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霧吹きで冷房?(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 今年の夏はとにかく暑い!などと思っていたころ、東京工科大学八王子キャンパスの体育館に隣接しているテニスコートのそばを通りかかると写真のような「霧吹き」を見つけました。ヒンヤリとした風が吹いてちょっといい気持ちでした。

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 こちらの写真は横浜アリーナ。こちらにも同様の「霧吹き」がありました。

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 これらは水を使って空気を冷やすための仕掛けです。

 「霧吹き」は冷たい水で空気を冷やす、というわけではありません。霧状になった水が蒸発するとき周りの空気の蒸発潜熱の分だけ熱を吸収することを利用した仕掛けです。

 原理は打ち水と同じですが、空気を直接冷やすことができるので実感できる効果は大きいのではないでしょうか。霧の水滴のサイズを小さくすることで通行人が水に濡れる、ということもありません。

 さて、この「水を使った冷却」、全く同じ原理を使っているものがあります。そう、人間の汗です。体の表面のぬらし、それが蒸発する際の蒸発潜熱の吸収で体を冷やすわけです。湿度が高くて蒸発が進まないとこの蒸発による冷却も進まず、「蒸し暑い」と感じるのです。

 霧を使った冷却、やり過ぎると湿度の上昇をもたらすので効果は限定的でしょう。極端な話、室内での利用は難しいですよね。

江頭 靖幸

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