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簡単な徴税方法を思いついた、という話(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 これはずいぶん昔の話、ですが私が子どもの頃というほどではありません。多分消費税が導入された頃でしょうか。税金についての思いついたことがあるのです。

 税金を集めることは大変です。まず公正な税制をつくること。正確に運営するための組織をつくること。全ての国民がその運営に協力することなどなど。どれも理想はあっても実現するのは非常に困難なことです。最近は実際のお金(普通はお札でしょうね)を集めることは少ないと思いますが、例え銀行振り込みでも1人1人納税額を計算して集金するのは膨大な手間がかかります。

 そこで、簡単な徴税方法について。税金を集めることの本当の意味は日本国民からお金を集めることではありません。国民の負担によって政府のいろいろな機能を成り立たせることです。国民から政府に何らかの形で「価値」をもったものが移動すれば良い。いえ、価値が移動すれば良いのであって必ずしも「もの(お金の金額という情報を含む)」が移動する必要は無いのでは。

 もったいぶるのはやめましょう。政府は単純に税金分のお金を印刷して使ってしまえば良いのです。

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 そんなの偽札だ。

 確かに。でも政府が日本銀行に作らせれば本物と同じもの、というか本物の紙幣を作ることができます。つまり「判別不可能な偽札」ができるのですが、ではこの偽札の何が問題なのでしょうか。

 偽札を使った人は不当に利益を得ます。逆に偽札を使わなかった人は無関係でしょうか。いえいえ、間接的な形ですが(見かけの)通貨の量がふえたことによって通貨の価値がへることになる。それが偽札の本当の問題です。

 さて、本題に戻ってきました。偽札を使う人がもし政府ならば、政府は日本円を使う全ての人から「少しづつ価値を分けてもらう」ことになります。でもこれって税金の役割そのものなのではないでしょうか。

 日本円を持っている全ての人たちの円の価値が少し下がることが税金はらうことの代わりになるのです。持っているお金に比例して税金を取ることになるし、手続き無用で簡便でもありますよね。

 ではなぜこの税制が導入されないのでしょうか。私は、おそらく「他国の通貨」というものが存在していることが原因だと思っています。持っている円に比例して税金を取られるというなら円を持たないことが正解です。だれも円を使わなくなってしまえば政府にものを売った人がが実質的に税金を納めることになってしまいますね。

江頭 靖幸

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