サステイナブル工学@Wikipedia(江頭教授)
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本学、東京工科大学の工学部では「サステイナブル工学」を学部全体としての課題としています。「サステイナブル」というキーワードは世間的に良く用いられるものですが、これを工学と組み合わせた「サステイナブル工学」という言葉、少なくとも学部開設時点ではあまり聞かれなかった言葉だと思います。ありそうな組み合わせだが、そう言えば聞いたことがない、私の感触はそんなところでした。
さて、工学部の先生が集まっている席でのはなし。工学部も開設以来4年目に入ったので「サステイナブル工学」も少しは知られてきたのか、という話題に。google で「サステイナブル工学」と入れると本学のサイトがヒットするのですが、これは私の検索履歴が影響しているでしょうから、あまり当てにはならないですね。
そう思いながら検索結果を見ているとネット上の百科事典、Wikipedia の「サステイナブル工学」の項目がヒットしていました。
「サステイナブル工学(sustainable engineering)とは、「持続可能な工学」のこと。」
あれ、ちょっと変じゃない。これだと「工学」が「持続可能」ってことになるけど?
工学をいつまでも続ける、ということだね。それはそれで面白いけど...。
省略しすぎでしょう。「持続可能な社会を目指す工学」くらいでは。
「サステイナブル」「持続可能」という言葉は具体的な対象を示している訳ではありませんから、「サステイナブル工学」は「機械工学」や「電気電子工学」とは少し違った表現になっています。工学の生み出したものは人々の生活の基盤を支え、豊かさをもたらすものですが、それが持続可能、サステイナブルである様にすること、あるいは最初からサステイナブルになり得るものを作り出す、それが私たちが考えているサステイナブル工学です。
要するに、サステイナブルな工学、ではなくて、サステイナブルなものについての工学、略してサステイナブル工学ということですね。
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