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2017年11月

2017.11.30

理系の英語勉強法-5 拍を組み合わせて単語を作る時のルール-1(片桐教授)

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 漢字は便利です。木編がついていれば、いくらかの例外(横など)はあるとしても樹木に関係する漢字であることが容易に推定されます。魚編ならおさかな関係、貝偏なら貨幣に関わるお金関係と漢字そのものを知らなくてもおおよそ何に関わっているかを「推測」できます。

 英語も同様です。その単語を知らなくても、その単語を形成している拍を見ればその単語がどのようなニュアンスを持っているかを理解できるようになります。

 例えば 頭の com- は「まとめる、共に=togetherとかwith」の意味を持ちます。例えば、 com-bineのbiはラテン語の「2」ですからその意味はtwo togetherですね。農機具のコンバインはトラクターと刈り取り機をtwo togetherしたものです。

 このような拍のパーツの意味を理解できれば、我々が漢字の部首でどのようなニュアンスを持っているのかを想像できる程度には英単語も想像できます。

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2017.11.29

COガスの不純物(江頭教授)

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 私が学生だった頃の話です。一酸化炭素、COを使ってNOを還元する触媒の反応実験を行っていました。粉状の触媒を内径10mm程度のガラス管に詰めて周囲から加熱、COを含んだガスを送り込み、反応ガスを分析する。そんな実験をルーチンで何回もくり返していたのですが、実験を始めてしばらくすると触媒を入れるガラス管に黒っぽい汚れがつき始めました。

 この汚れ、ガラス管が加熱用ヒーターで暖められている部分、ガスの流れの上流側、内側についていました。洗ってもとれませんし、触媒に直接接触する部分でもないので、そのまま使い続けているとだんだん黒さが増してくる。やがて黒い色から金属光沢を示す様になってきます。

 「一体、これは何だろう?」

 研究室の仲間に相談するとすぐディスカッションが始まります。

 「ガラス管の内側、ガスが加熱されてすぐの場所で生成しているのだから供給されたガス内の何かが固体になったはず。」

 「供給されているのはCOとNO。希釈用のHeはさすがに無視して良いはずだからC、N、Oでできたもののはずだ。光沢のある固体として考えられるのは炭素、グラファイトだろうか。」

 「でも、数百度程度の温度で炭素の析出が起こるとは考えにくい。」

 「ガラス管の上流と下流で原料の濃度はそんなには変わっていない。にもかかわらず上流にしか発生しないというのもおかしい。」

 「これは原料そのものではなくて、原料に不純物が含まれているのでは。不純物は加熱されて分解し、この金属光沢のある物質となるのだろう。入口近くですべての不純物が分解し、それより下流には影響が出ないわけだ。」

 などなど、結論は出なかったのですが、「他の研究室でも同じ現象が起こっている」という耳寄り情報もありました。結局、そちらから原因を教えてもらったのですが、ガラス管にくっついている物質は鉄、それもボンベの内側の鉄がガスと一緒に運ばれてきたものだ、というのです。

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2017.11.28

理系の英語勉強法-4 理系英語の文法とその階層性(片桐教授)

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 さて、「文法」というと、単語を組み立てて文を作ること、と考えます。しかし、それはほんの一部です。

 理系の英語では

  1. 「音=拍」を組み立てて単語を作るルール
  2. 単語を組み合わせて文を作るルール(俗にいう英文法)
  3. 文を組み合わせてパラグラフを作るルール(パラグラフライティングとか高次文法とか呼びます)
  4. パラグラフを組み合わせて文章(レポートや論文)を作るルール

を意識しなければなりません。

 中学高校では 2. しか教えません。これは、他の「文法(?)」には例外が多く、試験になじまないからではないかと推察します。そういえば、国語の「文法」は小学校の時に「経験則的に」習うけど、体系的には習いませんよね。これは日本語のフレキシビリティゆえに試験になじまないからかもしれませんね。それで作文させるのだから、日本の小学生はカシコイんだなあ。

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2017.11.27

模擬面接のこと(江頭教授)

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 「模擬面接」は学生諸君の就職支援の一環として本学キャリアサポートセンターと我々教員とが協力して行う就職活動の際の面接の予行演習です。対象は本学の3年生。応用化学科の第一期生も三年生の秋を迎え、この「模擬面接」の対象となります。

 通常、この模擬面接は研究室の先輩が面接官役となります。すでに就職活動を終え、実際の面接を経験した4年生が、一研究室あたり数名キャリアサポートセンターで講習を受けて面接官役の準備をします。(図は講習での資料です。) その後、研究室毎に模擬面接を行い学生に対するフィードバックと共に結果をキャリアサポートセンターに報告する、というのが本学の一般的なスタイルです。

 もっとも、今回の模擬面接の対象者は本学科の第一期生。ということは先輩がいない世代でもあるわけで、面接官役になる人を別途探してくることになります。幸い、応用生物学部やメディア学部、応用生物学部の4年生の皆さんの協力を得ることができ、工学部最初の模擬面接を先週の金曜日と今週の月曜日(今日ですね)に行うことができることになりました。

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2017.11.24

水酸化ナトリウムが手につくとどうなるか(江頭教授)

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 水酸化ナトリウムは高校の化学の実験でも利用されるような基本的な試薬ですが、危険性が高いため一般には手に入りにくいものです。(でも某通販サイトをみると……。)高校生諸君が実験で使用する際にも「絶対に手につかない様に」と注意されたはずです。

 ですから、まじめに注意深く実験を続けている人は、表題の「水酸化ナトリウムが手につくととうなるか」という質問には答えられないはずです。ではありますが、そう、私は実は経験に基づいてお答えすることができたりします。

 水酸化ナトリウムが手につくと、その部分が「ぬるぬる」して来ます。やがて強い痛みが来ますので、手に付いた場合にはなるべく大量の水で洗い流しましょう。

 この「ぬるぬる」は強アルカリである水酸化ナトリウムが手のタンパク質を分解するからだ、と言われています。要するに手が溶けているわけですが、人間のからだには再生能力がありますからすぐに洗えば後遺症などはないようです。

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2017.11.23

理系の英語勉強法-3 理系英語の文法とその階層性(片桐教授)

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 英語は「世界言語」です。特に理系では英語は共通言語として認識されています。英語が世界言語になったのは、その文法の単純明快さによります。というと、中学校高等学校の英語文法で苦しめられてきた学生諸氏は反発を覚えるかもしれません。でも、英語の文法は厳密でそれゆえ簡単です。

 外人さんは「日本語は難しい」とよく言われます。これは、文法のフレキシビリティが高いためです。一方、英語の文法の自由度は(少数の例外を除き)ほとんどありません。つまり内容が定まると、それを表現する文章に「正解」があります。一方、日本語はフレキシビリティが高いため、文章に正解はありません。正解のない日本語は外人には打難しく、一方、英語の自由度の欠如が、自由なことばを愛する日本語人には堪え難いのかもしれません。

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憶えていますか?5文型

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2017.11.22

公害の記憶(江頭教授)

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 「公害」という言葉を聞くことはかなり前からほとんど無くなっています。環境に関する授業のなかで私自身が口にするとき、そして海外での話題として聞くぐらいでしょうか。中高生のみなさんは歴史の授業で触れるだけかもしれません。

 しかし、私の子供の頃、1970年代ごろは公害という言葉を聞かない日がないほどに大きな関心を集めていた話題でした。今の温暖化問題と同様な、あるいはそれ以上の世間の関心事だったのです。

 子供時代の私もこの「公害」という問題に強い関心を持っていました。いえ、そんな積極的な態度ではありません。実のところ、「公害」が怖くて怖くてしかたがなかったのです。「公害の影響で得体の知れない病気になって死んでしまうのではないか」という自分自身の未来についての不安もありました。同じくらい恐ろしかったのは「公害によって文明が崩壊する」ことでした。きれいな水や空気をもとめてスモッグに覆われた廃墟の街をさまよい歩く人々、そんなイメージが頭から離れなかったのです。

 「まあ、考えすぎだよね」と言えるような極端な考えなのですが、何しろ子供のことです。恐怖心にとらわれると同時に、そんな公害を野放しにしている大人たちに激しい憤りを感じる様になってゆきました。「公害を生み出した愚かな人間たちが滅びるのは当然」などと考える様になったのは中学2年生くらいだったでしょうか。

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2017.11.21

講演会で鳥取に行ってきました(片桐教授)

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 片桐です。11月13日に鳥取大学で行われた「第11回フッ素化学セミナー」で招待講演をしてきました。演題は「有機フッ素化合物の特性を利用した機能材料を指向する結晶工学 」内容は有機フッ素化合物は真のナノテクノロジーの材料として使えるか?というものでした。会場は工学部の第講義室でおおよそ100名の聴衆を前に大ほらを吹いてきました。

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 このフッ素化学セミナーは「フッ素化学討論会」のプレシンポジウムとして毎年開催されています。私はこれらの学術会合を主催する「日本フッ素化学会」の理事をしており、本当はフッ素化学討論会も参加しなければならないのですが、火曜日1限の量子化学の講義のため、泣く泣くこのセミナーに、しかも自分の発表だけして帰ってきました。残念。

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2017.11.20

映画「不都合な真実2」(江頭教授)

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 「不都合な真実2 放置された地球」は以前に紹介した2006年の映画(そして書籍)「不都合な真実」の10年後の続編です。米国のクリントン政権での副大統領だったアル・ゴア氏が地球温暖問題について語る講演会の映像を軸に、講演で触れられた場所の映像やゴア氏自身の現在の活動、過去の回想を交えて「不都合」ではあるが「真実」である温暖化問題について啓発する、この構成は約10年後の続編であるこの映画でも共通のものです。

 しかし、10年前の「不都合な真実」では新たな問題を指摘し、人々が解決のために活動することを訴える、というシンプルな流れであったのに対し、この続編の話の流れは少し複雑です。前作で説明された温暖化のメカニズムなどは当然ながら省略されています。10年の間により明確になった温暖化の影響を示す映像は雄弁ですが、内容自体は10年前に予測されていたことと変わりはありません。そのため、本作で新たに語られるのはゴア氏自身の、そしてゴア氏に共感して動き始めた人たちの活動なのです。

 「不都合な真実」で有名になったゴア氏ですが、大統領選における不本意な敗北の後、この地球温暖化問題についての啓発活動を本格的に始動させます。世界中に人たちに呼びかけるため、自分に代わってプレゼンテーションを行える様な「気候リーダー」を育成する活動。自身の経歴を活かした世界各国の要人との対話など。パリ協定の成立の場面はこの映画のハイライトとなっています。

 しかし、その後のトランプ政権の誕生により米国政府の温暖化対策は大きく方向転換します。そして、失意の中でも希望を失わないゴア氏の姿でこの映画は幕となります。

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2017.11.17

点検される側からみた授業点検(江頭教授)

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 授業点検。授業は本学の授業ことです。点検するのは教員、その授業を担当していないほかの教員が点検を行います。

 本学で行われる授業は順番に点検の対象に選ばれます。対象になった授業を他の教員数名が参観し、授業後にその授業の内容について話し合います。その授業の学科の教員、他の学科の教員、場合によっては他学部の教員も参加するので、いろいろな視点から授業の内容ややり方が吟味されることになります。

 私も複数回の授業点検に参加してきたのですが、今回は自分の授業「化学工学」が授業点検に対象となりました。はじめて、点検される側、として授業点検に参加することになったのです。

 点検される側、というのはやはり緊張するものですね。点検対象の授業中、授業をみてくれる先生たちは写真のコメントシートに記入しながら授業の内容、授業の進め方をチェックしていきます。授業が終了するとこの評価シートをもとに検討会が行われますが、その中でいろいろ参考になる指摘・コメントをいただきました。

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2017.11.16

「サステイナブル工学プロジェクト演習」中間報告会(江頭教授)

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「サステイナブル工学プロジェクト演習」。

長い名前ですね。

で始まったのがこの記事。今回はそれに中間報告会がつくのでもっと長い名前になります。

 それはさておき、11月15日に開催された中間報告会、本学工学部の3年生によるグループワークでの発表会です。この「サステイナブル工学プロジェクト演習」の特徴は3学科合同の授業である、という点ですが、この中間発表に向けた取組では異なる学科の学生が集まってグループをつくることが特徴になっています。

 発表内容はいろいろな工業製品について、そのライフサイクル全体での環境負荷をどのようにして小さくするか、その方法を提案する、というものです。今回は環境ラベル「エコリーフ」に登録されている工業製品を対象とし、公表されている環境情報データを元に、具体的な改善提案を行い、その効果を評価しました。

 改善提案としていろいろなアイデアを出すことはできても、その効果を評価することは一般的には難しいものです。本学工学部で1年のときから行ってきた「サステイナブル工学」に関する授業で学修したLCA(ライフサイクルアセスメント)の知識を応用することで、はじめて評価を含めた提案が可能になるのです。

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発表会場は片柳研究棟の1階ホール。オープンなスペースを利用してポスター34枚×2回の賑やかな発表会となりました。他学部の先生の飛び入り参加もあり発表した学生諸君には良い刺激になったようです。

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2017.11.15

理系の英語勉強法-2 理系英語の発音(片桐教授)

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 英語の発音は難しい、と思うと難しいのですが、簡単にする方法があります。

 これは、中学生の時にインディアナ大学で日本語や文化を教えていた日本人のK助教授(同じアパートだった、後にハワイ大学教授)から教えてもらったコツです。この先生、実は言語音声学の大先生でしたが、当時中学生の私はそんなことはまったく知らず、「近所の日本人のおっちゃん」くらいの認識でした。このブログを書くために調べたら、Wikipediaにもお名前も見つけました。エライヒトダッタンダァ。

RとLの発音

 Are you ready? と Are you lady? を聞き分けることはおろか、発音し分けることは日本人の苦手とするところです。しかし、本当にひと工夫で発音し分けられます。

 それは、rの発音の時には発音しなくても良いから小さなゥをその発音の前につけることです。Are you ready? は「アー ユー ゥレディー?」と発音すれば、外人には確実に通じます。逆にLは発音を貯めないようにします。

Theの発音

 日本人は「ザ」とか「ジ」と発音しますが、ほとんど通じません。いっそ「ダ」とか「ディ」と発音する方が通じます。もともと英語は北ドイツ語から派生しています。ドイツ語の定冠詞は der とか die とか dasとか全てDの音です。実際、インデシアナ州では「ダ」「ディ」で十分通じました。

 下を上あごの歯の裏に当てて「ザ」と発音する、と教科書的には書かれていますが、そんなややこしいことしなくても「ダ」は簡単でしかも通じます。

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thの発音の舌の位置(正式)

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2017.11.14

消防訓練が行われました(江頭教授)

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 東京工科大学、日本工学院八王子専門学校合同の消防訓練が行われました。昨日(2017年11月13日)のことです。

 場所は我々応用化学科がある片柳研究棟。その前の噴水のある広場で10時ごろからの開始でした。消防署の協力で消防車や救急車も参加する本格的なもので、片柳研究棟の屋上(といっても凸型の建物の肩の部分の屋上で5階相当です)からの要救護者の搬送訓練や放水訓練も行われました。

 以前こちらの記事にも書いたのですが、今回の消防訓練で放水訓練があることを聞いていたので、私の研究室から訓練の様子をうかがっていました。下の写真にリンクした動画が放水時の様子を撮ったものです。(オーッ、と言っているのは私です。思わず声が出てしまいましたね。)

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2017.11.13

郵便番号192-0982(江頭教授)

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 郵便番号 192-0982、これは本学の八王子キャンパスの郵便番号です。本学ホームページにも下の図の様にしっかり書いてあります。

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 ここには、キャンパスの所在地は八王子市の片倉町だ、ともあります。

 なるほど、じゃあ八王子キャンパスのある片倉町一帯の郵便番号がこれなんだな、と思って郵便局の郵便番号検索を使って調べると意外にも片倉町の郵便番号は192-0914だ、と出てきます。

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あれ?どうなっているのでしょうか。

 逆に郵便番号 192-0982で検索すると以下の様な結果に。

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郵便局でも 192-0982 の郵便番号は分からない?ということはこの番号は間違っているのでしょうか。

 もちろん、そんなことはありません。

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2017.11.10

「安全工学」の講義 番外編(ヒヤリハットの行方)(片桐教授)

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 2年生の講義「安全工学」担当の片桐です。今回は安全工学の講義の最終課題として提出いただいたレポートの行方についてです。

 皆さんが提出したこの八王子キャンパスの危険要因に関する「ヒヤリハット報告書」は、片桐により記載が十分で実際に使えるものと、これでは提出できないものに分けられ、それぞれ講義の評価点に加えられました。残念なことに、今年は報告書に「学生番号、氏名」を記載していないものが多数あり、これは加点対象にできませんでした。まさに「ヒヤリハット」ですね。事務ミスは往々にして致命的なことがあります。報告書が不採用と返却(つっ返され)されなかったのに、成績が思ったほどに高くなかった人は、本当にお気の毒です。

 さて、採用されたヒヤリハット報告書は、工学部の教員職場安全委員会で承認を受けた後に、大学事務(業務課)と大学の環境・安全衛生委員会に上げられます。そこで、これは改善が必要であるとされる事項については、実際に対策がとられます。

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2017.11.09

今年も11月に登場、クリスマスツリー(江頭教授)

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 本学、八王子キャンパスの冬の風物詩、クリスマスツリーが早くも登場です。場所は厚生棟と図書館棟のあいだの広場、我々応用化学科が所属する片柳研究棟の前の坂を上ったところにクリスマスツリーが立てられました。

 このツリー、どうやら昨年のものと同じ三角錐のデザイン的なものです。一昨年のリアルな樹木型よりも好評だったのでしょうか。今年は組立の現場に行き会ったのですが、鉄製のフレームを組み合わせて緑の外装をはめ込むことであっという間に完成しました。

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そして、その日の晩には既にライトアップがスタートです。

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2017.11.08

理系の英語勉強法-1 理系英語の用意・準備(片桐教授)

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 2017年11月1日のブログで、私の研究室での英語教育の一端を紹介しました。理系の英語教育については一言持っていますので、これをシリーズ化しようかと思います。

 さて、私、片桐利真は「帰国子女」でした。小学校の6年の夏から中学校1年の夏まで丸1年間、アメリカ合衆国インディアナ州ブルミントンという人口3万ほどの大学と採石を主な産業とする町にあるインディアナ大学付属中学校に通いました。父親の仕事の都合で、一家そろってそれにくっついていきました。

 当時は、小学校での英語教育はま〜ったく行われておらず、ABCもほとんどわからない状態で現地の小学校にいきなり放り込まれました。もちろん、いきなりとはいっても、1年〜半年の猶予期間はあったので、NHKラジオの基礎英語(当時はⅠもⅡもⅢもなく1つだけでした)、ラジオ英語会話などで、少しは準備しましたが、そんな付け焼き刃が役立つわけもなく、現地の中学校の講義はもちろん全て英語で…落ちこぼれました。唯一、数学だけは2学年skipしましたが他の科目はほぼ全てslipしたのは、やむをえないことでしょう。

 幸いに大学付属中だったため、同じような境遇の学生もおり、特に台湾、韓国からの子女とは漢字を使った筆談がかろうじて可能でした。そして、現地で生の英語に長期間接したのは、大きな収穫だったかもしれません。しかし、英語は嫌いになりました。

 その後、中学高校は悲惨でした、帰国子女のラベルを貼られ、しかし、英語嫌いという、どんなラノベのシチュエーションでしょうか。しかも、インディアナなまりは日本の英語教育の発音スタンダードからは大きく外れていました。ますます英語嫌いになりました。

 大学の教養では文学部の先生の「nursery rymth(わらべ歌)」でマザーグースをテキストにした講義を受けました。期末試験はマザーグースの中から2曲選んで歌うというものでした。この講義からはいろいろな発見がありました。

 今から25年ほど前、上司に勧められ、数ヶ月間毎週会社の「テクニカルライティング講座」を受ける機会を得ました。この講義が、私の英語に向き合う姿勢の転機でした。

 講師は中牧先生と言われる方で、工業英検の日本工業英語協会の設立中心メンバーの方でした。講義そのものは日本語文を英訳し、その添削指導を受けるというものでした。この講義の後の雑談で、理系英語の学び方について、多くのことを学びました。

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2017.11.07

消防車にビックリ(江頭教授)

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 消防署に止まっている消防車、これは普通の情景です。しかし、街中で消防車を見かけると、おやっ、と思います。自分の家の近くに止まっていると気になります。これが大学の中にあるとぐっと不安に。

 工学系の研究室では実験を行っている以上、思わぬ事故で火がでて消防車が出動、といった可能性は皆無ではありません。それを考えると大学に消防車が止まっている、という段階で何かの事故を連想するの無理からぬことでしょう。

 先日、我々の応用化学科が所属する本学八王子キャンパスの片柳研究の前に消防車が止まっていました。片柳研究のビル、消防署の人たちが見上げている先は...私の研究室です!

 あれっ、何があったんだろう...。

 「こんど消防訓練をするので消防署の方に打合せに来てもらいました。」

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2017.11.06

早朝のキャンパス(片桐教授)

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 だまされたと思って、朝早くキャンパスにきてごらんなさい。

 美しい景色に出会えます。美しい景色を見ると、その日一日幸せになれます。

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2017.11.03

いちょう並木(片桐教授)

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 今秋は晴れの日が少ない。太陽光が足りない。

「もっと光を! Mehr Licht!

はゲーテの最後の言葉だったそうですね。日照不足のためか、今年の木々の紅葉の鮮やかさはいまひとつだ。

 それでも、今朝(11月2日)の本部棟前のイチョウは鮮やかな黄色で出迎えてくれた。目の覚めるような黄色だ。研究棟Aと厚生棟と片柳研究棟の隙間から差し込む朝日はまるでスポットライトのように3本のイチョウを照らしている。

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2017.11.02

ハラスメントに関する講習会が開かれました。(江頭教授)

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 東京工科大学では月に一度、八王子キャンパス、蒲田キャンパスでそれぞれに「全学教職員会」と称した講習会を開いています。学長が大学の運営方針を説明する回もありますし、各学部がそれぞれの教育目標を発表する回もあります。時には外部講師をお願いして大学の教育にかかわる最新の話題を解説していただくこともあります。

 今週開かれた「ハラスメント講習」もその1つで名古屋大学 ハラスメント相談センターの千賀則史講師に講演をいただきました。昨年度も同様の講演会があったのですが、今回は大学での事情を前提としてのお話、タイトルの「ハラスメント防止のための信念対立解明アプローチ」でも分かる様に、ハラスメントの本質まで踏み込んだ考察に基づいたものであり、新鮮な内容でした。

 タイトルが信念対立の「解決」ではなく「解明」になっている点に注目してください。ハラスメントの原因となっているいろいろな対立は、善悪の対立ではない、という理解が第一点。それは、どちらも正しいが相異なる信念の対立である、との理解が第二の前提となって、その対立を解明することが、問題の解決の切っ掛けになる、というのです。これは問題の解決であって対立の解決ではなく、どちらが正しいかを判定することでありません。それでも対立を解明することで多くの場合問題解決に至る、というか、そのような道しかない、という事なのでしょう。

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2017.11.01

日本人はなぜ英語をスムーズに話せないか。(片桐教授)

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 研究室の学生さんに英語を教えている。短い論文のタイトルを読ませてみると、つっかえる。どうしてうまく発音できないのであろうか。などと考えていたら、あるとき学生さんとはやりの歌手の話題になった。「キャリーぱみゅぱみゅ」という女性歌手の名前を、私はうまく発音できなかった。どうしても「きゃりーパムパム」になる。これはどうしたことかと思った。

 昔見たNHK教育(古いなあ)の市民大学講座で金田一春彦先生が「みゅ」という音は和語にはほとんどまったくない、という話をしていたのを思い出した。その講義ではこれまでに確認された例として、豆生田(まみゅうだ)という地名が唯一例ではないかとおっしゃっていた。おそらく、私の発音の引き出しの中には「ぱみゅ」という発音が存在しないのであろう。「ミュ」の音は外来語では多用される。ミュージックやコミュニケーションなどの「ミュ」は違和感なく発音できる。

 イギリス人は私の名前を「カタジリ」と発音する。イギリスの友人によるとヘボン式の「gi」という綴り字には「ギ」という発音はないそうだ。どうしても「カタギリ」と発音してほしければ、Kataguiriと綴らなきゃダメだと言われた。

 同じく金田一先生著の「日本語」岩波新書には、「拍」という発音単位の話があった。日本語では子音+母音がひとつの発音の単位=拍になる。しかし、他の言語では、必ずしもそのような単位ではない、という話である。少し古い辞書であるが、「研究社 新英和辞典」には英語の発音の単位=拍が明示されていた。スーパーマーケットは日本語ではスー・パー・マー・ケッ・トになるが、英語ではsuper・marketの2拍になる。発音の切れ方が日本語に比べて大きい。これが日本人のカタカナ英語のつっかえるようになる原因であろう。一方、外人さんが日本語を喋る時に、その発音のテンポが日本人と異なる場合がある。これも彼らの類似の発音の拍をまとめて発音してしまうことによると思われる。

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