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「バロメーター」という言葉 (江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 今は死語になってしまったのかもしれませんが、かつては「バロメーター」という言葉がありました。

拍手は人気のバロメーター

といった使い方をされていて、この場合なら「人気」の程度を示す指標、という意味です。

 もともとバロメーターというのは気圧計を示すことばでした。圧力の単位がbarですから、そのメーターでバロメーター(barometer)です。えっ、o はどっからきたのかって?圧力の語源がギリシア語のbaros(重さという意味)だそうですから、単位barの方がoを失っているのでしょう。

 では「気圧計」がなんで程度を示す指標なのか。温度計でも照度計でもよさそうなものですが...。

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これは研究室で最近購入した「バロメーター」。名称は「デジタル絶対圧計」でしたけどね。

 気圧計の用途は気圧を測ること、というのは当然なのですが、同時に低気圧の接近をしることができる機械とみることもできます。気圧が低くなったら天候が悪くなる可能性がたかい。つまり、気圧計は「お天気のバロメーター」だったというわけです。

 天気予報情報が気軽に手に入る現在では時計の代わりに「腹時計」くらいのイメージですが、昔はこの「お天気のバロメーター」は科学に基づいて天気を予測する手段として文明の象徴の様に思われていたのではないでしょうか。もっとも、気圧計で確実に天気を予測することはできませんから科学文明の象徴も少し頼り無いものだったでしょう。最初の例

拍手は人気のバロメーター

はその不確かさを含んだニュアンスで使われていたのだと思います。

PS: baros(バロス)は重いという意味だそうですが、似たような単語を夏休みに皆でつぶやくとサーバーが重くなってついには落ちるという...。それは「バルス」だ!

江頭 靖幸

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