英文字略称(片桐教授)
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2019年3月9日土曜日に、REHSEという研究会の定例研究成果発表会に参加しました。と書き始めると、「おやっ?片桐先生、ぼけたかな、前の原稿そのままだぜ」と思われるかもしれません。今回はこのREHSEという5文字略称について雑感です。
REHSEという略称は、「特定非営利活動法人 研究実験施設・環境安全教育研究会」の略称です。このようにフルネームで名称を書けば、その研究成果発表会の内容も推察できると思います。しかし、このフルネームは長くて憶えられないし、使いにくいですね。そこで、このような長い名称の略称にはしばしば英語、あるいはローマ字の頭文字による略称を使います。
でも、この手の略称は3文字くらいのものが便利で多いようです。1文字や2文字だと他の略称とかぶりやすく、4文字以上だと憶えにくくなります。
NHKは日本放送協会のローマ字からとっています。でも、今ではNHKでわかっても、日本放送協会では分からない人もいるのではないでしょうか。
NTTとKDDは混乱します。NTTは日本テレフォン・テレグラムの略です。一方KDDは国際電信電話ですね。なんで国内向けに英語を使って、国際向けを日本語にしているのでしょうか。納得しにくい者があります。
化学の世界でもこのような略称(abbrebiation)を多用します。
(自分の名前を元素記号だけで作れますか?)
世間一般にでCDはCompact Diskの略称として認知されています。同様にCash Dispenser =現金自動支払い機もよく使われますね。一方、化学の世界ではCircular Dichroism(円偏光二色性)という測定のはなしになります。さらに物質名としてCyclodextrin (環状糖の一種)もCDと略されます。二文字目が小文字になるとCdでカドミウムの元素記号です。二文字とも小文字のcdは光量の単位(カンデラ)の単位記号です。
The ACS Style Guide というアメリカ化学会の化学論文の書き方の指南書には45ページにわたって、このような略号Abbrebiatios、約2000個をまとめています。自分の専門分野のAbbrebiationを正しく自由自在に使えるようになることも、化学を専門とする者の基礎技能です。
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