今年も9月13日に危険物取扱者の特定試験をここ東京工科大学で行います。(本学科の学生諸君は学生ポータル(6月21日)に掲載した告知を確認してください。)
危険物というと、毒性のある物質をイメージする方もいますが、ここでは「燃焼」「爆発」など消防法で扱う物質を指します。毒性を持つ物質は「有害物」と呼ばれます。
危険物取扱者は国家資格です。消防法にもとづく危険物(ガソリンや化学薬品など)の取り扱いや立ち会いに必要となる国家資格です。ガソリンスタンドでは危険物取扱者が必要です。危険物の保管庫を持つ化学工場では、保守点検責任者として資格者を指名します。危険物を作るプラントにはこの資格を持つ者が必要です。タンクローリーを動かす時に、資格者の運転や同乗が必要です。「危険物取扱者」は危険物の関係する仕事の現場に必要な資格です。その資格を持つ専門家がいなければ、その業務をしてはいけない、というものです。そのため、有資格者の需要は高く、就職等において有利になる資格です。受験準備に2週間(48時間)十分な準備を行えば合格できる資格です。
また、この資格は一度取得すれば,一生モノです。実際に危険物を取扱う仕事に従事する場合は定期的に保安講習を受ける必要はありますが、ペーパーライセンスで25年間ほっておいても、免許を再発行してもらえました。
資格には3種類の等級「甲種」「乙種」「丙種」があります。甲種は全ての危険物の取り扱いを認められますた者です。乙種はその免状に記載の種類の危険物の扱いを認められます。丙種は指定された危険物しか扱えない上に、「立会い」や「危険物保安監督者」にはなれません。丙種にはあまりメリットがありませんので、乙種、できれば甲種をとりましょう。
甲種には受験資格があります。甲種の受験資格は、
(1) 大学等において化学に関する学科等を修めて卒業した者
(2) 大学等において化学に関する授業科目を15単位以上修得した者
(3) 乙種危険物取扱者免状を有する者で、実務経験2年以上の者、あるいは4種類以上の免状を持つ者
(4) 修士、博士の学位を授与された者で、化学に関する事項を専攻した者
です。
本学応用化学科の2年生は1年生の時にすべての単位「化学基礎」「サステイナブル化学概論」「化学基礎演習」「工学基礎実験I(C)」「工学基礎実験II(C)」「有機化学I」「物理化学I」「無機化学」の計16単位を取得していれば甲種の受験資格があります。