少前後しますが4月から9月)と後期(10月から3月)との二学期で運営されています。本学工学部は一部クォーター制が含まれますが、基本的には二期制ですから、夏期休養期間は前期から後期への切替のタイミングなのです。

 さて、本学での前期の授業日程をみると4月の初めからガイダンスがあり、4月10日から授業スタート、7月28日に授業終了でその後の試験期間を含めると夏期休暇期間ぎりぎりの8月8日までが前期の授業期間です。

 後期の授業の開始は9月15日から。学生諸君の夏休みはほぼ1ヶ月となります。

 さて、前期の始まりが4月1日で後期の始まりが9月15日。

あれ、一年を半分に分けるとすれば後期は10月1日からスタートでは?

その疑問、ごもっともです。

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2017.08.17

推薦図書「代替医療の光と闇 魔法を信じるかい?」(江頭教授)

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ポール・オフィット著

「代替医療の光と闇 魔法を信じるかい?」

ナカイサヤカ訳

地人書館、2015年

 「代替医療」とは我々が普通に病院で受けている医療とは異なった医療のことです。病院で受ける療法は大学の医学部を中心とした研究機関からスタートし臨床試験によって有効性が検証されたもの、特に病院で処方される薬は薬機法に基づいた有効性と安全性の審査をパスしたもので成り立っています。「代替医療」はその枠組みから外れた療法や医薬ですから普通に考えれば信頼性が低い医療のはずです。にもかかわらず、代替医療に頼る患者(とその家族)が後を絶たず、一方でその患者たちからお金を吸い上げて巨万の富を築く者たちがいる、本書はアメリカでの代替医療をめぐる状況について豊富な事例に基づいて分かり易く解説しています。

 普通に考えれば代替医療が信頼できないことは明かです。しかし、病気になっている患者、とくに通常の医療では回復が望めない状態の患者やその家族は既に「普通に考える」ことは出来なくなっています。病院で「治らない」と言われた患者は藁にもすがる思いで「治る」と言ってくれる人を探すことになりますが、代替医療を提供する者達の中にはその状態を利用して多額の費用を請求する者がいるのです。結果、患者は回復することはない、それどころかその代替医療自体が有害なことさえあるのですが、支払われた費用が返還されることはありません。

 結果、代替医療はビックビジネスとなり、大々的な宣伝で通常の医療への不安をあおり、多くの人々の健康に悪影響を与えながら成長を続ける。患者を犠牲にして集めた資金で今度は政治を動かし、人々を守っていた医療に関する規制に抜け穴をつくりはじる。本書が扱っているのはアメリカでの状況ですが、これは日本にも通じるものがあるといいます。

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2017.08.16

八王子キャンパスの夏期一斉休休暇(江頭教授)

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 本学のホームページ交通案内からスクールバス時刻表へとリンクをたどると【臨時】時刻表として

平成29年8月7日(月)~17(木)、8月21日(月)~9月1日(金)運行スクールバス運行時刻表《月~金曜日運行》

が載っています。さらにそこをクリックすると以下の様な注意書きが。

※8月10日(木)~8月17日(木)は夏期一斉休休暇のため運休とします。

 本学は夏学期の授業と試験が終了した段階で夏休みに入っています。キャンパスから学制諸君がいなくなって少し寂しい雰囲気になったり、いつものお弁当屋さんが来なくなったり、夏休み独特のキャンパスの雰囲気を感じながらも職員である我々には休みはありません。職員にとっての本当の夏休みはこの「夏期一斉休休暇」です。

 本来、この夏期一斉休業の期間中は(一部、事前に許可を取った人以外)教職員といえどもキャンパスには立入禁止となります。とはいえ今年は「八王子市市制100周年を記念した片柳研究棟へのプロジェクションマッピング」がありましたから8月11日は閉鎖期間中とはいえキャンパスが一般公開されていたのでした。

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2017.08.15

片柳研究棟プロジェクションマッピング カウントダウン編 (江頭教授)

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 8月11日、金曜日の夜、八王子市市制100周年を記念した行事の一貫として本学八王子キャンパス、片柳研究棟へのプロジェクションマッピングが公開されました。日キャンパスは広く一般に公開され多数の観客が訪れたとのことです。

 以下はその場で撮影したカウントダウンの様子です。本当は全部を録画すれば良かったのですが、すぐに断念してしまいました。でも、あの場できちんと全部を録画した人がいたようで、こちらでその動画が公開されていました。

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2017.08.14

片柳研究棟プロジェクションマッピング 照射テスト編 (江頭教授)

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 8月11日、金曜日の夜、われわれ応用化学科の研究室、学生実験室が含まれている本学八王子キャンパス、片柳研究棟を利用したプロジェクションマッピングが公開されました。八王子市100周年を記念した行事の一環であり、政策には本学の教員・学生も参加、当日キャンパスは広く一般に公開され多数の観客が訪れたとのことです。

 さて、今回のお題。プロジェクションマッピング本番の話はさておき、自分のキャンパス、それも自分の居室がある建物がプロジェクションマッピングに使用される際、どんな様子なのかを少しご紹介しましょう。

 本番の8月11日に備えて予行演習が行われています。実は今年の3月にも予備的なテストがあった様なのですが、本格的な予行演習「片柳研究所への最終照射テスト調整」は8月8日から10日までの前3日。その際、我々プロジェクションマッピングの投影を受ける側の研究室には以下の連絡が。

厚生棟および図書館棟から片柳研究所へ照射されます。

研究・授業などで上記に片柳研究所をご使用の際はカーテンを閉めていただきたくご協力を願います。

開始は18時。でもこの季節、18時はまだ明るさが残っています。暗くなるのは19時くらい。その時間に外にでて片柳研究棟をみると確かに何かが投影されています。建物の縁を照らして何か調整している様にも見えましたが、短時間ではよくわからなかったですね。

 さて、その際振り返って厚生棟をみたのが以下の写真

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2017.08.11

コーオプ実習顔合わせ・情報交換会が開催されました(江頭教授)

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 つい先日「コーオプ実習終了報告会」について紹介したのですが、今回は「コーオプ実習顔合わせ・情報交換会」の紹介です。終了したのにまた?いえいえ、これは次のコーオプ実習の始まりのイベントなのです。

 コーオプ実習は8週間、約2ヶ月の企業での就業体験です。これは大学の授業15週間+試験1週間のサイクルのちょうど半分なので、一学期を二つに割って、年4期のクォーター制で実施します。4月からの1期、2期は夏学期に、9月からの3期、4期は冬学期に相当し、先日の「コーオプ実習終了報告会」は3期、4期に行われた応用化学科、電気電子工学科の3年生のコーオプ実習の締めのイベントでした。今回のイベントは機械工学科の2年生が3期、4期に行う実習のキックアップイベントです。

 さて、このイベント、実は昨年の8月11日のブログでも取り上げています。コーオプ実習が開始されてから一年が経過し、来期から実習に参加するのは実は本学部の2期生となるのです。当初、手探りの状況で開始したコーオプ実習ですが予想外の問題に直面することもなく、最初の一年間は順調に進んでいると感じています。本学コーオプセンターを始めとしたスタッフの働きはもちろんですが、実習生の受け入れ先として本学のコーオプ教育に参画していただいている企業の方々のご協力の賜物だと感謝する次第です。

 さて、本日のイベント、開始はいつもの通り学部長による挨拶から、まずスタート。

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2017.08.10

コーオプ実習終了報告会(江頭教授)

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 本学の工学部の特徴の一つであるコーオプ教育、その中でもメインイベントとも言うべきなのがコーオプ実習です。最大8週間の企業での有給での就業体験、応用化学科と電気電子工学科の学生は3年生前期にこのコーオプ実習が設定されています。この時期、応用化学科の3年生はちょうど実習を終え、久しぶりに本学に全員集合することとなりました。

 さて、「コーオプ実習終了報告会」についてです。つい先日、実習を終えた2期の学生、一足先に帰ってきた1期の学生が集まり、実習での経験を互いに披露し合うのがこのイベントです。同一企業、同一業種で3名~5名が1グループとなり、相互のディスカッションが行われました。

 実習先で自分が経験したことを報告し、同じ実習先にいた他の学生の体験と比較し、さらに他の企業での実習の話に耳を傾ける。多種多様、どれひとつ同じではない、それがコーオプ実習の特徴です。

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2017.08.09

「地域連携課題」最終発表会(江頭教授)

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 「地域連携課題」についてはこちらの記事でも紹介していますが、これは本学工学部の授業です。我々応用化学科を含む工学部があるのは東京工科大学の八王子キャンパス。このキャンパスがある八王子市を対象に、地域の問題を発見し、その解決策を提案する、というグループワーク型の授業です。

 今回(8月8日)に行われたのは応用化学科と電気電子工学科との合同の発表会。以前の発表会で選ばれたグループによる最終発表会となっています。今回は八王子市の職員の方々にも参加していただき、ご意見をいただいています。

 応用化学は応用化学、電気電子は電気電子でそれぞれ予選を行い、その中から選ばれた全部で4タイトルの発表、さすがにどれもユニークな発表で、予選の段階よりもブラッシュアップされた発表でした。

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2017.08.08

化石燃料の使用制限は生活レベルを低下させるか?(江頭教授)

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 昔は何であんなことが気になっていたのか、今思い返すと不思議な気がするんですよね。

 えっ、何の話かって?青春の悩みとか若気の至りとかの話じゃないですよ。化石燃料と温暖化の問題です。1990年代、温暖化問題が話題になり始めたころの話ですが、次のような意見があった、と言うよりかなり一般的だったと記憶しています。

「人類の歴史を顧みると人間生活の向上は常にエネルギー消費の増加を伴っている。温室効果ガス削減のため化石燃料の使用を制限することは、生活レベルの低下、ひいては社会の進歩の停滞を意味するものであり、絶対に受け入れられない。」

もちろん、いろいろなバリエーションや温度差はありますが、基本にある考え方は「化石燃料の使用制限はエネルギーの供給減少」であり「エネルギーの消費減少は生活レベルの低下」である、という考えです。

 確かに歴史的にみると、石炭や石油、つまり化石燃料の利用によって人間一人あたりのエネルギー消費量は急激に増加し、それによって生活レベルは格段に向上しました。これをみると化石燃料の使用を制限すると産業革命以前の生活に戻るのでは、という考え方も理解できます。それに、おそらく1970年代の「石油ショック」を記憶している世代は「石油の供給が制限されることで生活が苦しくなる」という実体験を持っていますから、この様な考え方をより切実に感じたのでしょう。

 では、今の若い人たちはこの様な考え方をどう見るのだろう、そこが気になって本学科の学生さんに聞いてみることにしました。

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「エネルギー白書2004」より。

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2017.08.07

8月6日(日)、オープンキャンパスを実施しました。(江頭教授)

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 以前このブログでも紹介した通り、8月6日の日曜日、本学八王子キャンパスのオープンキャンパスが開催されました。われわれ応用化学科も片柳研究棟7階の学生実験室を中心に、教員、アルバイトの学生諸君が協力して訪問してくれた高校生諸君、ご父兄の皆さんをお迎えしました。

 例年、8月に入って第一回のオープンキャンパスは7月に比べて参加者がぐっと増えるそうです。今回のキャンパス全体での参加者数の集計値は私のところには聞こえてきていません。ですが、応用化学科を訪問してくれる方々の人数は確かに7月より増えている様に感じました。終了時の集計では、応用化学科への訪問者は昨年度の8月第一回のオープンキャパスより少し多い人数だったそうです。

 本学科のオープンキャンパスの内容は、学科紹介と模擬授業、体験実験や各研究室によるデモ実験を含めた研究紹介です。来る8月27日に予定されている8月2回目のオープンキャンパスでも同様の内容で実施しますので、興味のある方は是非ご訪問ください。

 さて、本学科のオープンキャンパスでは訪問された人たちにアンケートをお願いしています。アンケートを回収する際に、記念品をお渡ししているのですが、以下の写真はその一番人気の品。

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2017.08.04

試験監督はつらいよ(江頭教授)

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 この一週間、八王子キャンパスは期末試験の期間です。

 大学に限らず、中学高校(小学校も?)の皆さんも「試験」と聞くと気が重くなるのではないでしょうか。学生時代、私も試験が嫌いでしたが、大学の授業で教授が「試験を受けている悪夢を見た」と話してくれたときは、やっぱり教授も人の子なんだな、と少し親近感を感じたものです。

 「自分はもう東大の教授なのに何で試験を受けなくちゃいないんだろう、と思っていたら目が覚めました。」夢ってやつは本当に不思議ですね。

 さて本日のお題は試験そのものにあらず。試験を受けているとき、のんきな顔で歩き回っている「試験監督」の人たちのお話です。

 こっちは大変なのに、気楽そうでうらやましいな、と思うかも知れませんが、これが意外と大変なお仕事なのです。

 

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2017.08.03

追試のこと(江頭教授)

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 東京工科大学八王子キャンパスは今、期末試験の真っ最中です。いつもとちょっと違う時間割、いつもと違う(かも知れない)教室で学生諸君は各自今学期の授業で身についた実力を試しています。でも、そんな時、家族に不幸があったり、自分が病気になったり、それ以外にも電車やバスが遅延する可能性はいつでもゼロではありません。そんな「やむを得ない」理由で試験に遅刻、あるいは欠席したときはどうなるのでしょうか?

 試験は試験! いえいえ、お上にもお慈悲はありますよ、というのが「追試験」略して「追試」の制度です。

 「追試」のポイントは「やむを得ない」理由かどうか、という点です。それが確認できなければ事実上試験を2回受けられることになってしまいますからね。この確認作業、第一段階は学務課が行います。追試験を希望する学生はまず、試験当日を含めて四日以内に学務課に申請をする必要があります。理由は「病気・けが等」「忌引」「交通事故・災害被災等」「公共交通機関の遅延」などが挙げられていますが、少し変わったところで「放送大学や他大学の試験日程と重複」というものもあります。最後の項目は単位互換協定に基づいた受講の際、本学の試験日程と重なった場合を考慮したものですね。

 学務課への申請にはそれぞれの理由を証明する書類(例えば「公共交通機関の遅延」の場合は遅延証明書などです)が必要です。これが認められると「追加試験願」という書類が発行され、これを担当教員のところに持って行き、許可を受けてさあ追試、ということになります。

 まあ、結構面倒なので何事もないのが一番なのですが、「やむを得ない」が起こるのは本当にやむを得ないのでどうすることもできませんね。

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2017.08.02

8月6日(日)のオープンキャンパスを実施します。(江頭教授)

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 8月6日、この記事が公開される次の日曜日に本学の八王子キャパスでの今年3回目のオープンキャンパスを実施します。

 高校は夏休みに入り、受験生の皆さんもそろそろ大学のことが気になりだした時期ではないでしょうか。毎年、この8月最初のオープンキャンパスは参加者も多く、賑やかな一日となります。

 オープンキャンパスの詳細はこちらのページに。オープンキャンパスと同時に行われる「一般入試対策講座」の情報も載っています。

 また、オープンキャンパスの開催日に走る「オープンキャンパス無料送迎バス」の情報もこちらに。比較的遠方、例えば新潟、茨城、栃木、長野、静岡、山梨の方でも交通費を気にせずに利用できる制度です。

 そして、応用化学科のオープンキャンパスは片柳研究棟の7階の学生実験室で行われます。

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2017.08.01

今日は「サステイナブル工学実習」最後の授業(江頭教授)

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 本日(8月1日)は「サステイナブル工学演習」の授業の最終日です。

 あれ、先週が授業最終週だったのでは、とか、今週から試験週間では、などといわれるところなのですが、実はこの「サステイナブル工学演習」、ほかの授業と違ってクォーター制なのです。

 以前も紹介したのですが、本学の応用化学科も普通は授業は夏学期と冬学期の2学期制(セメスター制とも言います)ですが、3年生夏学期だけはこのクォーター制が適用されます。授業15週間+試験1週の夏学期をそれぞれ8週の1期、2期に分割します。

 応用化学科の3年生は、1期あるいは2期のどちらか8週間を使って学外の企業でコーオプ実習を行います。つまり学外に出て8週間の就労体験をするのです。これが3年生夏学期だけはこのクォーター制となる理由です。(私は3年生は「ハーフ・アンド・ダブルクォーター制」と呼ぶべきだと思うのですが…。)

 では、コーオプ実習のない方の期、つまり1期にコーオプ実習に行った学生さんたちは2期、逆に2期にコーオプ実習に行っている学生さんたちにっとては1期はどうしているのか。休み、という訳ではありません。その期間に合わせてクォーター制の授業が開講されています。

 表題の「サステイナブル工学実習」の授業もその一つなのです。試験期間を合わせた16週間を8週×2に分けたので2期の最終週は試験期間中の授業となるのです。

 「試験と授業が重なるなんて大変!?」いえいえ、クォーター制の授業には試験がありません。それにコーオプ実習に行く関係上、他の(セメスター制の)授業を受講することはできませんから試験週間に授業をやってもバッティングすることはありません。

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「サステイナブル工学実習」の教科書は未踏科学技術協会が発行する「演習で学ぶLCA]というワークブック。著者には本学工学部(機械工学科)の芝池先生も含まれています。

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