世界の人々の暮らしがわかるWEBサイト「Dollar Street 」(江頭教授)
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世界の人々を「豊かな人と貧しい人」に二分するのは間違いだ。世界は急速に豊かになりつつあり、いま最も多いいのは中間の人たちだ、として世界の人々の生活を生活を収入に応じて4段階に分類する。これは以前紹介した「ファクトフルネス」の著者であるハンス・ロスリング博士が提案した考え方です。
では、世界のそれぞれの経済レベルの人たちはどんな生活をしているのでしょうか。それを視覚的にわかりやすく示してくれるのが今回紹介する「 Dollar Street 」というサイトです。
サイトのページには通り(ストリート)が描かれています。この通りの右側には収入(ドル基準です)が低い人が、左のほうには収入の高い人が住んでいると考えてください。このサイトでは日常生活のなかのいろいろな写真が収入順で4枚表示され、その収入のストリート内での位置がハイライトされます。写真には住まいの様子、家族のポートレート、家庭で使う道具など、本当にいろいろなものが写っています。その写真を見比べながら豊かな人、貧しい人、そして中くらいに人の生活を想像してみよう、というのがこのサイトの趣旨なのです。
実はこの「 Dollar Street 」、ハンス・ロスリング博士の息子であるオーラ氏とその妻のアンナ氏が協力して設立した「Gap Minder」という団体が運営しています。(URLに"gapminder.org"と入っていますね。) 主にアンナ氏た担当しているそうです。ただ、「ファクトフルネス」で述べられた分類とは収入の表示が若干異なっていて「 Dollar Street 」では一家の一か月あたりの収入(正確には支出)を、大人一人当たりの値に調整したものが基準となっています。
このサイトを訪れてみれば、いろいろ考えるところがあるでしょう。右上のメニューから日本語表示も選ぶことができます。例えば上の図で引用した「歯ブラシ」の比較をみると、どこの国の歯ブラシもよく似ている、というかほとんど同じです。世界のどこでも、ほとんどの人は歯ブラシで歯を磨くのだ、そう考えると世界は思った以上に一体化していると思えてきます。その一方で住宅では所得格差がはっきりとみられますが、それでも同じ収入レベルでみれば世界各国の住宅にも何か共通の雰囲気が感じられます。
皆さんもぜひこのサイトを訪れてみてください。ただ、少々残念なのはこのサイトでは日本の写真が見当たらない点ですね。
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