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「先生、写真撮っていいですか?」(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 大学で授業をしている時、はじめてこう言われたのはもう10年以上前のことだったと思います。

 「先生、写真撮っていいですか?」

 「えっ、なんだい急に。写真?いいけど…、照れるなぁ。」

 「何言ってるんですか、先生の写真じゃありませんよ。黒板に書いたことを写真に撮るんです。」

なるほどね。

 私が学生のころ、もちろん携帯電話やスマホはありませんでしたから、授業で使用するものはノートと筆記用具だけでした。黒板に書かれたことを記録するにはノートを取る以外はなかったのです。学生諸君が携帯電話を持つようになると、そのカメラ機能を使って板書の記録を取る、ということを思いついた人がいたのでしょう。そして、わざわざ断ってから写真を撮ったところをみると、板書を写真で記録することを禁止していた先生もいたのだと考えられます。要点をまとめながらノートをとるのも授業での学習の重要な一部、と考えてそのように授業を構成している先生からすれば、板書を写真に撮られては授業が台無しになってしまいますからね。

 さて、時は流れて教室にはプロジェクターが常設されるようになり、我々教員の側もパソコンをつかってスライドを投影しながら授業を行うことが普通になりました。学生諸君も携帯電話をスマートフォンに持ち替えて授業に臨んでいます。

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 先生の板書を学生がノートにまとめる、というタイプの授業に大きな教育的な効果があることは昔からの伝統が証明しているのですが、先生がスライドに映した内容を学生がスマフォで写真に撮る、そんなスライドを見せながらの解説が授業の重点となるように構成された授業も効率的です。多くの先生はそんな両極を適宜取り入れながら授業を行っているのでしょう。

 さて、教室に持ち込まれたプロジェクターとスマートフォン、授業での利用法はいろいろなのですが、写真は授業中にアンケートフォームに学生を誘導するQRコードを表示したケースです。(写真の画像は一部加工してあります。)

 学生にURLを伝えるのは、比較的簡単なURLの場合を除いてやっかいな問題です。打ち込み間違いや文字の取り違え(「1」(イチ)と「l」(エル)など)があると目的のサイトに繋ぐことはできません。QRコードをスライドに映し、学生のスマートフォンでそれを読み取ってもらえば簡単に目的のURLに学生を誘導することができます。

 教室の設備も学生の持ち物も時とともに変化してゆきます。それに応じてどんな授業を行うのか、大学の教員も時とともに変化してゆくべきですね。

江頭 靖幸

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