日本の温室効果ガスの排出量(2017年度版)(江頭教授)
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最大の環境問題である地球温暖化、その原因物質である二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスはだれがどのくらい出しているのでしょうか。温室効果ガス削減のための基本的な指標となるこのデータ、日本国内での発生量については温室効果ガスインベントリオフィス(GIO)がとりまとめて毎年発表しています。最新版はこの4月に発表された2017年度のデータ。少しタイムラグがあり、一昨年度のデータを昨年度のうちに整理して今年度発表する、というながれになっています。
さて、実はこの記事、昨年もほぼ同じ書き出しで書いた「日本の温室効果ガスの排出量(2016年度版)」のアップデート版です。で、今回の結果は
2017年度の温室効果ガスの総排出量は12億9,200万トン(二酸化炭素(CO2)換算)で、前年度比1.2%減(2013年度比8.4%減、2005年度比6.5%減)でした。
となっています。2014年度から4年連続の減少で、2008年のリーマンショックの影響を受けた2009年とならぶ低い値となっています。2011年の東日本大震災とそれにつづく原子力発電所の停止によって化石燃料による発電に回帰せざるを得なかった状況に対して、それでも温室効果ガスが減少するという状況は継続的に社会が変化していることを示している思われます。
発表資料では温室効果ガスの減少は
太陽光発電・風力発電等の再生可能エネルギーの導入拡大や原子力発電所の再稼働等によるエネルギーの国内供給量に占める非化石燃料の割合の増加等のため、エネルギー起源のCO2排出量が減少したこと等が挙げられます。
と分析されています。
資源エネルギー庁が公表している「平成29年度(2017年度)エネルギー需給実績」には
最終エネルギー消費は、前年度比0.9%増で東日本大震災以降初の増加。電力は同1.5%増。
とある一方で
エネルギー起源CO2排出量は、前年度比1.6%減と4年連続減少し、2013年度比10.1%減。
とあります。2017年度は厳冬の影響や景気の回復によってエネルギーの需要自体は増えました。2016年度はエネルギー需要は減少していたのでこの点では前年度より悪化しています。ですが、非化石エネルギーの導入がその効果を上回り、トータルでは温室効果ガスの削減につながったのです。
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