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マンガン団塊の世代?(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 先日の記事で「団塊の世代」という言葉を作ったのが堺屋太一氏であること、「戦争直後に生まれた世代は人口が多く、人口ピラミッドの中に大きなかたまりの様に見える」ことから、このかたまりを「団塊」と表現したことを紹介しました。

 でも、どうしてこんな鉱物学の専門用語が「かたまり」を表現する言葉として使われたのでしょうか?真相は堺屋太一氏本人にしかわからないことですが、1976年という時代背景と堺屋太一氏の経歴から考えると、おそらく「マンガン団塊」がこの言葉が選ばれた理由ではないか、そう思えるのです。

 「マンガン団塊」は「団塊の世代」と比べて耳慣れない言葉になっていますが、昔はそれなりに有名だったように思います。深海に転がっている石、その中に貴重な金属資源が含まれている。その石が「マンガン団塊」と呼ばれるもので、マンガン団塊を深海から拾い上げるだけで豊富な金属資源が手に入る、というのです。

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 資源小国である日本にとっては夢のような話です。1960年代から70年代にかけて、米国を中心とした開発計画が実施され、日本でも国家プロジェクトが実施されていたのです。

 さて、堺屋太一氏はマンガン団塊のことを知っていたのでしょうか。

 彼は1975年まで通産省(今の経産省ですね)の官僚であり、沖縄海洋博の担当、工業技術院研究開発官という経歴を見れば、当時の資源・エネルギー問題に関して相当の知識があることは容易に推察できるところです。

 おそらく堺屋太一氏は「マンガン団塊」という言葉を知っていて、そこから発想して「人口ピラミッドの大きなかたまり」を「団塊」と表現したのでしょう。

江頭 靖幸

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