« 紙か電子か問題、レポートの場合(江頭教授) | トップページ | インフルエンザの季節ですね。(江頭教授) »

理系の英語勉強法-6 拍を組み合わせて単語を作る時のルール-2(片桐教授)

| 投稿者: tut_staff

 漢字で構成されている日本語の音には「音読み」と「訓読み」があります。しかし、例外的に「重箱読み」や「湯桶読み」もあります。「牛肉(ギュウニク)」は2つの単語を音読みにします。一方、「豚肉(ぶたニク)」は訓読みと音読みを組み合わせます。トンニクとは言いません。

 日本語はもともとの大和ことばと漢語からできています。そのため漢字で表現するのに、意味を借りた訓読み(もともと大和ことばの発音を起源とする)と中国由来の発音も借りた音読みがあります。もっと言えば、音読みの発音も呉音や漢音や唐音など、日本に渡ってきた時代や経路で異なり、これがまた日本語を難しくしています。

 さて、先の豚肉(ぶたニク)のような「湯桶読み」や逆の「重箱読み」は日本語としてはメジャーではありません。これはそれぞれ異なる起源の拍を混ぜることに違和感を憶えるからでしょう。同様に英語もその拍の語源を混ぜることに違和感を憶えるそうです。

 日本語の語源は主に大和ことばと漢語です。英語の語源はギリシャ語やラテン語が多いようです。もちろん、多くの国と歴史的に関係していたので、古いケルト系のことばや、アラビア語も含まれます。

 アルカリ al-ka-liはアラビア語の定冠詞のalと灰の意味のka-liを組み合わせた単語ですね。Kaliはラテン語のカリウムの語源にもなっています。カリウムの英語のpotassiumはオランダ語が語源だそうです。pot+ashで「壷の中の灰」から来ています。錬金術のal-che-myもアルコールal-co-holも同様にアラビア語由来です。英語のalcoholの英語の綴り字に少し違和感を憶えるあなたは語学のセンスがあります。中世の頃、科学はヨーロッパよりもアラビア圏で発展した名残です。…脱線しました。

 ラテン語系とギリシャ語系の対比でよく引用されるのが、数を表す接頭拍です。

Pic_3

 一番違うのは1〜7のあたりですね。有機物の命名法で、置換基の数はギリシャ系、環の数はラテン系ですね。音楽用語はラテンが多いようです。NHKで昔やっていた夕方クインテットという子供向けパペットの音楽番組(?)は憶えていましょうか。玉川カルテットってご存知ですか。そういえば鉛筆のブランドで「トンボmono」「三菱uni」はそれぞれ「唯一、我こそNo 1」と主張し、張り合っているのでしょうか。…また脱線しました。

 日本語で重箱読みや湯桶読みが例外的なように、英語でも語源で組み合わせる接頭語(拍)とbodyの拍は語源などでそろえるようです。でも例外が多くてルール化はできないようです。最後はフィーリングでしょうか。

 否定の接頭語にはa-とかim-とかがあります。a-はギリシャ語由来、in-とかim-はラテン語由来出そうです。原子at-omはギリシャ語の「切り離せない」これ以上分割できない、から来ているそうです。これはもともとの単語がギリシャ語だったケースですね。Im-pos-si-bleの後半possibleもim-と同じくラテン語系です。

参考文献

  • 別冊宝島「英単語スーパー“語源”記憶術」宝島社(2012)
  • 投野由紀夫「英語語彙修得論」河源社(1997)
  • 山並陞一「語源でふえる英単語」The Japan Times (2000)
  • 野口ジュディー「耳から学ぶ科学英語」講談社(1995)

片桐 利真

« 紙か電子か問題、レポートの場合(江頭教授) | トップページ | インフルエンザの季節ですね。(江頭教授) »

基礎講座」カテゴリの記事