フィールドにいる自分を信頼してはいけない、というはなし(江頭教授)
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人間、誰しも間違いはある。
それはそうなのですが、実験やフィールド調査の際に間違いをしていたら、場合によっては大変なことになります、というのが今回のお題。
間違いの無いように慎重に、は前提条件としての話ですが、実験結果を整理しているときなど、どう考えても理解できない結果に出くわすことがあります。例えば、一連の実験のうち、一回だけ大きく傾向と違う結果がでることなど。確かに、決められた操作をしたはずで、はっきり記憶しているしノートにもそう書いている。でも実験で得られたサンプルは何かの間違いをしていることを示していて...。新しい現象を発見?装置にバグ?それとも誰かが意図的に邪魔しているのか?
怪しいのは...、まあ自分でしょうね。人間、誰しも間違いをするし、記憶なんて簡単にねつ造されてしまいます。
さて、こんな状況のとき、実験であればもう一度同じ実験を繰り返してみるのが常套手段です。再実験で納得できるデータが得られたなら、最初の回の実験には何らかのミスがあるのでしょう。どんなミスだったか、を追求することはそれほど意味のあることとも思えませんから、結果を破棄して続きの実験を頑張ります。
その一方で、再現実験を行ってもなお最初の回のデータが再現されたとすれば,あなたは何か重要な現象を見つけたのかも知れません。少し条件を変えながら実験を継続して、何が起こっているのか、を見極めてください。
さて、実験ならばこの通りなのですが、フィールでの調査だと話が少し変わってきます。