平成の海外観光旅行(江頭教授)
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平成から礼和へ。元号がかわるゴールデンウィークは
世は正に大連休時代!
な訳です。この機会に海外に観光に行く人たちも多いと思いますが、今回はその海外旅行についての雑感を。
海外旅行に行く、という視点からすると平成の30年間は最も海外での観光旅行が楽しめた期間なのではないかと思います。平成前半は昭和の高度経済成長で儲けたお金をどのように使うか、人々が試行錯誤していた時期で、海外旅行は誰もがその対象として一度は考えたものでしょう。つまり、海外旅行に行くお金と時間の余裕ができたということが一つ。
もう一つのポイントは世界の国々に実際に旅行することができるようになったということ。平成の始まりと同時期に冷戦が終結し、ほぼ世界中の国に旅行に行くことが可能になりました。冷戦終結後の中国をはじめとするアジア諸国の経済発展の影響も大きい。これらの国々は単に旅行に行けるというだけではなく、観光旅行の対象地として魅力的な場所へと成長していったのでした。
ところが平成が終わりに近づくにつれてこの二つの条件が崩れてきた様に思えます。
平成初期にはバブル崩壊と言いつつ、実際の生活は豊かさを増していた時期がありましたが、やがて不景気のせいなのか節約志向の影響なのか、あるいは相次ぐ災害が原因なのか、平成の後半には質素倹約が世の気風となって自分達が行く側の海外旅行の人気は頭打ち、観光旅行と言えば海外の人を受け入れるものとなった様です。
さらに世界の状況も変化してきました。制度的に入国できない国が増えたわけではありませんが、テロの影響によって観光旅行で遊びに行くのがはばかられる国が増えてきたのではないでしょうか。
さて、平成から令和になって、海外への観光旅行は再び盛り上がるのでしょうか。
これについて、私自身は信頼に足る予測ができるほどの知識はありません。しかし、以前ほど海外への観光旅行が盛り上がる条件が整うことはありそうも無いことに思えます。誰もが海外旅行に行く、ということではなくて行きたい人が行きたいところに行く、という自然体の観光旅行がそれなりに盛り上がっている、という状況が続くのではないでしょうか。
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