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2007年8月28日の月食(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 昨日1月31日の夜は皆既月食でした。月食は月が地球の影に入ることで暗くなる現象ですが、実は月食になっても月は真っ暗にはならず、少し明るさが残っています。地球で散乱された太陽光の一部が月に反射している訳ですが、私自身がこの現象に気がついたのは乾燥地緑林研究で西オーストラリア レオノラでフィールドワークをしている時でした。いまから10年以上前、日本では見られない皆既月食がオーストラリアでは見える、というタイミングで出張したのです。

 さて、オーストラリアでの皆既月食、じつは私自身は皆既月食があることを知らなかったのですが、同行した共同研究者の人たちから「今日は月食があるよ」と教えてもらったのでした。昼間はフィールドで作業をつづけ、夕方宿を借りている農場に戻る途中、その事を思い出して月を見たのですが特に変わった様子はありませんでした。いえ、そう言えばなんか光が弱く、赤茶けた色をしています。乾燥しているので土煙が立っているのかな、などと思って農場に到着。皆既月食を心待ちにしていた我々が、そろそろ始まってもいい時間だよね、などと言い合っていると、なんと!月の一部がものすごく明るく輝き始めたのです。

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 一体月に何が!と思ったのですが、これ、実は日が落ちる前にすでに皆既月食が始まっていたのですね。月食で月が地球の影に入っても、完全に真っ黒にはなりません。ある程度の明るさがあるのですが、人工的なあかりが全くない乾燥地の空では月の明るさがどのくらい減ったのかが判断できなかったのです。私たちは皆既月食で暗くなった月をいつもの月だと思い込んでいました。ですから皆既月食が終わって月が顔をだすと月が異様に明るいことにうろたえてしまった、という訳です。

 皆既月食では月は暗くなりますが、完全に真っ暗にはならない。私は昨日(31日)の月食でも確認することができました。皆さんは如何でしたか?

江頭 靖幸

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