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水銀と髪の毛(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 秋は学会の季節。昨日は名古屋大学で開催されている化学工学会の秋季大会に参加してきました。学会は昼間のセッションもさることながら、よるの飲み会の席でもいろいろな情報が行き交っています。

 そんな席で話題になったのはこんな話。

 水俣病の原因物質として有名なメチル水銀(当時は有機水銀と呼ばれていました)は低濃度ながら普通の環境にも存在している。

 人間を始め、動物の体には環境から取り込まれるメチル水銀が蓄積しないように、体外に排出するメカニズムが存在する。

 それが、髪の毛。髪の毛には水銀が濃縮されていて、髪の毛が伸びることで体内の水銀が排出される。

と言うのです。

Hair_brush_nukege_black

 なるほど、水俣病に関連した資料をみると「毛髪に○○ppmの水銀」という表現をよくみかけました。水銀を毛髪で測るのは人体の一部のうちでもっともサンプリングし易い部分だからだと思っていたのですが、それ以外にも水銀が濃縮されていて測定しやすい、という意味もあったのですね。

 この毛髪による水銀の排出のおかげで人間の体内に入った水銀は1週間程度の時間で体外に排出されるそうです。

はて、私、年々髪の毛が薄くなっているのですが、水銀はちゃんと排出できているんでしょうか?ヒゲは髪の毛の替わりになりますかね?

江頭 靖幸

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