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日本の常識は世界の非常識、人口編(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 日本の常識は世界の非常識

 この台詞をはやらせたのは評論家の竹村健一氏だと記憶しています。(もしかしたら竹村氏も誰かの受け売りなのかも知れませんが...。)

 さて、今回、常識と非常識と言いたいのは人口についてです。まず日本の常識は

人口は減りつつある

ということ。日本の人口は2010ごろにピークを迎え、その後は減少に転じています。現時点では人口が増加に転じる気配はなく、当面は人口が減少することを前提に将来計画を考える必要があるでしょう。

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 では世界を見てみましょう。世界の常識は

人口は増えつつある

というのもです。

 世界の人口は2011年に70億にを突破したとの事で、その後も増加を続け、現在は73億人程度だと言われています。

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 もちろん、世界にはたくさんの国があるので、全体として増えているとしても、増えている国、減っている国があるはずです。(実際日本は減っていますし。)とはいえ、日本より人口の多い十カ国(これらの国の人口を合計すると40億人を越えています)のなかで人口が減少しているのはロシアぐらいのもの。日本(とロシア)以外の大きな国ではいずれも人口が増加している。まさに世界の常識である、ということです。

 さて、人口が増える社会と減る社会、どんな違いがあるのでしょうか。

 単純に考えて人口が増える社会では各人の今の生活を維持するためには新たな投資を行って生産を増やす必要があります。つまり、やり方は分かっていて規模を増やすタイプの努力が必要な社会です。人口が減る社会では、すでに存在するものを増やす必要はありません。投資の対象には新しいものが必要なのです。やり方が分からない新しいものを生み出すタイプの努力が求められる社会です。

 人口が増える社会での常識は人口の減る社会の常識とは異なるものになる。その意味でも「日本の常識は世界の非常識」となるのかも知れません。

江頭 靖幸

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