教科書「サステイナブル工学基礎」(江頭教授)
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本学工学部の特徴の一つ「サステイナブル工学」の教育です。「サステイナブル○○」は最近各方面で聞くようになりましたが、工学と組み合わせた「サステイナブル工学」はまだあまり一般的にはなっていないように思います。
さて、この「サステイナブル工学」教育ですが、授業としては2年生前期の「サステイナブル工学基礎」からスタートします。今回紹介する教科書「サステイナブル工学基礎」はこの授業で使用する教科書として作成したものです。
ここで「サステイナブル工学基礎」の内容が以下にすばらしいかを説明したいところなのですがちょっと気が引けます。だって、私(江頭)も著者の一人に入っていますからね。
教科書「サステイナブル工学基礎」の目次は以下のようになっています
- サステイナブル工学入門
- 環境問題の現状
- エネルギー問題の動向
- サステイナブル材料
- サステイナブル設計・製造
- サステナイブル電気電子工学
- ライフサイクルアセスメント
- 製品の環境効率評価
- サステイナビリティの評価
- サステイナブル工学の展望
前半1~3章は持続可能、サステイナブル、という言葉が使われる様になった経緯についての説明です。ことさらに「サステイナブル」が強調されるのは現在の産業社会がサステイナブルではない、という認識の広がりと表裏一体です。サステイナブルではない、つまり持続可能でないことが最も端的に表れているのは「エネルギー資源問題」と「環境問題」なのです。
4~6章は本学工学部の三つの学科「応用化学」「機械工学」「電気電子工学」の分野に対して、それぞれ「サステイナブル」「持続可能」ということがどのような意味を持つか、についてまとめました。
7~9章にはLCA(ライフサイクルアセスメント)をはじめとした製品の評価を説明しています。ある製品がサステイナブルなプロセスで生産できるかどうか、これは製品そのものを観察しても結論がでるものではありません。従って、サステイナブル工学の基礎として製品のLCA的な評価は重要な意味をもっています。
10章はまとめと展望です。これら全10章の内容を通じて、この教科書はサステイナブルな社会を実現するための工学、「サステイナブル工学」の基礎を与えていると考えています。
もちろん、「サステイナブル工学」は完成した学問ではありません。将来「サステイナブル工学」がまとまって一般的な内容についてのコンセンサスができたとして、この教科書にまとめられた内容と完全に一致するとは限らないとは思います。とはいうものの、この教科書の内容はサステイナブルな社会の基盤となるものを中心としていますから、将来のサステイナブル工学の教育内容から大きく外れることはないと考えています。
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