災害発生時の通信手段について(片桐教授)
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先の江頭先生の「地震と夏みかん」に、大地震発生直後は電話が通じたが、その後通じなくなった、という話しが記載されていました。
大地震などの災害発生時に電話回線が混雑し、つながらなくなる現象は「電話網のふくそう」と呼ばれます。NTTのWeb Pageには:
「交換機の一定時間内に処理できる能力を越える電話が集中することにより発生するいわゆる「電気通信網の渋滞」のことを「ふくそう」いいます。ふくそうは、電話がつながらないことにより相手につながるまで繰り返し電話をかけ直す行為により増大します。」
「このふくそうが集中的に発生すると、交換機の処理量も比例することとなり、電話の接続処理が滞るだけでなくやがては交換機処理自体が停止してしまう恐れがあります。このような状態が発生する前に異常を検知し、交換機の処理を守ると共にふくそう状態においても最低限の通信(警察、消防などの重要な通信)を確保するように必要な制御を行います。」
と書かれています。
(https://www.ntt-east.co.jp/traffic/congestion_flow_index.html)
地震や災害発生時に、家族以外の方へ、心配だからと外部から「大丈夫だった?」と知り合いに尋ねる行為、不要不急の電話は控える方が良いようです。
2018年6月18日07:58の「大阪北部地震」のとき、東大阪市に住んでいる、うちの大学院1年(応用化学)の長男の安否確認のために、電話をしたかったのですが、このような通信トラブルを招かないようにメールでの安否確認に留めました。
07:59「オヤジです。地震、大丈夫か?。返信よこせ。」
08:01「生きてる、情報無い。震源どこ?」
08:03「生きててよかった。震源地は大阪北部、震度6弱。」
08:06「ありがとう、当方被害なし。ちょい本が雪崩れた程度。取り敢えず近くで火が出て無いかだけ見てから学校行きます。」
08:09「オヤジです。できるだけいそいで研究室へ行って、対応すること。破損ガラス器具によるケガに注意。余震も起きている。危ない場所に近づくな。扉は解放し、避難経路を確保すること。研究室の火災はしばらくしてから起こる。NMRのクエンチもタイムラグがあるから近づくな。」
メースでのやりとりはスムーズでした。文明の利器ですね。
しかし、大規模停電が発生すると中継局の電源バッテリーが切れてしまうため、ノートパソコンや携帯のメール通信が使えなくなります。中継局のバッテリーはおおよそ30分で切れるそうです。
災害のときに、当事者に一番必要なのはなにより「情報」であると思います。
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