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2019年4月

2019.04.30

出版社の活字ばなれ(江頭教授)

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 平成の終わりも秒読み段階、ということでこの30年で大きく変化したものを考えてみましょう。ということで今回のお題は「活字ばなれ」です。

 皆さんは活字というものをご存知でしょうか。金属でできた1文字分の小さいハンコです。このハンコを組み合わせて文章を作り、それをページごとにきれいに並べる。並べたものを「版」、並べる作業を「版組」と言います。そして、この版を使った印刷が活版印刷。「グーテンベルクの活版印刷」と言えば世界史の授業を受けた人は聞いたことがあるのではないでしょうか。活字をつかった印刷技術によって本の印刷が容易になり文化の発展に大いに貢献したのでした。

 ただし、一つの文章、一つの本を印刷するとき、その文章や本に含まれるすべての文字の活字を用意してそれを正しい順序で並べなければなりません。これを手作業で行うとなるとその手間は想像を絶するものとなります。私が個人的に思い出すのは「銀河鉄道の夜」の登場人物、ジョバンニが活字拾いのアルバイトをしている、という設定です。活字を並べる作業は専門性が要求されるものですが、大きな棚に大量にストックされている活字の中から必要な一つ一つの活字を集める作業(これが活字拾いです)はアルバイトでも可能な作業です。ただし、字が読める程度の教育は必要であり、肉体労働でありながら知的な雰囲気をもった仕事なのでしょう。その一方で活字には鉛が使用されていることから健康を犠牲にしながら働くという面もあります。

 さて、平成も終わりとなる現在、活字はほぼ使用されなくなりました。版組と印刷は電子化されて活字という道具を使う必要がなくなったのです。大量の手間を省くことができ、図書の印刷は極めて迅速に低コストで行うことができるようになったのですが、一部の人たちはこれを「出版社の活字ばなれ」とよんでその文化的な悪影響を危惧しています。

 

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2019.04.29

平成の海外観光旅行(江頭教授)

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 平成から礼和へ。元号がかわるゴールデンウィークは

世は正に大連休時代!

な訳です。この機会に海外に観光に行く人たちも多いと思いますが、今回はその海外旅行についての雑感を。

 海外旅行に行く、という視点からすると平成の30年間は最も海外での観光旅行が楽しめた期間なのではないかと思います。平成前半は昭和の高度経済成長で儲けたお金をどのように使うか、人々が試行錯誤していた時期で、海外旅行は誰もがその対象として一度は考えたものでしょう。つまり、海外旅行に行くお金と時間の余裕ができたということが一つ。

 もう一つのポイントは世界の国々に実際に旅行することができるようになったということ。平成の始まりと同時期に冷戦が終結し、ほぼ世界中の国に旅行に行くことが可能になりました。冷戦終結後の中国をはじめとするアジア諸国の経済発展の影響も大きい。これらの国々は単に旅行に行けるというだけではなく、観光旅行の対象地として魅力的な場所へと成長していったのでした。

 ところが平成が終わりに近づくにつれてこの二つの条件が崩れてきた様に思えます。

 

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2019.04.26

越前そば(片桐教授)

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 片桐はおそばが好きだ。岡山在住時には、東京出張のたびに蕎麦屋、あるいはカレー屋に入るのを楽しみにしていた。関西人は「関東の蕎麦の汁が黒い」と文句を言うそうな、本当かなあ。確かにおうどんの汁の黒いのは好きじゃない。しかし、お蕎麦の汁は黒くてもかまわない。だいたい、おうどんとお蕎麦を同じカテゴリーで議論することこそ間違っていると思う。
 お蕎麦は健康食だ。お蕎麦のタンパク質は白米よりも多いそうである。一方で、この豊富なタンパクが蕎麦アレルギーの原因にもなっているのは残念だ。ビタミンB群を含み、ルチンは毛細血管に良く、血液をさらさらにしてくれるそうだ。また食物繊維も豊富で胃腸にやさしい。塩分の高いおうどんに比べて健康食である。頻繁に食べられる。

 この4月から、フーズフーの2階東側のうどん屋が「越前蕎麦」に変わった。遅ればせながら、今日は時間的に余裕があったので食べにいった。11時開店だそうだ。11:15ごろに行ったところ、すでに店の前の席にて多くの人がお蕎麦をたぐっていた。

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2019.04.25

ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの意外な相違点(江頭教授)

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 先日の記事ではGPSを利用した自動車の速度測定値と自動車のスピードメータのずれについて考察したのですが、今回は自動車のお話。西オーストラリアにフィールドワークに言った話の続きです。

 フィールドワークの現場の一つの農場の中の植林地があります。フィールドワークの開始前に農場主さんに挨拶がてら現場の様子を聞くのですが、今回言われたのは

今年の夏は最初は涼しかったけど今はものすごく暑いんだ(オーストラリアは南半球なので2月末から3月は夏なのです。)

刈り取りが終わった畑も今は完全にカラカラだよ。(この地域では比較的に降雨量の多い冬に農業を行います。)

ところで、今回はどんな車を借りてきたんだい?4WDのディーゼル車かい?

4WDは当然なのですが、今回はディーゼル車ではなくてガソリン車をレンタルしていました。車のクラス、というか大体のサイズは指定できるのですが、レンタカー会社では細かい車種の指定ができません。ディーゼル車は人気が高いらしく今回はガソリン車となったのです。農場主のケンさんにそう話すと

そうかー。じゃあ畑の中には入らないようにしないとなあ。

詳しく聞くと、どうやらガソリンエンジン車が枯れ草の上を走ると野火の原因になることがあるそうなのです。ガソリン車だと車の下の草に火がついて火事になる。ディーゼルエンジン車ならそんな問題はないのだとか。

 

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レンタカー会社の車種選択の画面。ガソリン車かディーゼル車かは選べない仕様になっています。

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2019.04.24

自動車のスピードメータとGPS(江頭教授)

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 フィールドワークに便利なタブレット。圏外でも使えるGPSの機能を用いればカーナビとしても優秀、という話をしてきましたが、今回はそのタブレットのGPS機能を使って車の速度が測れる、というお話です。GPSの衛星からの情報は位置情報だけですが位置の時間変化を追跡すれば速度も分かる、というのは簡単な話。実際われわれが使っているMPAS.MEのナビでも車の速度が表示されます。

 さて、問題はここから。今年の2月末、西オーストラリアにフィールドワークのために出張したのですが、その際に気がついたこと。

 GPSから算出された速度と自動車のスピードメータに表示される速度が微妙にずれている

のです。正確にはGPSで算出された速度よりスピードメータの速度が数%ほど大きく表示されているのです。

 別に1割2割違う、という話でもないので気にするような事でもないのですが移動時間の間の暇つぶしに少し理由を考えてみました。

 まず、GPSから算出される速度について。GPSが正しく位置を測定していることはちゃんとナビゲータとして利用できることからはっきりしています。時間についても間違いようがないでしょう。そうなると考えられるのはポイントとしては正しく測定されているのに経路としては合っていない、ということ。つまり本当の経路は曲線なのにそれを折れ線で近似しているような状態でしょうか。でも曲線と折れ線を比べれば折れ線の方が短いはず。同じ時間で移動距離が短くなるなら折れ線になってしまうGPSのほうが遅い速度を示すはずです。

 では問題はスピードメータにあるのでしょうか。

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2019.04.23

タブレットと地図アプリ ーGPSは圏外でも使えますー(江頭教授)

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 前回の記事でタブレットをフィールドワークで利用することを紹介しました。フィールドワークの現場では圏外でネットがつながらないこともある、というかつながらないことの方が多いのですが、それでもGPSは使えるというのが今回のお題です。

 GPSとインターネットは共に軍事利用を目的として開発された技術で1990年代の後半に一般的に利用されるようになりました。インターネットは移動体通信の技術と組み合わされることでスマートフォンやタブレットなど、持ち運びのできる端末が利用されるようになりました。インターネットで地図情報を受信し、それにGPSを利用した位置情報を組み合わせたものが現在広く利用されている地図アプリだ、ということができると思います。フィールドワークには地図アプリはとても便利なのですが、圏外になると位置情報はあっても地図情報が入手できない、ということでgoogle mapやiPhone標準の地図アプリはフィールドでは使えない、ということになります。

 GPSの情報は人工衛星からとどくものですから地球上どこでも空が見晴らせる場所なら届きます。インターネットは情報伝達の形式が決まっている訳ではありませんが、移動体通信で利用するなら携帯電話のネットワークを利用することになります。人のまばらな西オーストラリアの農業地帯の街と街の間のキャノーラ畑や林の中出ではGPSは使えてもインターネットには接続できません。(農場主の母屋には固定回線が来ていますが、家と家の感覚が数kmが普通、という環境ではネットにつなぐためには近隣の Town Center まで移動する必要があります。)

 ただ、地図情報を予めダウンロードしておけば圏外でも地図アプリを使うことができるはずです。

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 MAPS.MEのスナップショット。ピンが打ってある場所はフィルードに設置したサイトや道しるべです。

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2019.04.22

タブレットはフィールドワークにとても便利(江頭教授)

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 フィールドワーク、屋外での調査・研究活動は化学の分野ではあまりやらないことかもしれません。ただ私自身は「植物を利用した炭素固定」を研究テーマの一つとしているのでフィールドにでて計測などを行うことがあります。特にオーストラリアでの植林の研究はかれこれ20年近く行っているのですが、昔と今ではフィールドワークのやり方も変わってきています。

 特に変わったのは使用する道具、なかでもタブレットを使うようになったことでフィールドワークはかなりやり易くなりました。

 まずGPS機能。フィールドワークを行う場所は「何丁目何番地」と住所が決められる場所ばかりとは限りません。フィールでの自分の居場所、目的地を簡単にしることができるようになったことは大きな進歩です。GPS単体の機器もありますが、タブレットは地図アプリにフィールド内の場所を記録できるのが大きなメリットです。

 そして写真機能。いまだに専用のカメラには及びませんがタブレットなら簡単に記録を残すことができるので写真や動画をメモ代わりに使うことさえできるのです。

 GPSもデジタルカメラも20年前にはすでに存在していたのですが、それが一つでデバイスにまとまっていて、なおかつ安価に手にはいるわけです。タブレットがもたらした日常生活の変化も大したものですが、フィールドワークへの影響もかなりのものだ、ということができるでしょう。

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2019.04.19

サステイナブルな文化財(江頭教授)

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 ノートルダム大聖堂で火災が発生した、という情報を知ったのは4月16日のニュースからだったと思います。ヨーロッパの宗教や建築についてほとんど知識も興味も無い私のような人間でもなんとなく存在を知っているノートルダム大聖堂ですから、それが大きく毀損したということに世界の誰もが多かれ少なかれ悲しんでいることでしょう。

 私としては「ヨーロッパの建物は石造り」という先入観が強くて最初は火事が起こること自体が不思議に思えました。まあ鉄筋コンクリートの建物だって火事にはなるわけですから別におかしなことではない、というか当然のことなのかも知れません。そんな程度なので「ノートルダム大聖堂が火災」ということの深刻さが今ひとつピント来ない。では、日本で考えたらどんな事態に相当するのだろう?

 「正倉院が火災に...」それは大変だ!

 「法隆寺が燃えている...」なんてこった!

 「伊勢神宮が灰に...」ええっ!えーっと、それは別に良いんじゃないかな。

いや、もちろん火事があったらそれはそれで大変なのですが、こと伊勢神宮に関して言えば「もう一回造れば良いんじゃない」と言うことになるのでは。

 

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2019.04.18

新入生学部交流会のこと(江頭教授)

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 4月は新年度の始まり、ということでいろいろと新しい事を始める季節です。特に大学に入りたての新入生にとっては何もかも新しい事だらけの時期。大きな期待を胸に新鮮な驚きを感じながら日々を過ごしてもらいたいと思っています。

 しかし、その一方で新しい事、新しい環境には不安もつきものです。特に今までの友達と離れて新しい学校に入学した新入生諸君の不安は期待と同じように大きいものでしょう。

 そう考えてか、本学には「新入生学部交流会」という制度があります。これは4月の入学式早々に新入生が互いに、あるいは先輩たち、教員と交流できるイベントを行う、というものです。要するにイベントの機会を利用して早く友達を作ってください、という企画です。

 具体的な実施内容は各教員がアドバイザーとして対応する少人数のグループ(フレッシャーズゼミ、通称フレゼミ)単位で企画する事になっています。実施方法は各学部、各学科、各アドバイザーで自由に決めることができ、実施にあたっては簡単な食事ができる程度の予算も支給されます。

 この「新入生学部交流会」、我々工学部ではこの三年ほど各学科で2年生が中心となって新入生を歓迎するパーティーを開催することとなっています。

 今年も4月17日、本学の厚生棟という建物にある三つの大きな学生食堂の部屋を借り切って新入生歓迎会を実施しました。

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新入生学部交流会の場をかりて「学部長賞」の授与式も行われました。対象は2年生ですが、1年生後期のグループワークの授業「コーオプ演習Ⅰ」での発表が評価対象です。新一年生も来年、ここで表彰されるように努力して欲しいところです。

 

 

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2019.04.17

「LCA」って何だ?(江頭教授)

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 前回の記事で触れた「環境アセスメント」に続いてもう一つ(私にとって)身近な「アセスメント」という言葉の使用例を紹介しましょう。「ライフサイクルアセスメント」通称LCAについてです。


 本学工学部の特徴の一つ「サステイナブル工学教育」ですが、その中心的な授業は三つ。講義中心の「サステイナブル工学基礎」、演習中心の「サステイナブル工学実習」、そしてグループワーク中心の「サステイナブル工学プロジェクト演習」です。その講義で重要な比重を占めるのがこのLCA。特に「サステイナブル工学実習」ではLCAの演習を行っています。

 「LCA」が何故サステイナブル工学の主要な構成要素であるのか、と言う話はまた別の機会に譲るとして、LCAが何かを説明しなくてはいけません。LCA、つまりLife Cycle Assessment は、われわれの身の回りにある製品やサービスがどの資源をどのくらい使っているか、何をどのくらい環境に放出しているか、を算出する手法のことです。

 Life Cycle と名前がついているのは製品そのもに何が入っているのかではなく、製品が作られる時、あるいは廃棄される時も評価に含めているという点を強調してのことでしょう。


 二つの製品を比較したとき、特に消費者目線で見たとき、「当然こちらが省資源」と思っても意外にも逆の結果になる、というケースがあります。例えば「紙おむつ」と「布おむつ」の比較。紙おむつは使い捨てですが布おむつは再利用可能ですから当然布おむつが省資源の様に思えます。しかし、紙おむつはそのまま廃棄されるのに対して布おむつは毎回洗濯する必要がある。そう考えると洗濯に必要となる「水資源」の重要度によっては紙おむつの方が省資源になることもあるのです。

 

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2019.04.16

「アセスメント」って何だ?(江頭教授)

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 皆さん、アセスメント、という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これを読んでいるあなたが高校生や大学生なら聞いたことがある、という人が多いのではないかと思います。でも私が高校生のころには全く聞いたことがありませんでした。いや、別に「俺も昔はワルでねぇ...」なんて話をしたいわけではありません。私が高校生の頃にはなかった言葉だと言いたいのです。

 アセスメントの由来は英語の Assessment ですが、辞書を調べると「評価」と出ています。こちらはもちろんずっと昔から存在した言葉なのですが、これがカタカナの「アセスメント」になったのはおそらく「環境アセスメント」という言葉の一部として広く用いられる様になったからだと考えられます。「環境アセスメント」とは東京都環境局の説明を引用すれば

環境アセスメント(環境影響評価)とは、大規模な開発事業などを実施する際に、事業者が、あらかじめその事業が環境に与える影響を予測・評価し、その内容について、住民や関係自治体などの意見を聴くとともに専門的立場からその内容を審査することにより、事業の実施において適正な環境配慮がなされるようにするための一連の手続きをいいます。

となります。

 ここでのアセスメントは確かに「評価」なのですが、単に目的に対する評価にとどまらず住民など他の利害関係者に対する影響まで含めた評価だ、という意味まで含んでいるのでしょう。そう考えると「環境評価」では不十分。「環境影響評価」としてもまだニュアンスを伝えきれないので「環境アセスメント」という言葉が使われたのでしょう。

 

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2019.04.15

履修登録のこと(江頭教授)

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 本学の夏学期の授業、今日から第2週間目に入ります。学生諸君もそろそろ落ち着いて、授業にもリズムができてきた頃でしょう。

 さて、小学校から高校まで、学生諸君が度の授業を学ぶかは基本的には学校側が決めていました。選択授業があってもごく一部。それに対して大学の授業では学生諸君による授業の選択の幅が非常に大きくなっています。

 これは大学側からみると、どの学生がどの授業を受けているのかが分からない、という事になります。ですから学生諸君に「自分はこの授業を選択します」と宣言してもらわなくてはならないのです。

 そのための仕組みが「履修登録」です。本学では約1週間の履修登録期間にWEB上で学生が各自の履修する授業を登録することができる様になっています。その期間に体調を崩した人は自宅から登録することも可能です。

 最初の1回は様子見として、2回目以降は履修する科目を決めてきちんと出席する、履修登録はその決意を表明する機会だ、というえば少々大げさでしょうか。

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2019.04.12

桜と雪(江頭教授)

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 東京工科大学の八王子キャンパス、正門横の池のまわりの桜がきれいなのですが、桜の木は他の場所にもあります。写真の桜もその一例。本部棟と図書館等の間にある日本庭園の桜です。

 今年の桜は開花の後に寒い日が多かったので長持ちしていましたが、4月10日の水曜日にはとうとう雨が降ってもうそろそろ桜の季節も終わりかな、などと思っていたら...。

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2019.04.11

大学院博士後期課程のすすめ-3 ハイリスク・ハイリターンな博士後期課程へ進学する覚悟(片桐教授)

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 4月3日の大学院新入生ガイダンスで、博士前期課程(修士課程)進学の学生さんに、博士後期課程(博士課程)進学をおすすめしました。修士課程だけでも2年間余分に大学に行くのに、さらに3年間も行く事をなぜすすめるの?。といわれる方も多いでしょうが、それでも、私は「有能な方」には博士後期課程への進学をすすめます。

 上記の前書きには「有能な方」という制限を付けています。博士後期課程を誰にでも無条件に勧めるのは無責任きわまりないと思います。ハイリターンの影には必ずハイリスクがあります。このBlogではそのあたりを述べます。


 学位を揶揄して、「学士は参加賞、修士は努力賞、博士は一等賞」というそうです。学士号は与えられた課題をこなしていけば、つまり大学の授業や卒研に参加していれば、卒業して取れる。修士号は獲得するために人一倍の努力を必要とする。しかし、博士号は誰もが獲得できるものではない。それなりのセンスと才能を必要とします。博士課程において、努力は必要条件であっても十分条件ではないという事です。厳しい事を申しますが、努力は必ずしも報われません。

 人は残念ながら自分を客観的に評価できません。自信過剰な人も、卑下する人もいます。きっちりと客観的に評価できる人はほとんどいません。前(2019.04.09)に述べたにように大学の教員は、学生の能力目利きのプロです。その専門分野で博士号を取れるかどうかは、あなたの指導教員に聞くのが一番です。
 博士の肩書きを得たとしても、それに見合う実力を身につけられなければ、最悪です。肩書きがあなたの足を引っ張ります。
 自分に不安だった片桐は修士2年の時に、指導教授に「私は博士課程にすすめるでしょうか?」とお伺いを立てました。

 

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2019.04.10

大学院博士後期課程のすすめ-2 企業における博士の価値(片桐教授)

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 4月3日の大学院新入生ガイダンスで、博士前期課程(修士課程)進学の学生さんに、博士後期課程(博士課程)進学をおすすめしました。修士課程だけでも2年間余分に大学に行くのに、さらに3年間も行く事をなぜすすめるの?。といわれる方も多いでしょうが、それでも、私は「有能な方」には博士後期課程への進学をすすめます。


 文科省の資料(http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/giji/__icsFiles/afieldfile/2017/07/24/1386653_05.pdf)では、博士後期課程へ行かれる方のうち、前期課程からすすまれるのは6割、残りの4割は社会人入学者だそうです。また、リクナビ(https://job.rikunabi.com/2020/s/_______29__/)で検索すると、会社から大学院への派遣制度を有する会社は450社くらいあります。多くの会社は一部上場企業で技術を大事にする会社です。

 会社から大学へ派遣される場合、2年間一生懸命大学で研究し、その後会社にもどり、1年間かけて論文を作成するパターンが多いと思います。3年間の課程のうちそれでも2年間は会社の仕事を休むわけですから、そのコストは数千万単位です。会社は福利厚生だけで大学院進学を応援してくれる訳ではありません。また、会社から派遣してもらうと、その会社をやめにくくなる制度があります。従業員に博士号をとらせる事には会社にも数千万以上のメリットがあるという事です。つまり、会社は「博士号」をもつ従業員をもつ事にそれだけの価値を見いだしているという事です。

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2019.04.09

大学院博士後期課程のすすめ-1 博士後期課程は前期課程とまた違います(片桐教授)

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 このブログの以前のシリーズで、「大学院のすすめ」を8回にわたり連載しました。
(2015.6.9, 6.10, 6.11, 2017.10.4, 10.11, 2018.1.2, 1.4, 2019.3.5)
 今回は、さらにもう一歩すすめて、大学院博士後期課程、博士のすすめを3回に分けて掲載します。

 4月3日の大学院新入生ガイダンスで、博士前期課程(修士課程)進学の学生さんに、博士後期課程(博士課程)進学をおすすめしました。修士課程だけでも2年間余分に大学に行くのに、さらに3年間も行く事をなぜすすめるの?。といわれる方も多いでしょうが、それでも、私は「有能な方」には博士後期課程への進学をすすめます。


 前のブログ(2019.3.5)で学位は学術称号という栄誉称号である事を述べました。そして、そのような学位の国内の最高峰が「博士」です。1887年以来、「博士」は一貫して学位として法律により定められています。
 日本の修士号取得者は同世代の約5%です。しかし、イギリスでは約3割、アメリカでは約2割ですから、私の頃の大学進学率程度です。一方、博士は日本で1%程度、英米でも2%程度です。そのため、欧米でも博士は評価されます。

 大学の学士課程において、学士は、先生の与えた課題を、先生の与えた方法で解決できるようになることを目指します。つまり、戦闘能力の獲得を目指します。教員は学生さんを知の最前線に連れて行きます。そこまでの道のりを教えられます。教員は先生であり教育者の役割を果たします。

 

 

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2019.04.08

今日(4月8日)から授業が始まります(江頭教授)

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 東京工科大学八王子キャンパスでは今日(4月8日)から前期の授業が開始されます。これから15週間、キャンパスにまた賑やかな日々が戻ってくることになります。

 私たち応用化学科の新入生の皆さんは入学式から学部ガイダンス、学科ガイダンス、IT講習会と続き、もう授業が始まったように感じているかも知れません。でも本当の授業は今日から。二年生、三年生、そして四年生にもガイダンスがありましたが彼らにとってはすでに勝手知ったる大学の授業、というところでしょうか。

 私の担当する授業では、月曜日1限から2年生対象のサステイナブル工学基礎」の授業がスタートします。

 この「サステイナブル工学基礎」の授業は本学工学部初の全学科合同の授業です。応用化学科2年生の学生さんは機械工学科、電気電子工学科の学生さん達と一緒にこの授業に参加します。総勢約300人が同じ授業を受けるので会場も大きなホールを使う事になりました。
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2019.04.05

東京工科大学入学式 2019(江頭教授)

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4月4日に東京工科大学の入学式が行われました。

 入学式の会場は本学の蒲田キャンパスの地下アリーナです。今回の入学式も卒業式のときと同様、大学のすべての学部の新入生が参加しました。デザイン学部、医療保健学部の新入生は蒲田キャンパスに、メディア学部、コンピュータサイエンス学部、応用生物学部、そしてわれわれの工学部の学生は八王子キャンパスに通うのですが、この入学式と卒業式のときばかりは全学部が一同に会するのです。本学では「入学式は蒲田」「卒業式は八王子」と二つのキャンパスで実施されることになっているので、本学の学生はどちらのキャンパスも一度は訪れる、ということになります。

 新入生が蒲田キャンパスに全員集合しているので、我々教員も全員集合です。工学部の教員もこの日には八王子キャンパスではなく蒲田キャンパスに出勤します。

 さて、入学式は本学の理事長の挨拶からはじまりました。

 

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2019.04.04

春のガイダンス ― 新入生編(江頭教授)

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 春は始まりの季節、本学の工学部応用化学科に入学を決めた皆さんも昨日4月1日から八王子キャンパスに来はじめています。初日は入学手続き、2日にはノートPCセットアップの講習会などがありましたが、今日4月3日は学部でガイダンスが行われました。

 学部長の挨拶からスタートしたガイダンス、一番ボリュームがあるのは教務委員長のよる履修関係のガイダンスです。

 大学を卒業するには所定の単位を取得する必要があります。

「単位?単位って何の単位?」

 単位を取得するには授業をうけて試験に合格する必要があります。

「あっ、授業をうけるともらえるんだ。」

 授業を受けるためには時間割を決めて履修登録をする必要があります。

「えっ?履修登録ってなに?時間割は決まってないの?授業は選択できるものもあるそうだけど、どうやって決めたら良いんだろう...。」

たっぷり時間をかけてこの辺りを説明します。

 そのあともガイダンスは盛りだくさん。学生生活のこと、インターネットのリテラシー、本学のハラスメント対策など。それに海外研修プログラム、資格試験の情報、そして大学院の勧めなど。

 たくさんの情報に最初は戸惑うこともあるかも知れませんが、まずは授業のスタートに乗り遅れないこと。そして追々慣れていってもらえば良い、という所でしょうか。

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 写真の様にガイダンスで既に表彰される1年生も。

 これは「入学前準備学習」の優秀者表彰。「入学前準備学習」についてはまたいずれご紹介しましょう。

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2019.04.03

春のガイダンス ― 在学生編(江頭教授)

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 2019年3月20日の卒業式が終わるとだんだん新年度の始まりが気になり出します。その新年度の気分を一気に盛り上げてくれるイベントが在校生向けのガイダンス。われわれ工学部は今年は3月28日がガイダンスの日となりました。もちろん、他の学部もガイダンスを行うのですが八王子キャンパスでは学部毎に日程をずらして実施しています。

 今年も1年生、というか新2年生、それに新3年生、新4年生に向けたガイダンスを行いました。もちろん内容は学科毎に異なります。工学部は3学科なので3学年×3学科、合計9会場でのガイダンス、はさすがに無理なので学年毎に時間をずらして1日で3回のガイダンスをこなすことになります。

 「入学時はともかく、大学でガイダンスなんか必要なの?」

 はい、必要です。本学に固有の「コーオプ教育」や大学院進学のための情報、珍しいところでは大学がライセンスを導入しているソフトChemDrawやSciFinderのアップデートなど、在学生にも必要な情報を一気にまとめて伝達する、ガイダンスはそのための絶好の機会です。

 

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2019.04.02

卒業記念パーティでの閉会の辞(片桐教授)

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(本記事は3月22日に掲載が予定されていたものです。)

2019年3月20日の工学部卒業記念パーティの閉会の辞を頼まれました。
 本来は15:30頃に閉会の予定でしたが、15:00には食べ物もなくなり、もう締めましょう。閉会の辞は簡単に短くと言われてしまい、せっかく準備した原稿を半分も読めませんでした。残念なので、このブログで準備した原稿を公開します。

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卒業記念パーティでの閉会の辞

 みなさん本日はご卒業おめでとうございます。

 ギリギリだった人も、余裕で単位をそろえた人も、皆さんは「学士」の学位を手に入れました。
 学位は日本の法律、学校教育基本法で定められています。学士の学位が学位になったのは1991年で、それ以前の学士は学位ではありませんでした。そのため、私の大学の卒業証書は「学士試験合格証書」であり、「学位記」ではありません。皆さんの学士は学位です。よかったですね。

 学位は学術称号のひとつで一種の栄誉称号ですが、それ自身に価値はありません。その学位により保証される、皆さんの能力や実力に価値があることを忘れないでください。本当に価値があるものは、この東京工科大学工学部であなたが時間と労力をかけて獲得したものです。
 学位は皆さんの矜持です。プライドです。この矜持を保ち、学士の学位に恥じない人生をお送りください。

 人生はハイリスク・ハイリターンです。社会に出る人も、大学院でさらに自らに能力をつけようとする人も、人生の中でこれから何回も人生の転機を迎えるでしょう。その転機がチャンスかピンチかは飛び込んでみなければわかりません。

 

 

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2019.04.01

今日から新学期(江頭教授)

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 今日は4月1日、2019年度が始まります。応用化学科も設立から5年目に入ることになりました。

 大学は4年で卒業する、ということは皆さんご存じだと思います。ですから大学では5年目ということは新しい年度が始まる、という意味もありますが、新しい4年間が始まる、ということも意味しているのです。

 象徴的なのはカリキュラム。大学4年間のカリキュラムは1年生として入学した時に4年分がすでに決まっていますから一度決めたカリキュラムは4年間は変更しないことになっています。とはいえカリキュラムも改善、変更が必要ですから4年が過ぎた段階、5年目から新しいカリキュラムに変更します。われわれ応用化学科では今年度の1年生から新しい2019年カリキュラムが適用されます。(実際にはそれほど大きな変更はありませんが。)もちろん、2年生以上の学生のカリキュラムを今から変更することはできませんから2015年のカリキュラムと2019年のカリキュラムが平行して実施されることとなります。

 さて、こんな節目の4月1日、なにか式とかイベントがありそうなところですが...

 

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