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見たことありますか?四角い電池(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 さて皆さん、写真の様な四角い電池を見たことがあるでしょうか?これは6Pとか006Pと呼ばれる形式の電池です。昔はラジオなどに入っていたものですが、最近はあまり見なくなった様に思います。でも実験で使う温度計やテスターには今でも利用されているので、私の研究室では少し買い置きをしています。

 この電池、一番の特徴は9Vという高い電圧を持っていることです。子どもの頃、大人が電池が生きているか(起電力が残っているか)を確かめるために電極をなめているをまねていろいろな電池をなめていたのですが、この電池をなめてひどい目にあったことをよく覚えています。+と-の電極が並んでいるので両方の電極を一緒になめることになってしまいます。9Vの電圧ですから普通は感電ショックは感じない程度なのですが、ぬれている上にきわめて敏感な舌でこれに触れたのですから堪りません。しばらく舌が引きつっていた記憶があります。

 ではこの電池、どうやって9Vの起電力を実現しているのでしょうか。起電力の大きな化学反応にはどんなものが...。種を明かすと実は簡単。この電池は1.5Vの普通の電池を6個直列つなぎしたものなのです。6Pの6はそういう意味だったのですね。この電池は「角形(積層形)」と分類され、マンガン乾電池を積層したものは「6F22」、アルカリ乾電池を積層したものは「6LF22」という記号がつけられています。

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 さて、上の写真、よく見ると電池の+極の下側に「充電式」と書かれています。実はこれ、ニッケル水素電池をつかった6P型の電池なのです。私の子どもの頃にはさすがにこんなものはありませんでした。少々お高かったのですが温度計やテスターを消し忘れるたびに6Pの電池を買う羽目になっていたので「これは良いものを見つけた」と喜んで研究室では主にこれを使うようになりました。

 先日のこと。学生さんが使っていたテスターの電源が切れてしまって裏蓋を開けると6Pの電池が。買ったときから入っていた電池なので当然使い切り型です。ところが学生さんはこれをそのまま充電器に...。ちょっと待った!使い切りの電池を充電器に付けることは危険な行為です。なんでそんな事を、と話を聞くと充電式以外の6Pの電池を見たことがなかったとか。要するに研究室でしか6P電池を見たことがない、ということです。

 最近の若い者は常識が、いやいや、それも仕方がない、というか当然のことだなあ、などと思ったのでした。

江頭 靖幸

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