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大学院博士後期課程のすすめ-1 博士後期課程は前期課程とまた違います(片桐教授)

| 投稿者: tut_staff

 

 このブログの以前のシリーズで、「大学院のすすめ」を8回にわたり連載しました。
(2015.6.9, 6.10, 6.11, 2017.10.4, 10.11, 2018.1.2, 1.4, 2019.3.5)
 今回は、さらにもう一歩すすめて、大学院博士後期課程、博士のすすめを3回に分けて掲載します。

 4月3日の大学院新入生ガイダンスで、博士前期課程(修士課程)進学の学生さんに、博士後期課程(博士課程)進学をおすすめしました。修士課程だけでも2年間余分に大学に行くのに、さらに3年間も行く事をなぜすすめるの?。といわれる方も多いでしょうが、それでも、私は「有能な方」には博士後期課程への進学をすすめます。


 前のブログ(2019.3.5)で学位は学術称号という栄誉称号である事を述べました。そして、そのような学位の国内の最高峰が「博士」です。1887年以来、「博士」は一貫して学位として法律により定められています。
 日本の修士号取得者は同世代の約5%です。しかし、イギリスでは約3割、アメリカでは約2割ですから、私の頃の大学進学率程度です。一方、博士は日本で1%程度、英米でも2%程度です。そのため、欧米でも博士は評価されます。

 大学の学士課程において、学士は、先生の与えた課題を、先生の与えた方法で解決できるようになることを目指します。つまり、戦闘能力の獲得を目指します。教員は学生さんを知の最前線に連れて行きます。そこまでの道のりを教えられます。教員は先生であり教育者の役割を果たします。

 

 

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 しかし、修士課程になればその知の最前線を広げる研究に着手します。修士は、先生の与えた課題を自分で解決できるようになることを目指します。つまり、戦術立案能力の獲得をめざします。教員は神様ではないので、人類の知の最前線の外側を教える事はできません。正しく広げるその広げ方を指導します。教員は指導者、助言者、メンターの役を果たします。

 そして、博士になれば、自分で課題を見いだし、自分で解決できるようになることを目指します。研究の目的も意義もゴールも自分で立てなければなりません。戦略立案能力の獲得ですね。この能力は個人差の大きなものです。そして、学生さんたちは未来に生きる人間ですから、旧型の先生には指導も難しくなります。しかし、教員は評価できます。教員の指導内容はその学生さんの研究を評価し、その評価を伝える事になります。教員の役割は評価者、ジャッジ、目利きです。彼が教員と同じ「博士」に値するかどうかを評価します。

 したがって、博士号には「課程博士」制度の他に「論文博士」制度があります。論文博士制度ではその人が博士に値するかどうかを判定します。一方、修士には評価だけの「論文修士」はありません。

 このように博士後期課程は前期課程(修士課程)とは大きく異なります。

片桐 利真

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