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2018年2月

2018.02.23

「洋上風力発電」と法整備(江頭教授)

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 先日(2月20日)、読売新聞の一面をみると洋上風力発電の法整備に関する記事が載っていました。洋上風力発電の導入を促進するために国が「促進区域指定」を指定する。最長30年の事業期間を認めることができる、といった内容だそうです。

 さて、まずは技術の問題として洋上風力発電を考えてみましょう。風力発電は風車を回してその力で発電するもの。シンプルな原理で実用化が難しい様には思えません。洋上風力発電では、これを海面で行って発電するのですが、これも普通のある土木工事や造船技術の延長であり、これも技術的には実現が難しい様には見えないと思います。

 それでも、洋上風力発電所が一気に作られて日本のエネルギー源が再生可能エネルギー中心に切り替わる、ということはありません。私は子どもの頃から、そんな状況にいらだちを感じていましたが、今回のニュースの内容は、技術的な問題以外の問題点を反映していると感じました。

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2018.02.22

「立米」って読めますか?(江頭教授)

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「ここで流量が毎分1リューベで、あっごめん、毎分1立方メートルで、だね」

 授業中にこんな感じで良く言い間違えてしまいます。あっ、「リューベ」とは「立方メートル」のことですが、高校までの授業では使われていないようで学生さんはきょとんとしています。

 立方メートルは長さの単位、メートルの三乗。ですからその表記 m3 は「メートルサンジョウ」と読むべきなのですが、これを

「立米」

と着して「リューベ」と読む、という表現があるのです。

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2018.02.21

「沙漠」「砂漠?」「沙漠!」(江頭教授)

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 いわゆる「砂漠」について、私は「沙漠」という表記を使うのですが、良く「砂漠」の書き間違えではありませんか、と言われることがあります。

 いえいえ、意識して「沙漠」という言葉を使っています。特別なこだわりがある訳ではありません。沙漠に関連した研究を始めたときに、周りの人たちに合わせて使い始めたのです。実際、「日本沙漠学会」でも「沙漠」という表記が使われています。

 そもそも沙漠とは「水の少ない土地」であって「砂ばかりの土地」ではないでしょう、というのがこの「沙」という漢字が使われている理由だと思います。

 実際、沙漠の定義は雨の少なさ(降雨量の少なさや雨の降らない日の多さなど)に基づいて決められていて(例えばUSGSのこのページ)、砂の多さを基準にしたものは見たことがありません。

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2018.02.20

大きいシリコン栓も外れやすい(江頭教授)

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 えっ、外れやすいのは小さいシリコン栓なのでは?

 先日の記事を読んだ人には突っ込みを入れられるところなのですが、実は大きなシリコン栓にも外れやすい、という問題はあるのです。

 シリコン栓は試験管やフラスコなどのフタとして利用されています。試験管内の圧力が外気より低い場合は混入を防ぐために、高い場合は漏出を防ぐために使われているわけです。

 シリコンゴムの柔軟性のおかげでシリコン栓は試験管のガラスの口にぴったりと密着して外気を遮断することができますが、これが逆に問題を起こすケースもあります。まず、試験管内の圧力が低くなる場合は問題はありません。外気圧によって試験管とシリコン栓は密着するようになります。

 一方で、試験管の内圧が高くなるとシリコン栓が外れる力が働くことになります。大きなシリコン栓はこの圧力に意外と弱いのです。私自身、普通のサイズのガラス管とシリコン栓の組み合わせで行っていた実験を、管のサイズを大きくしてやり直したところ栓が外れやすくなって困った経験があります。

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2018.02.19

日曜日にも活用される東京工科大学八王子キャンパス(江頭教授)

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 昨日、2月18日は日曜日でしたが、週末に調子が悪くなったパソコンの修理のために大学に行くことにしました。幸い、ハードウェアに問題はなく、バックアップがとってあったので再インストールで問題解決、なのは良かったのですが結構な時間がかかりました。バックアップが終了すると今度はアップデートが延々と続きます。ほとんどやることがないのですが、ときどきキーボード操作が必要、というなんとも効率の悪い作業になりました。

 そんなこんなで夕方になり、ふと窓の外をみると休日にもかかわらず多数の人がキャンパスを歩いています。そう言えばキャンパスに来る途中、日曜日は運休の筈のスクールバスのス姿も見かけました。なにやら本学キャンパスでイベントがあったようです。

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2018.02.16

小さいシリコン栓は外れやすい(江頭教授)

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 試験管やフラスコにフタをする場合に使う栓、ずっと昔はコルク栓を使っていたそうですが、その後ゴム栓が使われるようになりました。今はシリコンゴムを使ったシリコン栓も普通に使われるようになっています。

 さて、シリコン栓は円錐台の形状で試験管やフラスコの円筒状の入り口に細い方の端を押し込んでフタをします。入り口とシリコン栓に角度が付いているので、押し込まれるとシリコン栓を周りから締める様に力がかかります。シリコン栓はゴムのような弾性があるので締める力に反発して力がかかります。入り口のガラスと栓のシリコンとの間の摩擦力によって栓が止まるわけです。

 ねじやロックの様な複雑な機構が不要でシリコン栓と試験管とに一対一の対応も必要ありません。簡単便利なフタの仕組みです。

 さて、試験管やフラスコの入り口のサイズは 1~2 cm が普通なので、それに応じてシリコン栓のサイズも決まっています。でもカタログを見るとずっと小さいシリコン栓もあるようです。

 以前、内径 8 mm 位のパイプに栓をしたいと考えて小さいシリコン栓を使ってみたのですが、これは外れやすくて困りました。

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2018.02.15

血を吸う試験管(江頭教授)

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 おっと、怪談話ではありません。採血の道具に付いてのお話です。

 さて、若い皆さんはあんまり血を採られることはないかも知れません。献血ぐらいでしょうか。でも年をとると定期的に血液検査を受けることになる人も増えてきます。私もその1人。毎年血液を採取されていますが、その際にちょっとビックリした、というお話です。

 看護師さんが注射器をちくりと腕に刺して血液を吸い上げて、さて、その取った血液を専用の試験管(採血管というらしい)に移します。今回たまたま、その様子を眺めていてびっくり。採血管にはフタが付いているのですが、そのフタに注射器の針を刺すだけで、あら不思議。血液が勝手に採血管に吸い込まれていくのです。

 看護師さんは注射器のピストンを押しているわけではありません。そもそも注射器に触ってもいないのに血液はちゃんと採血管に流れ込んでゆきます。それどころかちょうど良さそうな量のところで自然に止まりました。

 これは...。思わず看護師さんに聞いてみました。

「この試験管、減圧されてるんですか?」

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2018.02.14

電子天秤がくるう話、その2(江頭教授)

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 一部の電子天秤には磁石が入っているらしく、それが原因で質量の測定値がくるう、という話を前回紹介しましたが、今回も別の理由で電子天秤がくるう、という私の体験談を紹介しましょう。

 風よけの箱で囲まれたタイプの電子天秤での話しです。30 cm くらいのガラス管の質量をはかろうとおもいました。30 cm の棒状のもの、ガラス製なので曲げることもできませんから、箱には入りません。

 仕方なく、箱の左右の扉を開けてガラス管を差し込んで測定することにしました。ガラス管をきれいにして左右バランスをとって電子天秤で重さをはかったのですが、値が安定しません。だらだらと重量が減り続けて何時までも重さが安定しないのです。もちろん、電子天秤の重さの表示が安定するまでには時間がかかるのですが、普通、1分もあれば十分なはずです。しかし、このケースでは少なくとも1分以上、重量が減り続けて一向に安定しそうにありません。

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2018.02.13

電子天秤がくるう話(江頭教授)

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 天秤は本来、分銅と測定対象との重さを比較することで、対象の質量を測定するものです。

 その一方で電子天秤は実質的には対象に働く重力(重量)を測るものですが、電子天秤内にある分銅によってキャリブレーションを行うことができるので、まあ、時間差で分銅と対象の重さを比較している、とも言えるでしょう。

 さて、今回は電子天秤について自分が経験したトラブルについて紹介しましょう。写真は以前、私が自作したスターラーチップです。スターラーチップなので、中に見えている金属片はかなり強い磁石なのですが、この構造だと大きなビーカー(2L)を巧く撹拌できるのが特徴です。

 さて、このスターラーをビーカーに入れて実験を行い、電子天秤でビーカーと内容物の重さを、いや質量をはかっていたのですが、スターラーが入っていると安定した質量が表示されないのです。ビーカーの試料皿内での置き場所によって同じ値にならない。場所をずらすと表示が変わる。うーん、これではまともに使えないぞ。

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2018.02.12

コーオプ実習顔合わせ・情報交換会(2年目)が開催されました(江頭教授)

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 先週の金曜日(2月9日)に「コーオプ実習顔合わせ・情報交換会」が開催されました。コーオプ教育も2年目に入りましたから、この会も2年目、四回目の開催となります。

 コーオプ実習は8週間、約2ヶ月の企業での就業体験です。これは大学の授業15週間+試験1週間のサイクルのちょうど半分なので、一学期を二つに割って、年4期のクォーター制で実施します。4月からの1期、2期は夏学期に、9月からの3期、4期は冬学期に相当し、今回の「コーオプ実習顔合わせ・情報交換会」は1期、2期に行われる応用化学科、電気電子工学科の3年生のコーオプ実習のキックアップイベントです。

 さて、このイベントも4回目の開催、コーオプ実習が開始されてから一年が経過し、来期から実習に参加するのは本学部の2期生となります。当初、手探りの状況で開始したコーオプ実習ですが予想外の問題に直面することもなく、最初の一年間は順調に進んでいると感じています。本学コーオプセンターを始めとしたスタッフの働きはもちろんですが、実習生の受け入れ先として本学のコーオプ教育に参画していただいている企業の方々のご協力の賜物だと感謝する次第です。

 さて、本日のイベント、コーオプセンター長の司会で、いつもの通り学部長による挨拶からスタート。

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2018.02.09

電子天秤は(かろうじて)天秤である(江頭教授)

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 重さを量る道具を大きく分けると、一つは天秤の仲間、もう一つはバネ秤の仲間に分類できると思います。

 天秤は重さを比べる道具。支点で支えられた腕の両側にモノをのせる皿があり、基準となる分銅と比較することで重さ、正確には質量をはかります。

 一方、バネばかりでは対象物をバネに吊り下げて、その伸びを測ることで重さをはかります。バネの伸びが物に作用する重力に比例することを利用するので、バネばかりは対象の質量ではなくて重量を量る道具だと言えます。

 さて、化学の実験室に置かれている電子天秤は、このどちらに分類されるのでしょうか。形はキッチンスケールとよく似ています。重さを量る機構も似ていて、電子天秤は測定対象物に働く重力に比例する値をセンシングする機械です。

 もうこれはバネばかりの仲間だ、と言いたいところですが、そうでもないのです。

 「バネばかりを月に持って行けば測定値は6分の1になるが、天秤は地球でも月でも同じ値になる」質量と重量の測定について、これは正しいのですが、では電子天秤を月に持って行ったらどうなるのでしょうか。

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2018.02.08

卒業論文中間審査会が開催されました(江頭教授)

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 後期の授業と試験が終了したこの時期、東京工科大学では各学部の卒業論文の発表会が開かれています。

 我々の応用化学科でも卒業論文発表会、ではなくて、卒業論文中間審査会を開催しました。

 あれっ、と思われた方も多いでしょう。 卒業論文発表会ではなくて中間発表審査?そもそも、まだ東京工科大学工学部は設立3年、4月から4年生になった一期生が卒業論文に取りかかるところのなのでは?

 はい、その通り。本来は、本学科の一期生は卒業研究を始めていない時期なのですが、実は例外があります。

 「学士・修士一貫早期修了プログラム」がそれ。卒業研究と修士の研究を同じ大学の同じ学部で行うことで修士取得までの4+2=6年が短縮される制度です。この制度を利用するには厳しい条件(要するに成績優秀ということ)があるのですが、今回、応用化学科一期生のなかで一名がこの制度を利用することになったのです。

 

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応用化学科の「卒業論文中間審査会」は応用生物学部の卒業論文発表会と連続して行われました。会場はこの扉の向こう。

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2018.02.07

「電子天秤の代わりにキッチンスケールを使う」のは有りか無しか(江頭教授)

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 「はかり」いえ、秤、と書くべきでしょうか。ともかく、重さを測る道具のことです。今回は身の回りにある秤について考えてみたいと思います。

 普通に生活をしている中で重さを測る機会はそれほど多くはないでしょう。一番ありそうなのは体重を測ること。一般の家庭でも体重計(ヘルスメーター)がある家は多いのではないでしょうか。最大100~120kgくらい。1kg~0.1kg刻みで体重を測ることができるものが普通です。まあ、0.1kg刻みで重さが分かっても、食べたり飲んだりすれば体重は変化するのでそれほど意味は無いかも知れません。

 その他では、料理の際に使う秤があります。昔はバネと歯車で皿に載せたモノの重さを表示する調理用の秤が使われていましたが、最近は電子式で液晶表示のスマートな秤が一般的です。「キッチンスケール」と、呼び方もスマートになっていますね。こちらは最大が1~3kgぐらい。1g ぐらいの精度のものが一般的です。0.1g精度のモノもある様ですが、これは比較的軽いモノを測定している時に限定された精度でしょう。

 家庭で見かける秤はこのぐらいでしょうか。

 では、これらの秤と化学の実験で使用する天秤の違いはどこにあるのでしょうか。端的に言って「電子天秤の代わりにキッチンスケールを使う」のは有りか無しか、皆さんはどう考えますか?

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2018.02.06

入学試験(A日程)が実施されました(江頭教授)

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 本学の入学試験には複数のタイプがあるのですが、その中の一般入試A日程が行われました。2月2日の金曜日からスタートし、週末を挟んで2月5日まで。もちろん、4日間全てを受験する訳ではありません。1日だけ受験することも、今年度から導入された「統一入試」制度で複数回受験することもできるようになっています。

 「統一入試」についてはこのページに以下の様に紹介されています。

2018年度入試から,「奨学生入試」「一般入試A日程」「一般入試B日程」において,「統一入試」を導入します。「統一入試」は,1試験日受験することで,複数学部・学科を志願することができます。本学の「統一入試」では,学部・学科を3つ(A・B・C)のグループに分け,グループごとに選択教科・科目、出題範囲を設定しています。同じグループ内であれば,入学検定料の追加なく,複数の学部・学科を志願することが可能です。(奨学生入試は,グループ内2学科まで併願可能,A日程及びB日程は,グループ内すべての学科の併願が可能,志願順位をつける必要はありません) また,異なる試験日に別のグループを受験することもできます。

 さて、一般入試A日程の試験は2月5日で終了しましたが、本学にはセンター利用試験後期、そして、一般入試B日程といった受験の機会が準備さています。

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2018.02.05

自動化された天秤「直視天秤」(江頭教授)

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 この回で上皿天秤を紹介したのですが、構造が単純で分かりやすい代わりに、やはり扱うのは面倒な部分があります。特に分銅。管理が悪いと錆びてしまったり、軽い分銅が欠損していたり、なかなかやっかいです。

 そこで作られたのが「直視天秤」というもの。見た目は今風の電子天秤と同じでサンプルを乗せる皿が一つだけ。天秤なのに分銅を用意する必要がありません。実は「直視天秤」の支点から向こう側は機械の中に隠されています。皿をささえる「うで」の部分だけが外から見えていて、反対側のうで、皿、そして分銅も外部から見えないようになっているのです。

 直視天秤の分銅は機械の中に入れたままで、通常の使用では外に出すことはありません。機械の内側で上皿天秤と同様にサンプルと分銅の重さを釣り合わせるのですが、その動作をダイヤルの操作だけでできるようになっているのです。

 2018年の今、直視天秤を使っているひとはあまり居ないと思いますが、昔は化学系の実験室で多く使われていたと様です。

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2018.02.02

上皿天秤が測定するのは重量か質量か?(江頭教授)

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 「上皿天秤」はいまでも使われているのでしょうか?私が中学生のころには一番簡単な「重さ」を計る道具は上皿天秤でしたから、中学の理科の実験で上皿天秤を使った記憶があります。

 そう思って調べてみると「NHK for School」に上皿天秤の使い方の解説動画が上がっていました。「中学」と注記があるので、いまの中学生も上皿天秤を使うのでしょう。

 さて、なぜいきなり「上皿天秤」なのか、ですが先の重力の話と関係しています。子どもの頃、「上皿天秤」は質量を計っている。たとえ月で計っても結果は変わらない、という説明があったことを思い出したのです。

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NHK for School  の「上皿天秤の使い方 中学」のページです。動画はFlushなので環境によっては視聴できない可能性もありますので、ご注意を。

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2018.02.01

2007年8月28日の月食(江頭教授)

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 昨日1月31日の夜は皆既月食でした。月食は月が地球の影に入ることで暗くなる現象ですが、実は月食になっても月は真っ暗にはならず、少し明るさが残っています。地球で散乱された太陽光の一部が月に反射している訳ですが、私自身がこの現象に気がついたのは乾燥地緑林研究で西オーストラリア レオノラでフィールドワークをしている時でした。いまから10年以上前、日本では見られない皆既月食がオーストラリアでは見える、というタイミングで出張したのです。

 さて、オーストラリアでの皆既月食、じつは私自身は皆既月食があることを知らなかったのですが、同行した共同研究者の人たちから「今日は月食があるよ」と教えてもらったのでした。昼間はフィールドで作業をつづけ、夕方宿を借りている農場に戻る途中、その事を思い出して月を見たのですが特に変わった様子はありませんでした。いえ、そう言えばなんか光が弱く、赤茶けた色をしています。乾燥しているので土煙が立っているのかな、などと思って農場に到着。皆既月食を心待ちにしていた我々が、そろそろ始まってもいい時間だよね、などと言い合っていると、なんと!月の一部がものすごく明るく輝き始めたのです。

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