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大学院の勧め-5(片桐教授)

| 投稿者: tut_staff

 私は皆さんに大学院への進学を強く勧めます。少なくとも修士、可能なら博士号の取得をお勧めします。

 さて、前回は日本における生涯賃金の学歴による格差をご紹介しました。今回は今後のこの傾向が大きくなるのではないかという懸念についてです。最近の社会はグローバル化が進んでいます。業界によってはその給料の格差はアメリカ的になってきていることが知られています。

 アメリカの学歴による生涯賃金の格差のデータを米国政府統計局のWeb Pageで見つけました。https://www.census.gov/prod/2002pubs/p23-210.pdf

この資料は少し古いversionですが、わかりやすいグラフがついています。

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 中卒の生涯賃金は100万ドル(1億1千万円)、高卒は120万ドル(1億3千万円)、短大卒は150万ドル(1億7千万円)、高専卒は160万ドル(1億8千万円)、大卒は210万ドル(2億3千万円)、修士卒は250万ドル(2億8千万円)、専門職大学院卒は440万ドル(4億8千万円)、博士卒は340万ドル(3億7千万円)だそうです。ほぼ日本の学歴別生涯賃金と同じ傾向です。専門職大学院は医者とか弁護士のコースですから生涯賃金が高いのも日本と同じですね。

 小学校からの修学年数と生涯賃金をグラフにしてみました。

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横軸が修学年数、縦軸が生涯賃金(百万ドル)です。

 専門職大学院をのぞいて、良い直線関係を示しています。この傾きから大学院2年間あるいは5年間の生涯賃金に及ぼす影響は32万ドル/年(3千5百万円/年)となります。これは、現在の日本における影響、約2千万円/年の約2倍です。学歴による生涯賃金格差はアメリカの方が凄まじいですね。これから社会がグローバル化すると、日本でも生涯賃金の格差が広がるのではないかと懸念されます。

片桐 利真

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