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「LCA」って何だ?(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 前回の記事で触れた「環境アセスメント」に続いてもう一つ(私にとって)身近な「アセスメント」という言葉の使用例を紹介しましょう。「ライフサイクルアセスメント」通称LCAについてです。


 本学工学部の特徴の一つ「サステイナブル工学教育」ですが、その中心的な授業は三つ。講義中心の「サステイナブル工学基礎」、演習中心の「サステイナブル工学実習」、そしてグループワーク中心の「サステイナブル工学プロジェクト演習」です。その講義で重要な比重を占めるのがこのLCA。特に「サステイナブル工学実習」ではLCAの演習を行っています。

 「LCA」が何故サステイナブル工学の主要な構成要素であるのか、と言う話はまた別の機会に譲るとして、LCAが何かを説明しなくてはいけません。LCA、つまりLife Cycle Assessment は、われわれの身の回りにある製品やサービスがどの資源をどのくらい使っているか、何をどのくらい環境に放出しているか、を算出する手法のことです。

 Life Cycle と名前がついているのは製品そのもに何が入っているのかではなく、製品が作られる時、あるいは廃棄される時も評価に含めているという点を強調してのことでしょう。


 二つの製品を比較したとき、特に消費者目線で見たとき、「当然こちらが省資源」と思っても意外にも逆の結果になる、というケースがあります。例えば「紙おむつ」と「布おむつ」の比較。紙おむつは使い捨てですが布おむつは再利用可能ですから当然布おむつが省資源の様に思えます。しかし、紙おむつはそのまま廃棄されるのに対して布おむつは毎回洗濯する必要がある。そう考えると洗濯に必要となる「水資源」の重要度によっては紙おむつの方が省資源になることもあるのです。

 

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 その点を理解してもらいたい、という思いが「Life Cycle」を強調した命名、「LCA」に結実しているのだろうと想像しますが、とはいえ「LCA」で何を計算しているかと言えば資源の消費量であり環境への排出物質の量なのです。

 なので「LCA」というこの名称、やっぱり何のAssessment なのかよく分からないという欠点もある様に思います。前回のブログ記事で触れた「環境アセスメント」と同じ意味での「アセスメント」だ、とすれば意味が分かりやすいのですが、単純にAssessment を「評価」とみなしてしまうと Life Cycle での評価ならなんでも有りだ、ということになるでしょう。Assessment のオリジナルの訳語から「査定」と訳したとしたら「ライフサイクル査定」、ある製品が作られることによって消費税から何から、トータルでいくらの税金が取れるのか、という意味になるかも知れませんね。(それはそれで意味のある指標の様な気もしますが...。)

 

江頭 靖幸

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