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2018年4月

2018.04.30

東京工科大学のゴールデンウィーク (江頭教授)

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 今日(4月30日)は昭和の日の振り替え休日。世間一般ではゴールデンウィーク前半の3連休最後に日です。ゴールデンウィーク後半は5月3日からの4連休。カレンダー通りならこうなるのですが、実は本学では5月1日、2日が臨時休校日となっています。そうです、臨時休校日を入れると本学のゴールデンウィークは9連休となっているのです。

 さて皆さん、これをどう思いますか?

 「休みがたくさんでラッキー」と思いましたか。それとも「授業料を払っているからにはちゃんと授業をしてくれなくては!」と思ったでしょうか。

 後者の人、ご安心を。実は本学の学年歴(学年歴というのは授業専用のカレンダー、といったものです。)では臨時休業日で平日を休日にしている一方で、 祝日授業開講といって祝日に授業をする場合もあるのです。たとえば7月16日の海の日、世間は休日ですが大学では平常通り、月曜日の授業を行います。

 通常のカレンダーと異なる学年歴を用いるのはハッピーマンデー制度の影響です。

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2018.04.27

資源枯渇で文明は崩壊するか?(江頭教授)

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 「資源枯渇で文明は崩壊するか?」

もっと正確に言いましょう。

 「資源の枯渇を仮定したうえで、その場合に人類の文明は崩壊すると考えられるか」

が今回のお題です。まず、資源が枯渇するのが前提です。実際に枯渇するかどうか、それは別の話としましょう。資源が枯渇したとして、それが原因で人類の文明が崩壊するのか、ということです。

 前回の記事で「成長の限界」で文明の崩壊を予測したシミュレーションには、世界を人々が全く平等であるという暗黙の仮定がなされている、という意味で限界があると述べました。今回は、より具体的に「資源の枯渇」に焦点をあてて「成長の限界」の限界について考えてみたいのです。

 環境汚染で地球が人の住めない星になる、と想定すれば環境汚染による文明の崩壊、それどころか人類の滅亡もあり得る想定だと思います。しかし、資源の枯渇で文明が崩壊するとはやや考えにくいのではないでしょうか。おっと、「成長の限界」は人類が滅亡するという書き方はしていませんね。正確には「人口と工業力のかなり突然の、制御不可能な減少」です。ここでは、これを単純化して文明の崩壊と呼んでいます。

 「成長の限界」で示されたシミュレーションでは当時の技術的な限界から、世界を一つのかたまりとみなしています。環境汚染の場合はともかく、資源の枯渇に対して、このような仮定は大きな間違いをもたらすのではない、それがポイントです。

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2018.04.26

「成長の限界」の限界(江頭教授)

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 「成長の限界」は1972年に出版された本です(詳しくはこちらを)。人口増加による環境汚染と資源の枯渇によって人類の文明が崩壊することを、当時の最新技術であるコンピュータシミュレーションによって予測したもので、「サステイナブル」という言葉を現在使われる様な意味で使った最初の書物です。

 未来予測の本ですが、今から46年前の予測です。ならば現時点でその予測を検証できるはずでは、そう考えるのは当然なのですが「成長の限界」ほど世界に影響を与えた本であれば単純に当たった、外れた、と言えるものではありません。「成長の限界」の与えたインパクトによって大なり小なり世界は変わったのですから、シミュレーションの対象自体が変化してしまったと言えるでしょう。

 一番はっきりしているのは「成長の限界」が予測している「人類の文明の崩壊」が起こってはいない、ということでしょう。そうなれば気になるのは「成長の限界」の予測は正しくて崩壊がこれから起こるのか、それとも「成長の限界」の予測は外れて人類の文明は崩壊を免れたのか、というところです。

 まず、世界の人口は増加を続けていて「成長の限界」の予測は当たっている様に見えます。でも「日本の常識は世界の非常識」、日本の人口は減少し始めています。ということは日本については「成長の限界」が外れた、といえるのでしょうか。

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2018.04.25

日本の常識は世界の非常識、人口編(江頭教授)

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 日本の常識は世界の非常識

 この台詞をはやらせたのは評論家の竹村健一氏だと記憶しています。(もしかしたら竹村氏も誰かの受け売りなのかも知れませんが...。)

 さて、今回、常識と非常識と言いたいのは人口についてです。まず日本の常識は

人口は減りつつある

ということ。日本の人口は2010ごろにピークを迎え、その後は減少に転じています。現時点では人口が増加に転じる気配はなく、当面は人口が減少することを前提に将来計画を考える必要があるでしょう。

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2018.04.24

核戦争と石油危機(江頭教授)

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 前回の「人間はサステイナブルか?」という記事では、「人類はサステイナブルか?」と考える意識が広まったことが「人類をサステイナブルにするにはどうすれば良いか?」を考えるサステイナブル工学の始まりだろう、という私の考えを書きました。

 今回は、「人類がサステイナブルではなくなる」つまり、人類が滅亡してしまうかも知れないと考える理由、何が起これば人類が滅亡してもおかしくない、と考えられるのか、そのシナリオについて考えてみたいと思います。

 まず一つ目は全面核戦争。広島、長崎の原子爆弾によって核兵器の強力さは多くの人々に強く印象づけられていました。第二次世界大戦後にはアメリカとソ連の間での核兵器の開発競争が起こり、原子爆弾よりも強力な水素爆弾の実験に両国が成功します。核兵器を搭載した大量のミサイルが作られ、全面核戦争でそれらが一気に爆発すれば人類滅亡が起こりうる、という状況が出現しました。

 人間が開発したものによって人類が滅亡してもおかしくない、この状況はおそらく人類の歴史で始めての現象だと思います。それだけに多くの人に「人類滅亡」の可能性とその意味について、リアルに考える事を強いたのだと考えられます。

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2018.04.23

人間はサステイナブルか?(江頭教授)

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 本学工学部の特徴の一つであるサステイナブル工学ですが、この「サステイナブル」という言葉にはいろいろな意味がある、その一例として今回は人間がサステイナブルかどうか、あるいは人間がサステイナブルとはどういうことかについて考えてみたいと思います。

 まず人間としての「私」を考えてみましょう。具体的に私(江頭)というのわけではなくて、個人、と言う意味です。

 「私はサステイナブルではない(私は持続不能です)」と誰かが言うのを聞いたら、まずは病院に行かせるべきでしょう。サステナブルという言葉を生物としての人間の活動として、1日、1年、数年というスパンで考えるとすれば人間はサステイナブルと言えるでしょう。

 でも、もっと長い時間、たとえば100年というスケールで考えればほとんどの人間は死んでしまうわけですから、人間はサステイナブルではない、ということになりますよね。

 こう考えると、サステイナブルという言葉は時間のスケールによって答えが変わる言葉だということが分かります。「サステイナブルな○○を目指す」と言ったとき、そのサステイナブルがどの程度の時間スケールでのサステイナブルなのか、それによって問題の分析や具体的な対策も変わってくるのです。

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2018.04.20

新入生の歓迎会(学部交流会)を行いました。(江頭教授)

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 4月は新年度の始まり、ということでいろいろと新しい事を始める季節です。特に大学に入りたての新入生にとっては何もかも新しい事だらけの時期。大きな期待を胸に新鮮な驚きを感じながら日々を過ごしてもらいたいと思っています。

 しかし、その一方で新しい事、新しい環境には不安もつきものです。特に今までの友達と離れて新しい学校に入学した新入生諸君の不安は期待と同じように大きいものでしょう。

 そう考えてか、本学には「新入生学部交流会」という制度があります。これは4月の早い時期に新入生が互いに、あるいは先輩たち、教員と交流できるイベントを行う、というものです。要するにイベントの機会を利用して早く友達を作ってください、という企画です。

 具体的な実施内容は各教員がアドバイザーとして対応する少人数のグループ単位で企画する事になっています。実施方法は各学部、各学科、各アドバイザーで自由に決めることができ、実施にあたっては簡単な食事ができる程度の予算も支給されます。

 この「新入生学部交流会」、我々工学部ではこの二年ほど各学科で2年生が中心となって新入生を歓迎するパーティーを開催することとなっています。

 今年も4月18日、本学の厚生棟という建物にある三つの大きな学生食堂の部屋を借り切って新入生歓迎会を実施しました。

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 パーティーを盛り上げる、各教員アドバイザーグループ対抗のゲーム大会は豪華賞品つき。最後は同着の三グループの教授によるじゃんけん対決も!

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2018.04.19

一年生、二年生対象、「工学部 特別講演会」を開催しました。(江頭教授)

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 この4月から本学工学部は第4期生となる新入生を迎えました。入学式とガイダンスを経て、4月9日から講義がスタートしましたが、新入生を迎えるイベントとして4月18日には特別講演会を開催しました。

 今回は株式会社リコーのリコー環境事業開発センター 事業所長の 出口 裕一様に

“祝ご入学!! サスティナビリティの実践”

~リコー環境事業開発センターの取り組みについて~

と題してご講演を頂きました。また講演の中では、同社の若原 有希奈 様からもリコーのインド グジャラート州リサイクルセンターでの環境問題への取組のお話を頂きました。

 会場は八王子キャンパスのメディアホール。工学部の新入生、そして2年生を加えて約600人、広いホールがほぼ満席となっての講演会となりました。

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本学 大山工学部長の挨拶で講演会がスタートです。

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2018.04.18

未来のエネルギー源は再生可能エネルギーか(江頭教授)

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 前回の記事で「未来のエネルギー源」としての核融合について考えてみました。核融合は事実上無尽蔵のエネルギーを供給できる可能性もっていますが、その実現には莫大な費用と時間が必要であることを述べました。核融合は現在、あるいは近い将来には実用化できない、という意味で「未来のエネルギー源」だと言えるわけですが、では本来の意味で「未来のエネルギー源」、つまり遠い未来に社会を支える基盤とあるエネルギー源となるものは何でしょうか。

 遠い未来を想定しているので、枯渇性の資源である化石燃料は掘り尽くされるか、あるいは温室効果ガスの制限によって使用不能になるだろう、ここまでは前回に述べたことです。核分裂の利用、つまり原子力も同様で、ウラン資源の枯渇と共にエネルギー源としてはフェードアウトするはずです。(高速増殖炉が実用化されれば核分裂の燃料の資源量はぐっと大きくなるのですが、高速増殖炉も実用化に時間とお金がかかる技術ですね。)

 そう考えると未来のエネルギー源の候補は非枯渇性のエネルギー資源を利用するも、つまり再生可能エネルギー源に限られると言って良いでしょう。

 では、再生可能エネルギーとは具体的には何でしょうか。

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2018.04.17

核融合は未来のエネルギー源か(江頭教授)

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 未来のエネルギー源、ここで未来というのはかなり遠い未来、たとえば2100年くらいのことだと思ってください。日本政府の「エネルギー基本計画」でも言及されるのはせいぜい2050年くらいまでですから、2100年とか22世紀になると具体的な計画や政策の射程を越えた未来、となるわけです。となれば、なんでも自由に想像しても良いのですが、少しでも合理的に考えれば石油や天然ガスなどの化石燃料は枯渇している、あるいは温暖化問題で使用が規制されているはずで、未来のエネルギー源にはなり得ないでしょう。

 未来のエネルギー源の候補の一つは「核融合」です。核反応を利用したエネルギーですが、核分裂と違ってウラン資源を必要としない点で実質的に無尽蔵のエネルギー源だと言えます。

 実際、石炭から石油へのエネルギー源のシフトが行われたころから、化石燃料から核分裂、そして核融合へ、というエネルギー源の変化が、ある種の社会的なコンセンサスがあった様に思います。

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2018.04.16

教科書「サステイナブル工学基礎」(江頭教授)

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 本学工学部の特徴の一つ「サステイナブル工学」の教育です。「サステイナブル○○」は最近各方面で聞くようになりましたが、工学と組み合わせた「サステイナブル工学」はまだあまり一般的にはなっていないように思います。

 さて、この「サステイナブル工学」教育ですが、授業としては2年生前期の「サステイナブル工学基礎」からスタートします。今回紹介する教科書「サステイナブル工学基礎」はこの授業で使用する教科書として作成したものです。

 ここで「サステイナブル工学基礎」の内容が以下にすばらしいかを説明したいところなのですがちょっと気が引けます。だって、私(江頭)も著者の一人に入っていますからね。

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2018.04.13

本年度第一回目の「全学教職員会」が開催されました(江頭教授)

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 以前、こちらの記事こちらの記事で紹介しましたが、本学では「全学教職員会」という、名前通り本学の教員、職員が全員参加する講演会形式の会議をほぼ月に一度のペースで開催しています。本学で教育に携わるすべての人間の意識の統一を計るために一同に会して行われます。

 とはいえ、本学には我々工学部応用化学科がある八王子キャンパスとともに蒲田キャンパスもあります。同じ都内とはいってもそれなりの距離離れているキャンパスをいききするのは結構大変ですから、この「全学教職員会」では両キャンパスの会場の間で相互に映像配信を行い、それによって同時開催を実現しています。

 4月から新年度を迎えて、4月11日には今年度最初の「全学教職員会」が開かれました。この第一回では、本学の運営方針、基本方針について。

 この4月に就任された千葉理事長の挨拶からスタートしました。

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2018.04.12

AIに愛はあるのか?...すぐそこにある恐怖(片桐教授)

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 NHKのラジオで「AIによる就職面接」を解説していました

 (4月11日19:30~ NHK第1放送、Nラジ「あなたの採用、AIが決めます ~就職現場で広がるAI導入」)。興味があればNHKらじる★らじるの聞き逃しサービスでここ数日は聞くことができます。http://www.nhk.or.jp/radio/ondemand/detail.html?p=4774_01

 最近開発されたAIを用いてスマホ経由で就職1次面接を行うシステムの話でした。スマホで90問の質問を1問1分以内で答えていくというシステムで、これにより就職応募者のコンピテンシーを計るというものです。

 このAI面接からは、企業の求める11の能力を評価できるそうです。詳しくは明かされていない。

 これにより、学生は交通費を掛けずに遠方の企業の一次面接を多数受けられる。

 会社は全国から優秀な人材を、学歴フィルターなしで大きな母集団から選抜できるメリットがあるそうです。また、人件費の大幅な節減にもつながります。

 もちろん、このシステムは1次面接用で、2次や最終面接は人間が行うことを前提としているようです。

 一見、良さげですが、学生にはいくつかのデメリットがあると推察します。

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2018.04.11

マンガン団塊の今(江頭教授)

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 前回の記事で「団塊の世代」と「マンガン団塊」という二つの「団塊」について考察したので、今回は「マンガン団塊」について紹介しておきましょう。

 JOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)のWEBサイトには海洋鉱物資源についての解説がまとめられていますが、マンガン団塊もその一つとして紹介されています。

マンガン団塊は、直径が2~10cm程度の球形をし、米国ハワイ沖やインド洋などの水深4,000~6,000mの海洋底の堆積物上に半埋没する形で分布しています。この中に含まれる主な金属は、鉄、マンガンですが、開発対象元素として銅(約1%)、ニッケル(約1%)及びコバルト(約0.3%)が含まれています。

とあるように、マンガン団塊は水深4,000~6,000mという深海に存在しています。海底に表出していて容易に採取できそうな形状なのですが、この海の深さが採取を困難にしています。地上の鉱山からの採取と比較したとき、どうしても割高になってしまうのです。

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2018.04.10

マンガン団塊の世代?(江頭教授)

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 先日の記事で「団塊の世代」という言葉を作ったのが堺屋太一氏であること、「戦争直後に生まれた世代は人口が多く、人口ピラミッドの中に大きなかたまりの様に見える」ことから、このかたまりを「団塊」と表現したことを紹介しました。

 でも、どうしてこんな鉱物学の専門用語が「かたまり」を表現する言葉として使われたのでしょうか?真相は堺屋太一氏本人にしかわからないことですが、1976年という時代背景と堺屋太一氏の経歴から考えると、おそらく「マンガン団塊」がこの言葉が選ばれた理由ではないか、そう思えるのです。

 「マンガン団塊」は「団塊の世代」と比べて耳慣れない言葉になっていますが、昔はそれなりに有名だったように思います。深海に転がっている石、その中に貴重な金属資源が含まれている。その石が「マンガン団塊」と呼ばれるもので、マンガン団塊を深海から拾い上げるだけで豊富な金属資源が手に入る、というのです。

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2018.04.09

「団塊」の英訳は"nodule"ですが「団塊の世代」の英訳は?(江頭教授)

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 新聞をみていたら「ノジュール」という雑誌の広告が載っていました。「50代からの旅と暮らし発見マガジン」というコンセプトですが、さてこのタイトル「ノジュール」とは何でしょう。ちょっと調べると、

ノジュールとは、鉱物学の専門用語で硬くて丸い石球(団塊)のこと。

「団塊の世代」の語源となったもので、球の中心にアンモナイトや三葉虫などの化石が入っていることがあります。

という説明が見つかりました。

 「ノジュール」は英語の"nodule"のことですが、この雑誌のタイトルは、おそらくは鉱物学云々よりも「団塊の世代」から発想されているのでしょう。

 「団塊の世代」は戦後すぐに生まれた世代のこと。この世代は人口が多いことが特徴で、小学校に上がれば小学校が不足し、就職して働き出すと日本の高度成長の原動力となったと言われています。いまはこの団塊の世代がリタイアし、「旅や暮らしに発見」を求めている、だから「団塊の世代」を思い起こさせる「ノジュール」が、この雑誌のタイトルに選ばれたのだと思います。(とはいえ50代からの、は少しサバ読みでは?)

 さて、この「団塊の世代」という用語、実は出所がはっきりしています。1976年から連載の形で発表された堺屋太一氏の小説「団塊の世代」が出典です。

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2018.04.06

避難訓練を行いました(江頭教授)

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 4月5日、八王王子キャンパスで避難訓練を行いました。

 今回の避難訓練、対象は本学のキャンパスに入ってきたばかりの1年生でした。4月4日の入学式に続き、午前中は学部のガイダンス、午後は「プレイスメントテスト」と呼ばれる実力テストが行われました。数学など一部の授業では、この実力テストの成績によって能力別のクラス編成が行われるのです。

 さて、試験に引き続き避難訓練がスタート。避難訓練開始を告知する放送につづいて以下のアナウンスが。

こちらは 防災センターです

ただ今 非常に強い地震がありました

皆さん 落ち着いて行動してください

まず 身の安全を図るため 地震がおさまるまで 机の下に身をかくすなどしてください

窓ガラスのそばに近づかないでください

こちらから指示があるまで そのままで お待ちください

あわてて外へ 飛び出さないでください

地震が行ったら安全確保。すぐに建物から飛び出さない、ということですね。少し間を置いて次の放送が入ります。

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2018.04.05

東京工科大学の入学式(江頭教授)

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 4月4日に東京工科大学の入学式が行われました。

 入学式の会場は本学の蒲田キャンパスのアリーナです。今回の入学式も卒業式のときと同様、大学のすべての学部の新入生が参加しました。デザイン学部、医療保健学部の新入生は蒲田キャンパスに、メディア学部、コンピュータサイエンス学部、応用生物学部、そしてわれわれの工学部の学生は八王子キャンパスに通うので、全学部が一同に会するのは、この入学式と卒業式のときだけです。「入学式は蒲田」「卒業式は八王子」と二つのキャンパスで実施されるので、本学の学生はどちらのキャンパスも一度は訪れる、ということになります。

 新入生が蒲田キャンパスに全員集合しているので、我々教員も全員集合です。工学部の教員もこの日ばかりは八王子キャンパスではなく蒲田キャンパスに出勤します。

 入学式はこの4月に理事長から転じた片柳 鴻学園長のお言葉から始まりました。80年前、自分の入学式で聞いたという校長先生の挨拶、そのなかで引用されたという明治天皇の「うつはには従ひながら岩ほをもとほすは水の力なりけり」という詩を題材に学生の目指すべき姿を話されました。80年たっても記憶に残る入学式、新入生諸君は今日の入学式を80年後も覚えているでしょうか。

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2018.04.04

ロッカーの鍵貸します(江頭教授)

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 4月は新学期の始まり、そして新入生が入学してくる季節でもあります。本日は新入生に迎える入学式が予定されていますが、今日以降、ガイダンスやクラブ・サークルの紹介などの行事が目白押しです。その中では少し地味なのですが、本学ではロッカーの貸出も行われます。

 あなたが高校生ならロッカーがあるのはあたりまえ、ロッカーの貸出、といわれてもピントこないかも知れませんね。高校生の皆さんには想像し難いかも知れませんが、大学に入ると「クラス」というものがありません。もっと言うとクラスルーム、というか自分の教室というものがないのです。自分の机というものもありません。研究室に所属するとそこに居場所ができるのですが、これは本学科では3年からのことで、入学して2年ほどの期間、学制諸君は科目ごとに指定された時間に指定された場所で授業を受けるだけで、基本的に大学内に自分のスペースというものは無い状態です。

 それでも別に困らないのですが、ひとつだけ問題になるのは荷物のことです。大学でも体育実技の授業がありますから体操服や運動靴が必要になります。それに応用化学の学生さんには実験もあるので白衣が必要になりますね。これらはかさばる一方で予習にも復習にも使わないものですから、大学に置いておくのが合理的です。こればかりは自分のスペースがないと不便です。

 ということで、本学では教室前の廊下や階段の踊り場などのスペースにロッカーをおいています。

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2018.04.03

サステイナブル工学@Wikipedia(江頭教授)

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 本学、東京工科大学の工学部では「サステイナブル工学」を学部全体としての課題としています。「サステイナブル」というキーワードは世間的に良く用いられるものですが、これを工学と組み合わせた「サステイナブル工学」という言葉、少なくとも学部開設時点ではあまり聞かれなかった言葉だと思います。ありそうな組み合わせだが、そう言えば聞いたことがない、私の感触はそんなところでした。

 さて、工学部の先生が集まっている席でのはなし。工学部も開設以来4年目に入ったので「サステイナブル工学」も少しは知られてきたのか、という話題に。google で「サステイナブル工学」と入れると本学のサイトがヒットするのですが、これは私の検索履歴が影響しているでしょうから、あまり当てにはならないですね。

 そう思いながら検索結果を見ているとネット上の百科事典、Wikipedia の「サステイナブル工学」の項目がヒットしていました。

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2018.04.02

春のアドバイザー面談(江頭教授)

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 4月1日から新年度が始まりますが、実際に大学の授業がはじまるのは4月9日。その前の1週間は新入生の入学式やガイダンスを行いますから、さらにその前の期間は在校生の対応に使われます。

 3月30日の金曜日には在校生へのアドバイザー面談を行いました。

 「アドバイザー」は本学全体の制度です。高校生、中学生の皆さんに理解し易いイメージで言えば「担任の先生」のような役割だと思ってください。大学では研究室に所属すれば強固な人間関係ができるのですが、入学から研究室配属までの間、どこにも所属しない状態になるのが一般的です。この時期、大学生活になじめないと生活のリズムを壊すことが多く、大学からドリップアウトしてしまう可能性が高いのです。それに対応するために作られたのがアドバイザー制度で、定期的に学生諸君と面談をすることでケアをすることになっています。

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