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2018年3月

2018.03.30

工学部長賞表彰式―4年生(江頭教授)

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 本学の学生に対する表彰制度、学長賞・学部長賞についてはこのブログでもこちらの記事で紹介しました。学長賞は成績優秀な学生に対する表彰制度ですが、学部長賞はすこし違った視点から表彰者を選びます。個人またはグループが対象で、各学部がそれぞれの学部の特性に応じた選考基準を設けることができます。応用化学科は工学部なので、本学科の学生は「工学部長賞」の対象者となります。

 昨日(3月29日)、本年度の四年生に対する工学部長賞の表彰式が行われました。おっと、彼らが四年生になるのは4月1日からなので、正確には三年生ですが、そこは大目にみてください。工学部の学部長賞、四年生に対する表彰は「サステイナブル工学プロジェクト演習」(こちらこちらの記事を参照してください)を審査の対象としてグループを表彰する形式です。

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2018.03.29

学務課のお引っ越し(江頭教授)

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 東京工科大学の八王子キャンパス、そこに通う学生諸君の事務手続きに関するニーズに応えるための学務課、その場所が移動しました。

 学務課の従来の場所は本部棟の二階。本部棟は八王子キャンパスの正門から入ってまっすぐに見える建物なので、片柳研究棟などとはまた違ったが意味で本キャンパスを代表する建物です。

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 そして移転先は図書館棟のなか。のっぽの片柳研究棟と半円を二つ組み合わせた形の研究棟、キャンパスの南北に配された二つの独特の形をした建物をつなぐ坂道があり、その途中に作られた平らな広場を東西に囲む二つの相似形の建物、その東に当たる建物が図書館棟です。(西にあるのは厚生棟と呼ばれています。)

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 実はこの話題、少々時期を逸しているのです。お引っ越しが行われたのは先学期の前。昨年の夏休み期間中だったのですから。

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2018.03.28

アンケート等の作成に便利なGoogleフォーム(江頭教授)

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 学生の意見を聞いたり、学生の情報を集めたい、そんなときアンケートをとるのは昔から中学や高校で良く行われていたことです。大学ではどうでしょうか。私自身はあまりアンケートをとられた記憶がありませんが、単純に忘れてしまっているだけかも知れません。

 さて、本学でもアンケートを集めることは結構あります。一番多いのは授業中のアンケート、まあアンケートと言っても小テストに近いものも多いのですが。

 授業中のアンケートや小テストにはペーパーレス化するためにWebベースのeラーニングのサポート用システムの moodle が準備されています。紙で情報を集めて整理するだけでも一仕事ですから、ペーパーレス化のメリットは大きいですね。

 ただ、moodle によるアンケートには大きな欠点があります。基本的に授業に参加している人を対象としたものだ、という点。あくまでも授業のサポート用なので、応用化学科の全学生に向けた調査、とか工学部3学科の全2年生に向けたアンケートなど、クラスを越えたアンケートは作りにくい仕様になっています。

 こんな時重宝するのが google 社のサービスである Google Forms です。

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2018.03.27

設備いろいろリサイクル(江頭教授)

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 年度末から新学期、その狭間の期間は短いですがいろいろな事をするタイミングです。研究室の陣容が変化することに対応して、部屋の模様替えをするのもその一つ。

 今回、私の研究室では学生用の机と椅子を増やすことに。場所が不足するので、代わりにロッカーを整理することにしました。

 机は新規に購入、ロッカーは廃棄、となるところですが、本学にはたくさんの研究室がありますから、私のところとは反対にロッカーが必要で机が余っている研究室もあるはずです。今現在に限定するとマッチングは難しいのですが、ある程度のバッファーを準備すれば不必要な購入と廃棄を節約するリサイクルが可能です。

 と、言うわけで本学では設備のリサイクルが組織的に行われています。

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2018.03.26

ガイダンス!ガイダンス!(江頭教授)

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 本日3月26日からの1週間で3月は終わり、つまり2017年度が終わります。先日卒業式を行ったので本学はお休みの期間。4月に入ると新入生を迎えるのですが、その前に一つやっておくべき事が。それが在校生に対するガイダンスです。

 我々工学部のガイダンスは29日。1年生、というか新2年生、それに新3年生、4年生に向けたガイダンスのために教員はそれぞれに向けた準備を進めています。

 「入学時はともかく、大学でガイダンスなんか必要なの?」

 はい、必要です。本学に固有の「コーオプ教育」や大学院進学のための情報、珍しいところでは大学がライセンスを導入しているソフトChemDrawやSciFinderのアップデートなど、在学生にも必要な情報を一気にまとめて伝達する、ガイダンスはそのための絶好の機会です。

 今年度は新4年生のガイダンスが行われ、これで学部のガイダンスは一応の完成をみることとなります。

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2018.03.23

pythonとSPAM (江頭教授)

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 pythonはこの記事で触れたようにプログラミング言語の名称です。SPAMはいわゆる迷惑メールのこと。スパムメールとも言いますね。

 さて、なんでこの二つを並べたのか。知っている人にはいまさらの話でしょうが、知らない人も多いのでは。じつはこの二つの言葉には同じ起源があるのです。

 この二つの言葉は比較的最近にできた言葉です。pythonは1990年代に開発が始まっていますが、一般的になったのは2000年ごろから。SPAMはもともとは塩漬け肉の缶詰の商品名なので、その意味では歴史のある単語ですが、迷惑メールの意味で使われるようになったのは電子メールの利用が一般的になって以降の話。これも1990年代後半以降です。

 もったいぶるのはやめましょう。この名称はBBC製作のコメディ番組「モンティ・パイソン(Monty Python's Flying Circus)」から付けられた名称なのです。

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2018.03.22

COBOLとpython(江頭教授)

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 先日、応用化学科の学生さんと話したときのことです。彼はプログラミングサークルに入っているとか。

どんな言語を使っているの?COBOL?

まさか!(笑)Pythonですよ。

ちゃんと冗談が通じてちょっと嬉しかったですね。

 どこが冗談なのか。説明するのは野暮なのですが一応念のため。COBOLというのは第2次大戦後、コンピュータがビジネスに利用され始めた黎明期に事務処理様に設計されたプログラミング言語。メインフレーム(大型計算機)で多く使用されたがワークステーションやPCが普及するにつれて重要度が下がってゆき、現在ではほとんど存在感の無い言語となっている。そんなCOBOLを今時プログラミングサークルで使う筈が無いでしょう。そんな意味合いです。

 要するにCOBOLなんて古くさい、ということで、これは私が学生だった1980年代から既に広がっていたイメージだと思います。(ただし、少し調べてみると、このCOBOLのイメージは必ずしも正しい訳では無いようです。)

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2018.03.21

学位授与式(卒業式)が行われました(江頭教授)

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 昨日、3月20日は東京工科大学の「学位授与式」、高校で言うところの卒業式が行われました。大学では授業を受けて所定の単位を取得し、卒業研究を行って、その論文が合格と認められれば学士号という学位が大学から授与されます。(大学院では修士号や博士号が授与されます。)ですから大学は卒業式ではなくて学位を授与する式、学位授与式となるわけです。

 当日はあいにくの雨模様。気温もぐっと低くなっていましたが、たくさんの卒業生とご父兄の方々が次々と来校されていました。

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 朝10時半から写真の体育館のアリーナで、片柳理事長をはじめとする祝いのことばから。今年は、当日の雨を「恵みの雨」とたとえて話されました。続いて軽部学長から各学部の総代への学位記の授与、そして卒業生からの答辞など。今年は学長賞の表彰も行われました。

 卒業生諸君とご家族の方々、そして我々教員も参加して盛大な式が行われました。卒業式は学部の卒業生に修士、博士の修了者も一緒に参加し、さらに八王子キャンパスの学部に加えて蒲田キャンパスの学部も合同で行うので入学式と並ぶ本学で最も規模の大きな式典となっています。

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2018.03.20

卒業生の忙しい春(江頭教授)

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 春は新しい門出の季節であると同時に別れの季節でもあります。本日(3月20日)の東京工科大学卒業式を控えて、卒業予定の学生達は大学を去るに当たりいろいろと片付けておくべき事があったようです。

 大学卒業に当たって、学生証は大学に返却しなければなりません。学生証はカードキーの機能を兼ねていますから、卒業式以降、大学に気楽に入ってくることは出来なくなります。今のうちに持ち帰るものは持ち帰るのが良いでしょう。

 研究室では鍵の返却というイベントもあります。研究室自体の鍵は学生証兼カードキーですが、研究室にある個人ロッカーの鍵など物理的な鍵は返却が必要です。研究室の立場からみると、ここで返してもらい損ねるのは悪夢です。春の忙しい時期に鍵のためだけに大学にきてもらうのは大変ですが、さりとて就職先の新しい環境に順応しなくてはならない時期に大学に行く時間を捻出するのは一苦労でしょう。ここはやはり卒業前の返却が合理的です。

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2018.03.19

「安全工学」の講義 番外編(図書紹介)(片桐教授)

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 2年生の講義「安全工学」担当の片桐です。今回は安全工学関係の図書紹介です。

 紹介する図書は、松永和紀「メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学」光文社新書(2007)です。

 私の「安全工学」あるいは前の大学での「環境安全化学」「安全化学」「工学安全教育」を受講された方は、片桐があえて社会常識は通念に反する事象を示し、それを考えさせていたことを憶えていらっしゃると思います。

 例えば、カーソンの沈黙の春がマラリア禍の再燃を招いたとか(ブログ2016.04.26)、二酸化炭素の増大は食料危機を防いでくれるかもしれないとか、農薬を使わない有機農法の野菜の天然農薬の危険性とか(ブログ2016.04.28)、イソフラボンは体に悪いこともあるとか、ポリ塩化ビニルは地球にやさしいとか(ブログ2015.12.08)…まあ、過激な意見をあえて示してきました。もちろん、私自身もそのような私の示す「意見」を異端として示し、学生さんたちには必ず疑ってかかることを要求します。私の講義では社会常識や通念を改めて安全−危険の俎上に乗せて、学生さんが「自分で取材し直し、自分の頭で考え、自分の意見を(レポートで)表明する」ことを求めたわけです。それと同時に、絶対的正義も悪もないことの理解を求めています。

 今回紹介するこの図書は、そのような社会通念に対する反論をまとめたような本です。著者の方は農学の修士課程の後に新聞社に勤められ、その後フリーの化学ライターになられた方です。

 この本に書かれた内容は、「事実」をもとに、そのようなニセ科学を生んだ社会構造にまで分析し,述べています。メディアのありかたへの批判、メディア・リテラシーの啓蒙書でもあります。今回、遅ればせながら私はこの本を読んで、講義に使えるネタをまたたくさん見つけることができました。

 しかし、人は自分の意見に真っ向から反対する意見、あるいは自分の利益を害するような意見を快く思いません。この本は社会の通念に反対している時点で、良書であっても売れない(売れなかった)本であろう、と推察します。

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2018.03.16

スプレー式の発泡ウレタンはなぜ固まるのか(江頭教授)

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 発泡している樹枝は発泡スチロールを始めとして見慣れたものです。高い断熱性を持ち、やわらかいので保温材や緩衝材として利用されています。

 スプレー式の発泡ウレタンは、その名の通りスプレー缶に入っている原液をシューとばかりにふき出すと、泡立った後に固まって発泡ポリウレタンができる、と言う便利な製品です。今回はこの製品の仕組みについて考えてみたいと思います。

 まず、スプレーから泡が出てくる、という光景はけっこう見慣れたものです。スプレー缶に加圧されて詰め込まれた気体と液体が大気圧に解放される。その瞬間に気体が膨張して液体と一緒に泡を形成する、というわけでここまでは特に疑問はなさそうです。

 問題は、というかこの製品の特徴は発泡したあとで液体が固まってウレタン樹脂になる、という点です。スプレー缶の中身は缶の中では安定していて、外にでた段階ではじめて重合を開始して固体となる。一体、この重合反応はどのようなきっかけで起こるのでしょうか。

 接着剤では2つの液を混ぜ合わせて固めるタイプの接着剤がありますが、あれは分かり易いですね。2つの原料分子が混合されることで重合がスタートする。ポリウレタンの場合はイソシアネートとポルオールの分子を別々の液に入れておいて混ぜ合わせれば良いわけです。

 でも、スプレー缶の中が2つに分かれていて出口で混合されている、と考えるのは無理がありそうです。缶のなかはシンプルな構造であり、一種類の液体がそのまま外部に放出されて重合が始まるのでしょう。では、その液体はどうやって缶の外にでたことを感知するのでしょうか。

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2018.03.15

いろいろ工事中の八王子キャンパス(江頭教授)

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 現在、東京工科大学の授業・試験が終了して学生諸君は休日に入っています。私たち教員や職員の方々はもちろん休みではありませんが、それでもキャンパスの人口密度はぐっと低くなっています。

 キャンパスをメンテナンスする立場からみると工事をするのにこんなに良いチャンスはありません。そんな訳で、この季節、我々教員は八王子キャンパスでいろいろな工事にであうことになります。

 今回出会ったのは少し大がかりな工事。体育館裏のテニスコート脇を抜けていこうとしたところ、大きなクレーンが入っていて通行止めになっていました。

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2018.03.14

デジタル画像の縦横比(江頭教授)

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 私たちの身の回りにあるいろいろな製品を形作っている材料、昔は自然に存在するものを加工して用いていたのですが、現在では化学的に合成されたものも多く利用されています。

 化学的に合成された、ということは原子の組み替えの結果として生じた物質ですから、化学反応が起こっていたとき、その物質は液体か気体か、ともかく固体ではなかったはずです。その一方で実際に使われる材料は基本的には固体である。こう考えると、材料を作成する際、液体か気体、つまり流体の状態で反応を起こし、その後で固体を形成させる必要がある、つまり流体から固体が発生するプロセスが材料製造には必須である、ということが分かります。

 流体から発生する固体はどんな形をしているのでしょうか?できるものの性質や周囲の環境などいろいろな影響があり得るのですが、シンプルに均質な流体から固体が発生するとしたら、どの方向にも特徴の無い形状、つまり球体の物質ができることになります。

 雪の結晶など、すぐに例外を思いつくことからも分かる様に、流体から発生する固体が常に球体という訳ではありませんが、球体になっている場合も少なくありません。そして球体の固体をみると、反応から固体の生成まで、このプロセスは均一な状態で進行したのだな、という情報を読み取ることができます。

 ところが、ある日、球体ではなくて楕円形(正確には回転楕円体ですね)の固体がたくさん写っている電子顕微鏡の写真を見つけました。しかも方向がすべてきちんと揃っている。いったいこの固体はどんな環境で発生したのでしょうか?

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真球(左の画像)を少しいじると回転楕円体(右の画像)に…。

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2018.03.13

テレビの縦横比と著作権(江頭教授)

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 昨日の記事では「シンガポール版の新聞が現地の用紙に合わせて縦横比が調整されているらしい」と書いたのですが、それについて思い出したのがテレビの縦横比と著作権の問題。それが今回のお題です。

 昔のテレビはブラウン管テレビが主流でした。その縦横比は4:3でした。(横長なので横縦比が4:3と言うべきでしょうか。まあ、慣習に従って縦横比としておきます。)

 その後、テレビの大型化に伴って 16:9 の縦横比のワイドテレビが登場します。ブラウン管テレビにもワイドテレビが存在しましたが、もともとワイドテレビ仕様だった液晶テレビやプラズマテレビが主流となってからはテレビと言えば 16:9 のもので誰もわざわざワイドテレビとは呼ばなくなっています。

 さて、この 4:3 のテレビから 16:9 のワイドテレビへの移行期には 4:3 の縦横比の映像と 16:9 の縦横比の映像が入り乱れて供給されていました。かなり意識的に対応しないと 4:3 の映像を 16:9 に引き延ばして見ることになったりしたものです。「この女優さん太ったなー」とかね。

 映像の縦横比の問題、確かに問題なのですが、おかしいと気づけばすぐに対応することができるのですから、そんなに深刻な問題ではない。まして法的な問題とは無縁であると思っていました。ところが、これが著作権法違反になるのではないか、という議論があったのです。

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2018.03.12

日経新聞シンガポール版(江頭教授)

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 10日ほどの海外出張から帰国する途中、シンガポールのチャンギ空港でトランジット。チャンギ空港で成田行きの飛行機に乗ろうとすると日本のいろいろな新聞が配付されていました。その中から日経新聞をピックアップして席に着き、久々の日本の新聞に目を通すと一面に例の二人の写真が載っています。

 あれっ?金委員長はダイエットしたのかな。トランプ大統領はすこしやつれたみたいだが…。

 何か変だ。どうやらこの写真、縦方向に引き延ばされいる様です。この写真に限らず他の写真も縦長に変形されている様に見えます。一体なんでこんなことになっているのでしょうか。

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2018.03.09

本日発表、研究室配属(江頭教授)

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 1月29日に開催した「研究室配属に関する説明会」、その結果を反映して、本日研究室配属の結果が公開されます。

 1月末に説明会で3月9日に配属発表、時間がかかりすぎでは?そう思った人も多いかも知れませんね。

 研究室配属は学生さん達の希望優先しています。この場合、どうしても希望者数のばらつきが起こるので何らかの調整が必要となります。このため、本学科での配属は

「学生の希望、研究室への適性、GPA、習得単位数等」を総合的に判断する

という申し合わせになっています。ここに「GPA、習得単位数」が入っているのがポイントです。これら、成績情報を使った調整は後期の成績が確定した後でないとできないのですから。

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2018.03.08

ハーバーとボッシュ、偉いのはどっち? 3年目 (江頭教授)

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 これは本学科1年生向けの「サステイナブル化学概論」というオムニバス形式の授業での私のレポート課題、本当は「どちらの業績を評価するか」という質問ですが、まあ、「偉いのはどっち?」、あるいは「どっちが好きですか?」くらいの意味です。私の授業ではハーバーボッシュ法の説明をして、毎年この質問をすることにしています。

 ハーバーボッシュ法は空気に含まれる大量の窒素ガスを植物が利用できる形態に変化させる技術です。この方法でほぼ無尽蔵の窒素肥料を合成することが可能となり、70億を超える人口を支える現在の農業の礎となった偉大な発明です。

 ハーバーとボッシュ、フリッツ・ハーバーとカール・ボッシュ、の名前はこの空中窒素固定技術では必ず一緒に出てきます。

 しかし、その役割は大きく異なっていました。大ざっぱに言えば窒素、水素、アンモニアの平衡関係を解明し、高圧条件下で触媒を用い、比較的低温でアンモニアを合成する方法を考案したのがハーバーであり、高圧で水素を扱う場合に起きるいろいろな困難を一つ一つ解決して実用化したのがボッシュだ、という役割分担になります。

 昨年はほぼ半々に意見が分かれたのですが、今年はハーバーとボッシュで3:2くらいの比率でハーバーを推す学生が多い結果となりました。

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2018.03.07

「くじら尺」「警察」「永六輔」(江頭教授)

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 「男はつらいよ」は1969年から1995年まで続いた映画シリーズです。監督は山田洋次、主演は渥美清で渥美清さんが亡くなったため1995年で終了となりました。

 さて、この「男はつらいよ」のシリーズ第18作、1977年正月映画(1976年12月公開)の「男はつらいよ 寅次郎純情詩集」には主人公 車寅次郎が露天商として「くじら尺(尺貫法にもとづくモノサシ)」を売っている場面があります。だいたい、「家を建てるにも、服を作るにも、このくじら尺をというものが無いと始まらない。これが無くては職人さんも困っちゃう。」といった口上を述べています。同時にその様子を怪訝な表情で見つめる警官が写されていますが、その警官役が永六輔なのです。

 永六輔氏は多彩な人物で放送作家からタレントとなり、晩年はラジオのパーソナリティとして活躍していた人物です。「上を向いて歩こう」など歌謡曲の作詞家としても有名です。

 さて、件の映画のシーンは「くじら尺」「警察」「永六輔」という三大話になっているのですが、当時の文脈からすると、これは「伝統的な単位系」の使用を禁止する「国家権力」に反対する「文化人」という構図になっています。

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2018.03.06

「となりの怪物くん」については何も知りませんが。(江頭教授)

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 「フンガー フンガー」とか「ウォーでがんす」とか「ざます ざます」とか言うんだろうか?この「となりの怪物くん」という映画については全く知らないのですが、映画「となりの怪物くん」の特報映像には見覚えのある建物が。

 東京工科大学の八王子キャンパスが映画の撮影などのロケ地として使われている、という話は以前にも(例えばこの記事で)紹介しています。なるほど、と思ってなんとなく気にしているうちに、目に入る映像の中で本学の風景を探す様になってしまいました。そんな状態だったので、たまたまこの映画の特報を目にしたときにも、すぐに「あっ、あそこだ」と気がついたのです。

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2018.03.05

マスフローコントロラーは質量流量の調節器か?(江頭教授)

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 ガスを使った実験でガスの流量調節を行うとき、簡単なバルブを使うこともありますが、再現性良く流量を調節したいとき使うのが「マスフローコントローラー」です。流量の測定するユニット「マスフローメーター」と電磁弁を制御回路でつないで設定したとおりの流量を再現性良く流す、それがこの装置の仕組みです。

 マスフローメーターでの流量測定には伝熱現象を利用しています。ガスが流れると熱が伝わりやすくなる。その熱の伝わりやすさと流れの速さの関係から流量を検出します。伝熱による温度変化を電気抵抗の変化として読み取るのですが、流路の構造や抵抗体のサイズと配置、そしてガスの種類によって熱の伝わりやすさが変化しますから、ガス流量と抵抗との関係を定量的に予測するのは難しい。そこでガスの種類に応じて検量線を作って流量を測ります。

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2018.03.02

ガスの流量の単位「CCM」と「SCCM」(江頭教授)

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 「CCM」は「Cubic Centimetre per Minute」の略。気体や液体、流体の流れる量をしめす単位です。「CC」が体積を表しているので、時間あたりに流体が流れる体積、つまり体積流量を表しています。

 以前紹介した液膜流量計で測定されるのはこの体積流量を測定するものです。ガスの量を直接測定し、時間と対応させるのですから、シンプルで分かりやすいですね。

 さて、気体の体積は圧力や温度で変化するので体積流量も測定時の圧力や温度で変化します。それどこか流れの下流で加熱されたり、減圧されたりしたら、流量もそれに応じて変化してしまいます。測定時の温度と圧力の条件を考慮しながら流量を考えるのは大変なので、一定の条件を基準として、ガスの流量は常にその温度と圧力での値として記述しよう。そう考えて決められたのが「SCCM」、「Standard Cubic Centimeter per Minute」です。基準となる「一定の条件」を標準条件と言うので、頭に Standard と付いています。

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液膜流量計を使って流量を測定している動画です(三倍速になっています)。

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2018.03.01

「cc」って読めますか?(江頭教授)

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 「cc」は「シーシー」と読みます。(「シーツ―」じゃないですよ。)

 さて、先日この記事で「立米」の話を書きました。「立米」はあまり知られていない言葉かも知れませんが、「cc」はもっと知られていると思います。「cubic centimetre」の略、「立方センチメータ」のこと。本来は「cm3」と書くべきですね。

 これも授業の中での話しですが「cc」と言ったところ、こちらも「高校までの授業では使われていないようで学生さんはきょとんとしています」という事態に。これには私の方も「きょとん」としてしまいました。

 cc は体積ので縦横高さ、それぞれ 1 cm の空間が占める体積です。この体積を表現するにはいまの高校の教育では 1 mL という用語を使うようです。 その影響でしょうか、最近は cc よりも mL の方がよく使われるような気がします。

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 大さじ一杯は 15 cc と昔は習ったような気がするのですが...。いまは 15 mL なのでしょうね。

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