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2018年7月

2018.07.31

サイエンスイングリッシュキャンプ in 東京工科大学(江頭教授)

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 「サイエンスイングリッシュキャンプ in 東京工科大学」は化学の実験を、最先端の設備を持つ東京工科大学の応用化学科の学生実験室で体験する、高校生向けのプログラムです。タイトルに「イングリッシュ」とあるのは実験中は英語でコミュニケーションをとることになっているからです。

 高校生が大学など専門的な研究機関に来て実験などを体験する、という試みとしてのサイエンスキャンプは一般的に行われている試みだと思います。ただ、そこに英語でのコミュニケーションという要素を加えたものは珍しいのではないでしょうか。「ものづくりと産業のグローバル化が進み、エンジニアにも国際的なセンスや語学力が求められる現代。」に対応したプログラム、ということですね。

 まず実験テキストは英語で。実験を実施するときはグループを作って行いますので、そのグループ内でのやり取りも英語です。もっとも、全てのコミュニケーションが英語、と言うわけではありません。実験に際しての安全に関する注意など、一部には日本語での講義もあります。

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2018.07.30

8月5日(日) オープンキャンパスを実施します(江頭教授)

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 東京工科大学の授業は先週の金曜日(7月27日)で終了しました。これから1週間の試験期間をへて前期終了は8月3日となります。これで大学生はやっと夏休みに入るのですが、高校生の皆さんはすでに夏休みに入っているかと思います。

 夏休みにはいろいろ楽しい予定もあるかと思いますが、大学のオープンキャンパスを見学するのにも良いシーズンかと思います。と、言うわけで今回は本学の夏休みのオープンキャンパスについて紹介しましょう。

 八王子キャンパスでの夏休み最初のオープンキャンパスは8月5日に予定されています。オープンキャンパスに行ったことのない人は「何をやっているのかな?」と思われるかも知れません。キャンパスがオープンになって中には入れるとして、それから?

 実態はちょっと高校の学園祭に似た雰囲気になっています。学園祭は、常設のクラスや部活の出し物と講堂でのスケジュールを組んだ発表会とで構成されていますが、大学のオープンキャンパスでもそれぞれの学部の説明会や入試説明会、大手予備校講師による一般入試対策講座などがスケジュールに入っています。学園祭の常設の出し物に近いのは各学部による展示や研究紹介のコーナーでしょう。我々応用化学科も片柳研究棟の7階の学生実験室を中心に学科説明・体験コーナーを準備しています。

 今回のオープンキャンパスでは新たに本学の軽部学長による「保護者対象大学説明会」も予定されています。保護者の方と参加した高校生諸君はご両親が「保護者対象大学説明会」に参加している間、応用化学科の学科説明・体験コーナーに来られてみてはいかがでしょうか。

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2018.07.27

「知価」と「バブル」(江頭教授)

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 前回のブログで堺屋太一氏の著作「知価革命」を紹介しました。これは、知価とは知恵の値打ち、という意味であり、資源やエネルギーの有限性を感じ取った先進国の社会では知価を中心とした社会に劇的な変換が起こるだろう、と予測した書物です。

 さて、知価とは具体的にどのようなものなのでしょうか。この本が書かれた1985年ごろから話題になったのが「バブル景気」ですが、このバブル景気こそが「知価革命」だったのでしょうか。今回は「知価」と「バブル」の関係について考えてみたいと思います。

 まず、「知価」と「バブル」の類似点について考えて見ましょう。

 「知価」はかっこよさや使い勝手の良さなどデザインや設計という知恵によってモノやサービスに付加された価値のことです。モノの原料となる資源やサービスで消費されるエネルギーの量とはほぼ無関係に決まる価値であり、資源・エネルギーの限界を超えて経済が成長することを可能にします。

 「バブル」も資源やエネルギーと無関係に価格が上昇する現象です。バブルの対象になるのはモノやサービスなどの本来の価値ではありません。何かの切っ掛けで「将来値上がりするかも知れない」と期待して「今のうちに購入しておこう」と考える人が一定数を超えると実際に価格が上がる。それを見た他の人も「もっと値上がりする」と期待するのでさらに購入量が増える、というサイクルがくり返されて泡(バルブ)が膨れ上がる様に価格が上昇するのです。資源やエネルギーに支えられた本来の価値(ファンダメンタルズと呼ばれます)と比べて不釣り合いな価格がつくのですが、これが大きな規模で起これば経済全体が資源・エネルギーの限界を超えて成長することになります。

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2018.07.26

書評 堺屋太一著 「知価革命(PHP研究所)」 (江頭教授)

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 価値あるいはGDPはどのように決まるものなのでしょうか。

 前回のブログでこのように書いたのですが、この「知価革命」という本はある意味それに対して解答を与える本であると思います。

 本書の出版は1985年。かなり古い書物です。著者の堺屋太一氏は通産官僚でしたが石油危機を予言するような小説「油断」をタイムリーに出版することで作家としてのスタートを切った人物です。作家としての評価を確たるものとした上で、その未来を予測するような小説を可能にした自らの考え方をまとめのがこの「知価革命」と位置づけることができるでしょう。

 本書では大きな歴史の変化がどのようにして起こるのか、についての考察からスタートします。

人間には新技術の開発や社会の変革によって不足するモノを獲得するための「雄々しい英知」と同時に、不足するモノを大切にするために自らの趣向や価値観を変化させる「優しい情知」を持っている。石油危機に端を発したエネルギー・資源の有限性の認識が人間の「優しい情知」に影響して「エネルギーを無駄にするのは罪悪だ」「無駄に資源を使った商品は下品だ」と感じる感性が一般的になるだろう。

 堺屋太一氏の予想はこのようにまとめられると思います。本書が書かれたから33年。この予想は的中したと言えるのではないでしょうか。

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2018.07.25

「省エネ」VS「高付加価値化」(江頭教授)

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 先日、こちらの記事で茅方程式について紹介しました。

 茅方程式は図のような恒等式。経済規模(GDP)とCO2排出量が比例していることを示していますが、その比例係数が必ずしも一定とは限らない。この比例係数を変えることができればCO2を排出しなくても経済成長は可能だ、ということが分かります。

そう説明しました。その後、二つの比例係数について述べたのですが、今回考えてみたいのは二つ目の比例係数についてです。

 つまり、「Energy÷GDP」。一定のGDPを稼ぐために必要とされるエネルギーで、エネルギー消費原単位と呼ばれます。前回はこれを「省エネのことだ」と表現したのですが、これは少し狭い理解ではないか、と思うのです。

 エネルギー消費原単位の分子は消費されたエネルギー、分母はそのエネルギーで生産されたGDP、つまり価値を表しています。分母が一定ならエネルギー消費原単位を小さくすることは「同じ価値を」より「少ないエネルギー」で生み出すこと、つまり省エネのこと、となるわけです。

 その一方で分子である「エネルギー」を一定だと考えるとエネルギー消費原単位を小さくするにはより「大きな価値を生み出す」ことができれば良い、ということになります。ここでは価値をGDPで表現しているのですが、では価値あるいはGDPはどのように決まるものなのでしょうか。

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2018.07.24

不快すぎて意味をなさない不快指数(江頭教授)

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 話題に困った天気の話でも、といいますが、最近は話題に困らなくても天気の話が口をついて出てしまいます。

暑いですねー!

 自分の子ども時代を思い出すと天気予報で「明日は30℃を越える」と聞くと暑い一日を覚悟した様に記憶しているのですが、あれは本当に日本のことだったのでしょうか。前前前世の記憶かも知れない、などと思ってしまうくらい、異常な暑さの日が続いています。

 さて、子どものころの記憶で暑さに関連して覚えているのが「不快指数」という指標です。まず名前のインパクトがすごい。不快指数という言葉を聞いただけで不快になるのですが、最近、あまり聞かなくなったように思います。

 そう思って不快指数について調べてみると日本気象協会(これは一般財団法人で気象庁とは別組織です)のサイトで以下の様にデータが公表されていました。不快指数の値とともに説明として

不快指数は、「日中の蒸し暑さ」を表し、数字が大きいほど蒸し暑く不快であると言えます。「70未満・70~74・75~79・80~84・85以上」の5レベルで、80以上はほとんどの人が不快に感じる暑さです。

と記されています。

 さて、不快指数とは具体的にどのように計算されているのでしょうか。

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2018.07.23

水の蒸発と乾湿球湿度計 (江頭教授)

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 前回の記事で「乾湿球湿度計」について説明したのですが、その原理は「湿球(水で濡れたガーゼで温度計の液溜を覆ったもの)と乾球(普通の温度計)の温度を比較して蒸発潜熱による冷却の効果を計る」というものでした。湿度が低いほど蒸発が起こりやすく、湿度が100%では蒸発が止まることから温度差が湿度の指標となるのです。

 さて、この説明で疑問を感じたひともいるのではないでしょうか。

 暑いとき汗をかくのは蒸発潜熱をつかった冷却効果で体を冷やすためだというのですが、私たちが扇風機や団扇をつかうとき、体がぐっと冷える感じがします。これは風を送ると蒸発が早くなることを示していると思います。だとすれば「乾湿球湿度計」は風がふくと間違った値がでる、という事なのでしょうか。

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写真は佐藤計量器製作所のアスマン式通風乾湿計。送風機と一体化されています。

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2018.07.20

湿度計(乾湿球湿度計)の原理 (江頭教授)

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Q:湿度はどうやってはかるのですか?

A:湿度計を買ってきてスイッチを入れる。

 料理を「レンジでチンして皿に盛る」といっている様なもので、これでは説明になっていませんね。そこで今回は湿度計の中でも原理の分かりやすい「乾湿球湿度計」について紹介したいと思います。

 気温が高いと人間は汗をかきますが、これは体を熱から守るためです。汗が蒸発すると気化熱が奪われるので涼しくなるわけです。ところが湿度が高いと汗が蒸発しにくくなって冷やす効果が薄くなります。いわゆる蒸し暑い、という状態ですね。「乾湿球湿度計」はこの湿度が高いと蒸発が起こりにくくなる、という現象を利用して湿度を測定する器具です。

 アルコールを封入したガラス製の温度計の液溜の部分を水で濡れたガーゼ覆います(これを湿球と呼びます)。これが汗をかいた人間に体に相当するので、その温度が高いか低いかで湿度を測ります。ただし、蒸発による効果だけを判定するためには気温そのものを測っておく必要があるのでもう一つ、普通の温度計(これが乾球です)を用意します。この湿球の温度と乾球の温度(蒸発の効果、という意味なら本来は「乾球温度-湿球温度」)から湿度を求めるのです。

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2018.07.19

フレッシャーズゼミ・ポスター発表会(江頭教授)

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 「フレッシャーズゼミ」は本学全体で行われている一年生向けの授業です。本学固有の授業なのでしょうか、「フレッシャーズゼミ」で検索すると本学のサイトの以下の説明が表示されました。

1年次演習科目「フレッシャーズゼミ」では、全教員が15名程度の新入生を受け持ち、読み・書き・プレゼンテーションするスキルを演習スタイルで教育し、学生の日本語能力を強化する。

 大学に入ると「クラス」というものが無くなってしまい、学生諸君は時間ごとに授業の行われる教室を転々とすることになります。大学で自分の居場所ができるのは研究室に配属された後となります。これが通常の大学のスタイルなのですが、入学から数年の間、居場所の無い期間は大学生にとっていろいろな意味でリスクの多い期間でもあります。

 そこで、本学ではアドバイザー制度を設けて新入生の時点からいわゆる「担任の先生」のような教員を一人一人の生徒に割り当てています。

 フレッシャーゼミはいわばその「担任の先生」が受け持つホームルームの様な授業だ、と思ってください。1年生向けのその授業時間の中で、学生諸君はグループワークを行ってポスターを作成し発表会を行った、それが今回の発表会です。

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2018.07.18

温室効果ガス排出の削減要因(江頭教授)

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 先頃発表された2016年度の温室効果ガスの排出量の確定値をみると、日本では3年間ほどのあいだ、経済が成長してGDPが増えているにも関わらず室効果ガスの排出量が減少する状況が実現していることを紹介しました

 これは経済成長と温室効果ガス排出のデカップリングというべき現象です。今までは経済成長にはエネルギーの利用増加が必須であり、そのため室効果ガス排出が増えることになる。つまり、経済成長と温室効果ガス排出はカップリングしているとみなされていたのですから、その常識を覆す状況が起こっている、という事実は経済を犠牲にしなくても温室効果ガス対策はできることを示している訳で、温室効果ガス削減の実現に強う希望を与える事実です。

 では、この経済成長と温室効果ガス排出のデカップリングはなぜ実現されたのでしょうか。

 可能性の一つは日本の人口が減少し始めているから。あるいはGDPを生み出すために必要なエネルギ-が減ったから、という理由もあり得ます。さらに同じエネルギーを得るために排出される温室効果ガスが減った、などの理由もあるでしょう。

 環境省が温室効果ガス排出量の算出結果と同時に発表している資料「(参考資料)エネルギー起源CO2排出量の増減要因分析」では、このような仮定のうち、どれが実態に近いのかを検証しています。

 ここで用いられているのは「茅方程式」をベースに人口の要因を加えた以下の式です。

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2018.07.17

経済成長と二酸化炭素と茅方程式(江頭教授)

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「経済成長のためには二酸化炭素の排出量が増えるのもやむを得ない」

この命題には例外があることがすでに知られている(例えば2014~16年度の日本など)のですが、それでも強い説得力をもった命題です。何しろ産業革命以降の経済成長のほとんどが化石燃料の使用量の増加、すなわち二酸化炭素の排出増加を伴っていたのですから。

 とはいえ、この命題を受け入れてしまえば二酸化炭素の排出抑制は即座に生活レベルの低下を意味することとなってしまいます。こんどは排出抑制を受け入れる人がいなくなってしまうでしょう。

 ではどう考えたら良いのか。それを巧く説明するのが茅方程式です。

 「茅」とついているのは東大名誉教授の茅陽一先生が発案した式だからです。「豊かな生活(GDP)にはエネルギーが必要」「エネルギーを使うと二酸化炭素が放出される」その関係を、CO2EnergyGDPの以下の様な方程式で表現したのです。

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2018.07.16

オープンキャンパスを実施しました(江頭教授)

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 以前このブログでも紹介した通り、7月15日の日曜日、本学八王子キャンパスのオープンキャンパスが開催されました。われわれ応用化学科も片柳研究棟7階の学生実験室を中心に、教員、アルバイトの学生諸君が協力して訪問してくれた高校生諸君、ご父兄の皆さんをお迎えしました。

 今回のオープンキャンパスは今年度2回目のオープンキャンパスです。

 今年のオープンキャンパス、応用化学科では、学科紹介と模擬授業、体験実験や各研究室によるデモ実験を含めた研究紹介が内容でした。これは例年通りなのですが、全体のスケジュールはやや変更されています。

 今回は、大学の入試説明会が2回、そして「AO入試対策講座」(これは本学の教員ではなく予備校の講師が実施するイベントです)が行われました。多くの参加者の方々がこちらのイベントに参加されていたようです。

 また、今回はツアー形式(数名~十数名の訪問者の方をガイド訳の本学学生が案内する形式)の見学も多く、本学科の展示会場にも多数のツアーでの見学者が来場されました。

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2018.07.13

今は昔のリーマン・ショック(江頭教授)

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 リーマン・ショックは2008年にアメリカの投資銀行が倒産した事件に象徴される世界的な規模の経済危機のことです。先日の記事で触れたので気がついたのですが、すでに10年も経っているのですね。今の学生諸君や高校生諸君にとってはすでに歴史の一部なのでしょうか。私の研究室の学生さん達に聞いてみると...。

えーっと、中学生、いや小学生のころでしたね。小学校の6年。

そうか。知らない、というほど昔の事じゃないんだね。

でも、なんだかよく分からなかったですよ。テレビでなんか騒いでるな、ってぐらいで。

うん、そうか。実は僕も同じ。よく分からなかったよ。

 2008年当時、いろいろな報道がありましたが外国の話で日本には関係ない話の用でした。日本に影響があたとしても大学の教員という立場では影響を実感することはなかったですね。

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2018.07.12

7月15日(日) オープンキャンパスを実施します(江頭教授)

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 大学とはどんなところなのか?大学にいる人間にはその風景が当たり前すぎて誰もが良く理解してくれている様に思い込んでいるふしもあるのですが、外部の人、特にまだ大学というものに行ったことがない高校生諸君にとって、大学はやっぱりよく分からないところでしょう。そう考えると大学が一般の人に開放される機会は、大学を知る、という意味で貴重なチャンスです。(もっとも大学は普通の日でも別に閉鎖されているわけではないのですが...。)私が高校生の頃にも学園祭などで大学を訪れる機会があり、それなりに「大学とはこんなところか」と思ったものでした。

 さて、最近では多くの大学で高校生向けの見学会「オープンキャンパス」が開催されているので、実際に大学を見る、というチャンスは確実に増えています。本学でも例年、この季節から夏休みに渡って数回の「オープンキャンパス」を実施しています。

 本学の八王子キャンパスでの直近のオープンキャンパスは7月15日、つまり次の日曜日に実施します。これは今年2回目のオープンキャンパス。前回6月17日のオープンキャンパスは昨年度以上の来場者があったとのことですが、さて、今回はどうなるでしょうか。

 八王子キャンパスのオープンキャンパス、予約不要で入退場自由ではありますが、工学部を見学するなら10:35からの学部説明会に参加してもらうのが標準のコースでしょう。 今年度から、工学部の学部説明会では従来からの学部長の説明に加えて、学生による「コーオプ実習」の体験報告を行う事としました。「コーオプ実習」は企業での8週間にわたる有給の就業体験。本学工学部の特徴的な教育システムですが、ここでは入学希望の高校生諸君の少し先輩の学生さんから自身の経験に基づいた話をしてもらおう、という企画です。第一回の6月17日のオープンキャンパスでは非常に好評だったとのこと、是非ご参加ください。

 また、共通イベントとなる入試説明会(11:55~、12:40~)、AO入試対策講座(13:10~)も注目です。

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2018.07.11

京都議定書約束期間の温室効果ガス排出量(江頭教授)

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 昨日の記事では温室効果ガスの排出を削減するための国際的な取り組みである「京都議定書」について紹介しました。2008年から2012年までの期間(約束期間と呼ばれています)の温室効果ガス排出量の年間平均値を1990年度から目標値まで削減する、というもので、日本の目標値は1990年度からマイナス6%とされていました。

 さて、この目標は吸収源の加算と京都メカニズムの利用によって達成されたのですが、では温室効果ガスの排出そのものはどのような経緯をたどったのでしょうか。平均では1990年度に比べてプラス1.4%となっているのですが、2008年度から2012年度までの期間には温室効果ガスの排出に対して大きな影響を与える事象が起こっていたのです。

 下の図は前回と同じで「温室効果ガス排出量の算定結果」からの引用ですが、もう少し広い期間が示されている2013年のデータを示しました。2006年度、2007年度と増加していた排出量は一転、2008年度から2009年度までは減少しました。その後増加に転じて2012年度まで増え続けています。大まかに言って前半は減少、後半は増加です。それぞれ何が原因なのでしょうか。

 もったいぶるのはやめましょう。前半の減少はリーマンショックの影響、後半の増加は東日本大震災による影響を受けているのです。

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2018.07.10

今は昔の京都議定書(江頭教授)

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 温室効果ガスの排出量を削減するための世界的な枠組み、といえば今は「パリ条約」ですが、それ以前には「京都議定書」が存在していました。

 うーん、この言い方、私にはなんかピンと来ません。京都議定書の方がなじみが深く、まだパリ条約になじみがないからでしょうか。

 さて、京都議定書は1997年、日本の京都で開かれたCOP3(第三回気候変動枠組条約締約国会議)で取りまとめられた温室効果ガスの排出量を規制しようとする条約のことです。各国の削減目標値が条約で規定されている、という点でパリ条約の自主的な目標設定とは異なったアプローチがとられています。この条約での日本の削減目標は90年度基準でー6%でした。この後「マイナス6%」という目標値は盛んに広報され、なんとなく耳に残っているの人もいるのではないでしょうか。

 では、この京都議定書が規定している削減を実施する期間はいつからいつまでだったでしょうか。2008年から2012年まで。そうです。京都議定書はすでに終了した枠組みなのです。ということは「マイナス6%」という約束が守られたかどうか、すでに結果がでているということですね。(なお、2012年度以降も京都議定書を延長する「第二約束期間」も設定されていて、これは2020年まで続きます。)

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2018.07.09

大学院説明会 大学院入試 コネとは(片桐教授)

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 次回のオープンキャンパスの時に、大学院説明会もあわせて行います。詳細はこのページ(http://www.teu.ac.jp/event/2018.html?id=146)をご覧下さい。

  さて、いよいよ東京工科大学に2つ目の大学院研究科が生まれます。工学研究科サステイナブル工学専攻です。6月29日に文部科学省の届出認可が公表され、パンフと募集要項も配布中です。

 先日推薦入試が行われました。結果は7月6日に公表されました。

 次回の入学試験はA日程が9月8日(土)に行われます。出願期間は8月21日〜28日です。その次はB日程を2月2日(土)に行う予定です。出願期間は1月10日~18日です。

 多くの俊英の集まる、にぎやかな研究科・専攻になるといいですね。

 大学院入試と大学入試の一番異なる所は、出願前の希望指導教員との打ち合わせが必須であることです。事前の打ち合わせの確認のために、願書には希望指導教員の確認印を押す場所があります。大学院の入学試験は、すでに出願前にはじまっているということですね。その確認印が押されていないと、出願は無効になります。

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2018.07.06

今年もやります 危険物取扱者特定試験@東京工科大学(片桐教授)

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 今年も9月13日に危険物取扱者の特定試験をここ東京工科大学で行います。(本学科の学生諸君は学生ポータル(6月21日)に掲載した告知を確認してください。)

 危険物というと、毒性のある物質をイメージする方もいますが、ここでは「燃焼」「爆発」など消防法で扱う物質を指します。毒性を持つ物質は「有害物」と呼ばれます。

 危険物取扱者は国家資格です。消防法にもとづく危険物(ガソリンや化学薬品など)の取り扱いや立ち会いに必要となる国家資格です。ガソリンスタンドでは危険物取扱者が必要です。危険物の保管庫を持つ化学工場では、保守点検責任者として資格者を指名します。危険物を作るプラントにはこの資格を持つ者が必要です。タンクローリーを動かす時に、資格者の運転や同乗が必要です。「危険物取扱者」は危険物の関係する仕事の現場に必要な資格です。その資格を持つ専門家がいなければ、その業務をしてはいけない、というものです。そのため、有資格者の需要は高く、就職等において有利になる資格です。受験準備に2週間(48時間)十分な準備を行えば合格できる資格です。

 また、この資格は一度取得すれば,一生モノです。実際に危険物を取扱う仕事に従事する場合は定期的に保安講習を受ける必要はありますが、ペーパーライセンスで25年間ほっておいても、免許を再発行してもらえました。

 資格には3種類の等級「甲種」「乙種」「丙種」があります。甲種は全ての危険物の取り扱いを認められますた者です。乙種はその免状に記載の種類の危険物の扱いを認められます。丙種は指定された危険物しか扱えない上に、「立会い」や「危険物保安監督者」にはなれません。丙種にはあまりメリットがありませんので、乙種、できれば甲種をとりましょう。

 甲種には受験資格があります。甲種の受験資格は、

 (1) 大学等において化学に関する学科等を修めて卒業した者

 (2) 大学等において化学に関する授業科目を15単位以上修得した者

 (3) 乙種危険物取扱者免状を有する者で、実務経験2年以上の者、あるいは4種類以上の免状を持つ者

 (4) 修士、博士の学位を授与された者で、化学に関する事項を専攻した者

です。

 本学応用化学科の2年生は1年生の時にすべての単位「化学基礎」「サステイナブル化学概論」「化学基礎演習」「工学基礎実験I(C)」「工学基礎実験II(C)」「有機化学I」「物理化学I」「無機化学」の計16単位を取得していれば甲種の受験資格があります。

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2018.07.05

ハラスメントに関する講習会が開かれました。(江頭教授)

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 東京工科大学では月に一度、八王子キャンパス、蒲田キャンパスでそれぞれに「全学教職員会」と称した講習会を開いています。学長が大学の運営方針を説明する回もありますし、各学部がそれぞれの教育目標を発表する回もあります。時には外部講師をお願いして大学の教育にかかわる重要な話題を解説していただくこともあります。

 今回のテーマは「ハラスメント防止のために」。学校法人国士舘の山田 愼吾 常任理事を講師にお迎えしての講演でした。山田理事は20年以上学校法人での人事・法務関係で大学におけるハラスメント問題に第一線で対応した経験をお持ちです。多くの具体的な事例を背景として加害者の立場になってしまった人の例を含めてお話していただきました。

 現在ハラスメントと呼ばれるような行為は以前からあったのだろう、というのが山田講師のご意見です。近年多発しているようにみえるのは一般レベルでの問題意識の変化と情報環境の変化の影響ではないか。ご講演の具体例の中でも録音記録の存在に触れられていましたが、確かに現在のように誰もが高性能の録音機材(スマートフォンの事です)を身につけている状況は以前には考えられなかったものです。

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2018.07.04

エネルギー起源のCO2排出量が減少するとき(江頭教授)

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 前回の記事では2015年のデータをもとに、世界のエネルギー起源のCO2排出量が減少に転じたことを紹介しました。データはIEAのまとめた”CO2 EMISSIONS FROM FUEL COMBUSTION (Over View)”という資料ですが、今回もこの資料からエネルギー起源のCO2排出量の経年変化のデータ、それも150年にせまる長期にわたるデータを見てみたいと思います(下図)。

 まず一見して分かるのはエネルギー起源のCO2排出量の常に増加するトレンドであった、ということです。排出量が数年つづいて減少した期間は145年間で数回しかありませんし、10年以上減少が続いた期間は一回も無いのです。これをみると2015年の排出量が減少に転じたことが如何に異常なことかおわかりいただけると思います。

 直近で排出量の減少が起こっているのは2008年。これはリーマンショックの影響でしょう。1980年代の排出量の減少は数年つづていますが、これは第二次オイルショックの影響であると思われます。世界大恐慌は1929年から始まっていますが、その時期にも排出量の減少が見られます。

 要するに排出量の減少と世界経済の後退は同時に起こっているのです。

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2018.07.03

減少する世界のエネルギー起源のCO2排出量(江頭教授)

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 地球温暖化の作用をもつガスはいろいろありますが、人間の活動によってもっとも大量に排出されていて、地球環境にも大きな影響を与えているガスはCO2であるということは良く知られています。なぜCO2ガスが排出されるのか、それは現在の社会では十分なエネルギー供給のためには化石燃料の利用が不可欠だから、ということも知られていると思います。

 では、その化石燃料から発生するCO2ガスの量はどのぐらいなのでしょうか。エネルギーに関する国際機関のIEA ( International Energy Agency ) から正にその点についてまとめた資料が出ています。

”CO2 EMISSIONS FROM FUEL COMBUSTION”

この資料はIEAのWEBサイトのこのページに記載があります。正規の報告書はダウンロード販売されていますが、概要(OVERVIEW)は無料でダウンロードできます。(IEAへの登録が必要。)

 2017年版の資料では2015年までのデータが整理されています。世界の総排出量は 32.3 GtCO2 、つまり 323億トンとなります。日本の温室効果ガス排出量の約30倍で、やはり非常に大きな値というべきでしょう。

 その一方で、この排出量を2014年の値と比較すると 0.1% の減少だったそうです。日本ではここ数年、温室効果ガスの排出量が減少するトレンドにあるのですが、世界的にみても同様の事が起こっているのです。

 同資料の概要から以下の図を見てみましょう。

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2018.07.02

CFC(オゾン層を破壊するフロン)はなぜ温室効果ガスの排出量に加算されないのか(江頭教授)

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 CFCは「chlorofluorocarbon」の略で炭化水素の骨格に水素にかわってフッ素や塩素が結合した形の化合物。いわゆるフロンのことです。

無色透明無味無臭無害かつ安定なため冷凍機の溶媒やスプレー缶などに利用されたのですが、その安定性が徒となり地表で利用されたCFCはオゾン層まで到達。紫外線で分解されて分離した塩素原子がオゾン層を破壊することになった。

これは良く知られたことですね。

オゾン層を守るために世界の人々は協力してCFCの生産と利用を規制することにした。それを具体化したのがモントリオール議定書。その発効以来、大気中のCFCの濃度の増加は止まり、ゆっくりと減少している。

これも広く知られたストーリーです。

 では、CFCが温室効果ガスでもある、という話はご存じでしたか?たとえばフロン12として知られるジクロロジフルオロメタンの温暖化係数は14,400。二酸化炭素の1万倍以上の温室効果をもたらします。

 そういうことなら、温室効果ガスを規制するためにはCFCの規制も重要だろう。温室効果ガスの排出量のなかでCFCが占める割合はどのくらいなのか。そう、考えて温室効果ガスの排出量の集計値をみると、なんと、CFCの項目それ自体がありません。これは一体どうしたことでしょう。

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