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pythonとSPAM (江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 pythonはこの記事で触れたようにプログラミング言語の名称です。SPAMはいわゆる迷惑メールのこと。スパムメールとも言いますね。

 さて、なんでこの二つを並べたのか。知っている人にはいまさらの話でしょうが、知らない人も多いのでは。じつはこの二つの言葉には同じ起源があるのです。

 この二つの言葉は比較的最近にできた言葉です。pythonは1990年代に開発が始まっていますが、一般的になったのは2000年ごろから。SPAMはもともとは塩漬け肉の缶詰の商品名なので、その意味では歴史のある単語ですが、迷惑メールの意味で使われるようになったのは電子メールの利用が一般的になって以降の話。これも1990年代後半以降です。

 もったいぶるのはやめましょう。この名称はBBC製作のコメディ番組「モンティ・パイソン(Monty Python's Flying Circus)」から付けられた名称なのです。

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 この番組は英国では 1969年から1974年まで放送されたそうです。私も子どもの頃、中学生のころでしょうか、日本で放送されたものを見て、強烈に印象に残っています。というか大爆笑していた記憶があります。(写真の「16トンのおもり」もこの番組の名物の一つでした。当時の私は、これを見ただけで笑い転げていたものです。)

 おそらく、プログラミング言語の python の作成者たちもこの番組をみて育った世代だったのでしょう。子どもの頃好きだった番組の名前をノリでプログラミング言語に付けた、ということではないでしょうか。当初は python がこんなにメジャーな言語になるとは思わなかったでしょうから、いまはもっと真面目に考えておけば、と思っているのでは。

 さて、SPAMの方は少し説明が必要です。この番組はいくつものショートコントで構成されているのですが、中でも傑作なエピソードの一つにこの「SPAM」が出てくるのです。会話のなかに「SPAM」という単語がやたらに入ってきて正常な会話が成り立たない、というギャグなのですが、この会話を邪魔するもの、というイメージが迷惑メールの呼び名につながったのだと思います。当時「SPAM」という単語には本来の缶詰の意味しかありませんでしたし、その缶詰も(少なくとも日本では)有名ではありませんでしたから、次第に新しい意味の用法が広がったのでしょう。

江頭 靖幸

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