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2019年9月

2019.09.30

四季のあるのはやっぱり良いですね(江頭教授)

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 「季節の変わり目、体調に気をつけください。」

とは今の時期の天気予報の常套句ですが本当にその通り。暑かったり寒かったり、どんな格好をすればよいかわからないくらいですね。

 さて、日本は四季のある国なので夏は暑く冬は寒い。夏の暑さは過酷ですし、冬の寒さにも備える必要があります。冷房も暖房も必要ということなので費用はかさみます。どうせなら暑いまんま、寒いまんまのほうがよかったのに。

 例えばドイツやフランスなど、ヨーロッパ先進国は比較的高い緯度にあって寒冷な気候ですから、暖房は必要ですが冷房のニーズは低い。エネルギー利用の観点からはこちらの方がずっと効率的です。これらの国で排熱エネルギーの有効利用が進んでいるのも納得できるところ。それに比べて日本では冷房と暖房の両方のニーズにこたえなければならないので効率的なシステムを考えるのは大変です。

 そう考えると日本はめぐまれていないなぁ、などと思っていたら…

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2019.09.27

M1就職ガイダンスでの「お話し」(片桐教授)

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 2019年9月20日にM1就職ガイダンスが行なわれました。大学院生の就職活動のガイダンスです。
 研究科長としてあいさつをいたしました。私の前に梶原先生が格調の高いお話をされたので、同じように重ねても学生さんには面白くないだろうと思い、用意した原稿の内容をぶっちゃけた形であいさつに代えました。
以下に当初準備したあいさつの原稿を掲載します。実際はもっとラフなあいさつになってしまいました。

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就職ガイダンスのあいさつ(5分)

 就職活動に臨まれる皆様へ、30年前に就職した片桐からのアドバイスです。

 これからまっとうな就職活動のお話を聞くことになるのですが、大学院の就職は、大学の主食とは異なる別ルートもあります。
 具体的には教員へ個人的に学生の斡旋をお願いされるケース、俗に一本釣りと言われます。もうひとつは学会などで目を付けられ、引っ張られるケースです。

 私は一本釣りで最初の就職をしました。博士課程修了時にいろいろあって、ポスドクになり、その後29歳のときに会社員になりました。29歳の新入社員です。新入社員の中には高卒の人もいたので、干支が一回り違う人と一緒に入社式に臨みました。
 私のころ、博士出の学生の就職は「教授の言いなり」でした。就職先の決定権は教授にありました。私の師匠の丸山教授はそのような旧世代教授のボス教授でした。
 ある日、教授に「片桐君、夕飯を食べにいこう」と誘われました。もちろん拒否権はありません。「お伴します」、で大学の建物を出ると、ハイヤーが待っていました。
 つれられていったのは、京都祇園石部小路の料亭です。そこで、就職先の会社の研究担当重役と研究所長と副所長との夕食を取りました。後で聞いたら、一見さんお断りの店で、京セラの稲盛会長がよく食べにくるような店でした。
 その次の日の朝、また教授室に呼びつけられ、「昨日はおいしかったねえ。片桐君、明日、東京の本社に行って面接を受けたまえ。」で就職が決まりました。私は自分が会社員になる様を想像できなくて不安でしたが、教授は一言「片桐君なら会社員を勤められる」といわれ「はあ、そうですか」で決まってしまいました。
 だから、学生さんは教員の先生と密にコミュニケーションをとり、仲良くなっておかなくちゃ、損です。


 私が大学教員になってから、所属していた研究室の学生さんの場合では、アメリカで行なわれた国際学会において一生懸命に英語で自分の仕事を説明していたら、某社の研究担当重役の目に留り、まず、その場にいた私に彼の人物像を聞かれました。「彼ってどんな学生?」

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2019.09.26

ただいま国際学会参加中(江頭教授)

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 私(江頭)がこのブログを書いているのは9月26日の早朝です。今現在、私は国際学会に参加するために出張中です。

 えっ、また海外出張?

 いえいえ、国際学会とは言っても国内で行われている学会です。場所は写真の札幌コンベンションセンター。もちろん、名前のとおり北海道は札幌にある会場で行われている国際会議です。

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 会議の名称は”18th Asian Pacific Confederation of Chemical Engineering Congress”。通称”APCChE(アプチェ)” と呼ばれているアジア太平洋の化学工学会議の2019年版です。毎年、Asian Pacific のいろいろな場所で開催されてすでに18回目。今回は日本の札幌となりました。

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 コンベンションセンターにはいくつものホールがあり、各テーマにわかれて10以上の会場で発表と討論が行われています。なかでも一番大きいポスター発表の会場はこんな感じ。まだ開場まもないので人影もまばらですが発表の時間のなるとたくさんの人でごった返すことになります。

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 では実際の発表の様子は...

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2019.09.25

大学院秋入学式での祝辞(片桐教授)

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 2019年9月20日に大学院秋入学式が行なわれました。
 研究科長として祝辞を述べました。以下に掲載します。皆様の大学院生活が実り多く充実することを心からお祈りいたします。

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秋入学 M1入学式祝辞

 みなさん。大学院への進学、おめでとうございます。
 でも、周りから「おめでとう」、「おめでとう」、といわれても、ご本人がおめでたくなってはいけません。修士課程、博士前期課程はたったの2年間です。早期卒業制度を利用して進学した方はたったの1年半です。これまでの大学生活を振り返ってください。この短い期間で修士として相応の能力や実力を身に着けなければいけません。自分を十分に育て鍛えることができるでしょうか。時間的な猶予はありません。初っ端から正念場です。

 今日の日本では、同じ世代のおおよそ5%が大学院へ進学しています。つまり、皆さんは1/20の知的エリートへのスタートラインについたということです。これからの短い期間で20人にひとりの知的エリートであると世間から認められるだけの実力を身につけてください。
 これからの1年半は地獄のような忙しい日々になります。しかし、「極楽は飽きる、地獄は慣れる」とも申します。できるだけ早くこの忙しさに慣れてください。

 実質、この1年で研究成果を出さなければ間に合いません。学会発表はマストです。就職活動もすぐにはじまります。研究室の後輩は言うことを聞きません。先生は次々と無理難題を吹っかけてきます。講義もたくさん受けて、単位をとらなければなりません。まったくもって大変です。
 あれもこれもと、やらなければならないことは山積みです。しかも〆切は容赦なく追いかけてきます。このような修羅場を皆さんはきりぬけなければなりません。

 切り抜けるためには時間を上手につかうしかありません。タイムマネジメントですね。すなわち、時間管理は人の上に立つ知的エリートの必須技能です。人の上に立つ者は、自分はもちろん部下のタイムマネジメントもできなくてはなりません。


 私のタイムマネジメントの指針は3つです。

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2019.09.24

22台いる! スクールバス勢揃い? -2(片桐教授)

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 2019年9月20日の朝、本日も本部棟前にスクールバスが多数止まっていた。全部で19台であった。

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 新記録である。2019.7.19のブログに16台見かけたと報告したが、そのときよりも3台多い。大学のWeb Pageには21台と記載されていたから、「あと2台だな」と思っていたら、片研の東ウイングの前にもバスが止まっていた、その数3台。あれっ19 + 3 = 22じゃないか。「22台いる!」と思わず叫んでしまった。

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2019.09.23

本日(9月23日)から後期授業が始まります。(江頭教授)

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 本日(9月23日 月曜日)から後期授業が始まります。夏休みも終わり、15回の授業と期末試験の新しい学期が始まるのです。

 えっ、今頃?と思っている高校生の皆さん、大学の授業は前期と後期の2期制なので「夏休み」が終わって授業が始まったのではなく、「秋休み」が終わって授業が始まったのだと思ってください。

 前期、後期ともに15回の講義と1回の試験、全部で16週間で一学期となります。前期と後期を合わせて32週間ですから、その間の休みは全部で20週間、春と秋に平均10週間の休みがある計算です(実際は学期中のお休みなどがありますから、そこまでまとまった休みにはなりませんが。)

 1学期の授業の終わりは7月29日、試験も終わり「秋休み」が始まったのが8月6日ですから、6週間半くらいの休みだった、ということになります。

 

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2019.09.20

減量、減量、また減量(江頭教授)

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 いや、もう大変だったんですから。でもこれも良い経験ですよ。自分にとって本当に必要なものはなにか、そんな事を真剣に考える機会が人間には、必要なんじゃないかなぁ。

 何の話かって?オーストラリアへの出張のお話です。このシリーズもそろそろ終わり。今回は帰路の飛行機にまつわるお話です。

 私が今回いた最後のフィールドはオーストラリアのパースを起点として約1000kmのドライブで到着という奥地です。ここから車で帰るメンバーもいたのですが一足先に帰国しようとSkippersという航空会社のLenora-Perth便を使う事にしました。Skippersはオーストラリアの内陸部への小型の飛行機を運用している会社です。定期航路の他にチャーター便も扱っていますが、良く依頼されるチャーター便を定期便にしている、とさえ思える節があります。

 我々のフィールドの最寄りの町、Leonoraは鉱山関係の人たちが働いていてPerthとの行き来に航空機を使う、というニーズがあるようです。もちろん、そんなに大人数が利用するわけではありませんから週3便の運行。機体も図のようなプロペラ機です。

 でも、Lenora-Perth間を2時間で移動できるとはありがたい。そう思って予約を取り、e-Ticketを印刷して現地へ 。準備万端、と思ったのですが、そのe-Ticketに「手荷物含めて荷物は15kg以内」という恐ろしい文言があることに、なんと現地で気がついたのです。なっ、何だってー!

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2019.09.19

「maps.me」は便利な地図ソフト(江頭教授)

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 オーストラリアへの調査旅行、今回は私達がFieldで利用している「maps.me」というソフトの紹介です。

 国内国外を問わず初めての土地に行くと戸惑うこともたくさんあります。少しでも有効に時間を使いたい出張調査の場合、道に迷ってあっちをうろうろ、こっちをうろうろ、などという事態は絶対に避けたいところ。そこで力を発揮するのが「maps.me」です。

 なんとこのソフト、地図を表示するだけでなくGPS機能を使って自分が今いる位置を地図上に表示してくれるのです。そして目的地を指定するとその場所までの最短ルートを検索してくれます。もちろん、幾何学的な最短 ではありません。地図情報に基づいて実際に走行可能なルートを見つけ出します。そしてなななんと、その場所への道案内までしてくれます。

 えっ?GoogleMapと同じでは?

 それはそうですね。でも一つ大きな違いがあります。この「maps.me」の地図情報は事前にダウンロードしたものが使用されています。このため「 maps.me」はインターネット接続ができない場所でも利用可能なのです。我々が調査対象としているフィールドでは必ずしも携帯がつながってネットと接続できるわけではありません。GPSは使えるがネットはつながらない、という状況が当たり前なのです。この条件では「maps.me」 のメリットは 大きいわけですね。(もっとも、最近GoogleMpaでも地図情報をダウンロード可能になっていることに気がつきました。とはいえGoogleMpa の基本設計は常にネットとつながっていることが前提だと思います。)

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2019.09.18

なぜ農場に木を植えるのか(江頭教授)

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 オーストラリアへの出張のお話を続けましょう。前回、農場の中に造った植林サイトのドローンによる映像を紹介したので、今回はそもそも「なぜ農場に木を植えるのか」について解説したいと思います。

 まず、下の画像は件の植林サイトのGoogleEarthによる映像です。写真中、道路が左下から右上に通っているのが分かると思います。私達の植林サイトはこの道の図中で下側(南側)の中央付近に造られています。(GoogleEarthにはまだ反映されていません。)

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 この植林サイトの道路をと横切って上側(北側)に写真で色が変わって見える場所が見えると思います。この場所の状況が下の写真です。

 

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植林サイトから道路に向かってやや傾斜があり、その谷間がこの写真の場所です。水が集まっているのですが同時に塩害も起こっていて木が枯れしまったのです。

 農場のなかの高度が低い部分に塩水がたまりはじめて塩害が起こる、しかもその塩湖が大きくなる傾向がある、という現象はこの西オーストラリアでは大きな問題となっています。

 低い場所に水が集まるのは分かるとして塩はどこから来るのでしょうか。この現象はオーストラリアが開拓されたとき森林を伐採して農場に作り替えたことが原因だと言われています。

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2019.09.17

植林サイトをドローンで観察(江頭教授)

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 今回もオーストラリア出張でのお話。今回は預け入れ荷物で引っかかったドローンを使った時の話です。

 まずは目視でドローンを飛ばしながら適当な風景をパチリ。植林された樹木が列になっている様子がよく分かります。植林してから2年と少し。ユーカリの木がだんだん育っていることが実感できます。

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 さて、このような少し上空からみた風景、その場で目視する風景から想像はできるのですが、ドローンを使えばちゃんと写真として共有することができる。やはりドローンは便利な道具だと思います。

 そして、ドローンのもう一つの使い方は我々が普段見ることのできない高度からの映像だと思います。我々の植林サイトをより高いところから見たらどう見えるのだろう?高度100mからの映像がこちらです。

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2019.09.16

本来、日曜日はお休みですが…(江頭教授)

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 オーストラリアへの調査旅行、今回はオーストラリアの街の様子について紹介しましょう。

 調査地の農場の最寄りの町(村?)、Wickepinの付近には良い宿泊先がないので近郊のNarroginという街に滞在して、そこからフィールドに通っています。パースとは比べものになりませんが、ハードウェアーショップや電気店、自動車修理工場などもあってフィールドで困った時によく助けられています。滞在中の食事もこの街のレストランを利用できますし、スパーマーケットで買い物をして朝ご飯は宿で済ますこともしばしば。昼食用のサンドイッチもここのパン屋さんで買ってフィールドに出る生活です。

 とはいえ都会とは違います。問題は店の閉まる時間が早いこと。現地で作業をして日暮れまでにはこの街まで帰ってくるのですが、それが大体5時半から6時くらいです。 (オーストラリは今は冬です。)このぐらいでほとんどの店は閉まってしまいます。もっとも、スパーマーケットはなんとか開いていますし、レストランももちろん開いています。

 ところが日曜日はいけない。スパーマーケットも閉まっているうえ、ほとんどのレストランも営業していません。やっているのは一部のファーストフードのお店程度。本来、日曜日はお休みですが、これは旅行者には厳しい状況です。

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2019.09.13

オーストラリアは今は冬、のはずですが…(江頭教授)

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 オーストラリアへの調査旅行のお話。今回は現地の天気についてです。

 オーストラリアは南半球にありますから、日本とは季節が逆転しています。前回2月の出張ではオーストラリアは夏の終わり頃。それなのに、こちらの記事に書いたように猛烈な暑さに悩まされました。でも、今回の出張は夏の日本から冬のオーストラリアへ。暑い日本を抜け出して涼しいオーストラリアに行くことを考えて少しウキウキしていました。

 確かにオーストラリアは涼しい。特に夜の冷え込みは激しいものがあります。私達の調査対象地があるウィッケピン( Wickepin )という街は完全な平地で付近に山一つありません。2階建て以上の建物もほとんど無い状態ですから、晴れた夜の放射冷却であっという間に気温は下がります。

 逆もまた然りでして、昼はどんどん気温があがります。ですから、朝は「さむいさむい」と言いながらフィールドにでるのですが、昼には少し暑く感じる、夕方にはほどよい感じ、というのがこちらの一日となります。

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2019.09.12

樹木の二酸化炭素固定量はどうやって測定するのか?(江頭教授)

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 今回もオーストラリア出張でのお話。今回はフィールドで木を切り倒した話を紹介しましょう。

 今回に出張の大きな目的の一つがこの「伐倒調査」でした。チェンソーで木を切り倒して枝と幹をバラバラに。枝から葉を一つ残らず引きちぎって…、動物で考えれば猟奇的な行為ですが樹木が固定している二酸化炭素の量を測るためは必要な作業なのです。

 皆さんは「一本の木を植えれば○○kgの二酸化炭素を大気中から取り除くことができます」とか「この森には○○トンの二酸化炭素が固定されています」と言った話を聞いたことはありませんか?でもどうやってその量を測ったのでしょうか。

 手に乗るような小さなものなら重さを量って組成を分析すれば炭素の含有量を決定できます。これに44/12を掛ければ固定されている二酸化炭素量を求めることができます。一方、量が多くても均一なものなら一部をサンプリングして同様の手順で二酸化炭素量を決定できるでしょう。

 でも森や木についてはどうすれば良いのでしょうか。

 木を切り倒して全部の重量を量る。単純ですが最後はこれしかないでしょう。実際、伐倒調査では切り倒した木をバラバラにして吊りはかりで重さを求めました。結構大変な作業ですが、これだけで終わりではありません。

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2019.09.11

牧場?キャノーラ畑?(江頭教授)

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 オーストラリアへの調査旅行の話が続いていますが、今回はとうとうオーストラリアに到着です。この出張では大きく2カ所の試験地をまわりますが、まずは一カ所目。西オーストラリアのWickepinという町の近くの農場です。

 農場の風景はこんな感じ。

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 写っているのは羊です。農場で牧草を育てて羊を飼い、毛を刈り取って出荷するというのが農場の商売だというわけですよね。

 実はこの農場、以前にこちらのブログ記事で紹介した場所で、そのときの風景はこんな感じ。

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一面黄色のキャノーラ畑なのですが、いつから牧場に?キャノーラはやめてしまったのでしょうか。

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2019.09.10

成田空港で預け入れ荷物をチェックされたはなし(江頭教授)

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  前回に引き続き、オーストラリアへの出張で経験したことについて紹介しましょう。

 オーストラリアに出張と言っても実は今回も出張まえのお話。前回のETA問題が解決して空港のラウンジに入ったところで呼び出しのアナウンスが。あれっ?自分に呼び出しがかかっている。やっぱりETAに問題があるのかな、などと思いながら窓口へ。

 「荷物に問題がある」そうで、「出発のゲートに行ってください。」と言われました。一体何だろう?「バッテリーが荷物に入っているそうです。」

 飛行機ではある程度の容量以上のリチウムイオン電池などは預け入れ荷物に入れることはできません。エネルギーをパンパンに貯め込んだ蓄電池が何かの拍子に暴走したら発火して火事の原因にもなり得るわけですからね。そのことは知っていたのでPC用のバッテリーパックはちゃんと機内持ち込みの手荷物に入れておきました。(バッテリーの手荷物での機内持ち込みはやや制限が緩いのです。手元ですぐに対処できるからでしょうか。)それにしても何が引っかかったんだろう。計測機器も一部持ってきていますが普通の乾電池駆動のものしかないはずだけど…。
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2019.09.09

オーストラリアへの渡航にはETAが必要です(江頭教授)

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 私は今(2019年9月9日現在)オーストラリアに出張中です。今回はこの出張で経験したことについて少し紹介しましょう。

 海外出張ですからまずは空港に。出国の手続きのまえに航空会社(今回はANAです)のチェックインカウンターで手続きをして荷物を預けます。このとき、「ETAは大丈夫ですか?」と聞かれて「もちろん。」と答えます。

 そも、ETAとはなんでしようか。「オーストラリアへの渡航許可」のことで昔は大使館から紙の書類を発行してもらっていましたが今は電子化されていてElectronic Travel Authority、略して「ETA」と呼ばれています。以下の図の様に、ネット経由でのオンライン申請もできて有効期限は1年。私の場合は今年の2月にもオーストラリアに来ていますからそのときETAを取得しています。当時のETAは当然いまも有効…あれっ?今年の2月もそんな事考えてなかったっけ?もしかして、2月にはオンライン申請していないのでは?

 不安になってANAのカウンターの人に「確認してもらえませんか?」と聞いてみると端末を見ながら次第に険しい表情に。

 「少々お待ちください…」えぇー?

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2019.09.06

ガソリン車は電気自動車はよりクリーンではないのか(江頭教授)

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 前回に引き続いて電気自動車とガソリン車の比較です。「クリーン」の解釈は今回も温暖化に注目して、「ガソリン車 は電気自動車よりCO2排出量が多いか」とします。前回は「化石燃料をエネルギー源とした場合」としましたが、今回はこの制限を取り払って考えてみましょう。

 電気自動車は走行時にはCO2を排出しませんが、これに対してガソリン車は走行時にCO2を排出します。走行時だけをみればガソリン車は電気自動車はよりクリーンではないのですが、システムをトータルでみると、あるいはライフサイクル思考を前提とすると、これだけでは判断できないことがわかります。

 極端な比較としてガソリン車をバイオマス由来の燃料で、電気自動車を化石資源由来の電気で動かしたとするとガソリン車から排出されるCO2はバイオマス成長時に吸収されたCO2とつり合う(オフセットされる)ので、ガソリン車がCO2フリー、一方で電気自動車がCO2を排出する、という状況も考えられます。

 

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2019.09.05

電気自動車はガソリン車よりクリーンなのか(江頭教授)

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 まずは前回と同様、「電気自動車はガソリン車よりクリーンなのか」と問うなら、まずクリーンとはどういうことかを明らかにする必要がありますよね。クリーンということが窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)を出さない、ということなら「YES」ですが、今回は温暖化に注目して、「電気自動車はガソリン車よりCO2排出量が少ないか」と言い換えることにしましょう。これでも問いとしてはあいまいなので、もっと限定的に「化石燃料をエネルギー源とした場合」とします。要するに石油を出発点として自動車が走るという結果を得るとして、自動車と電気自動車のどちらが効率的なシステムなのか、という問いに言い換えることができるでしょう。

 いつものことですが答えは「ケースバイケースです」となりますが、まずは現在のガソリン自動車のシステムとくらべて電気自動車のシステムのどこにメリットがあるのか、と考えてみたいと思います。

 ガソリン車の基本部品はエンジンで、ガソリンが燃焼するときに放出されるエネルギーを直接運動に変えています。つまり、

化学エネルギー → 運動エネルギー

の1段階の変換システムです。

 一方、電気自動車の基本部品はモーターで電気を運動に変える。化石燃料がエネルギー源だとすると電気自動車は化石燃料から電力へ変換する発電所ももう一つの必須要素だといえます。そう考えると、

化学エネルギー → 電気エネルギー → 運動エネルギー

となり、電気自動車は2段階のエネルギー変換を必要とするシステムです。より正確にはバッテリーでのエネルギー変換も考えて、

化学エネルギー → 電気エネルギー → 化学エネルギー → 電気エネルギー → 運動エネルギー

という充電と放電を加えた4段階のシステムというべきかもしれません。

 一般的にはエネルギーの変換にはロスがつきものですから、変換の段階の数を少ない方が効率的なシステムになると期待できます。そう考えるとガソリン車の方が効率的で結果としてクリーン、ということになりそうです。

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2019.09.04

電気自動車はクリーンなのか(江頭教授)

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 電気自動車はクリーンだ、というイメージを多くの人が持っている、と言ってもそれほど異論は出ないのではないでしょうか。とは言え、「電気自動車はクリーンなのか」と問うなら、まずクリーンとはどういうことかを明らかにする必要があります。

 走行時に窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)を排出しない、という意味でクリーンというならばこれは明白でしょう。ガソリン車やディーゼル車でこのような物質が発生するのは燃料に含まれる不純物や窒素と酸素が反応するほどの高温状態が存在するからであり、電気自動車にはそもそもそんなものはありません。排気ガスのにおいも気にする必要はありませんし、まして中毒になる危険もありません。この意味でなら「電気自動車はクリーンだ」といえると思います。

 では、グローバルな環境問題から考えて電気自動車はクリーンなのでしょうか。より具体的に言うなら、電気自動車からのCO2排出量はガソリン車より少ないのでしょうか。

 

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2019.09.03

東京工科大学の最寄りの電気自動車の充電スタンドは?(江頭教授)

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 前回の記事で電気自動車の充電スタンドを見つけた、という話を書きました。私は電気自動車に乗らないので充電スタンドに今まで興味が無かったのですが、たまたま目についたマークで充電スタンドの存在に気がついた、という話です。

 では、ちゃんと探せばもっと身近にも充電スタンドはあるのでは?充電スタンドは比較的簡単な設備でも成立してしまうのでガソリンスタンドほど目立たないだけかも知れません。

 そう考えて少し調べてみたところ「EVsmar」というサイトに全国にある充電スタンドの地図が載っていることが分かりました。本学八王子キャンパス周辺にも以下の図の様に二つの充電スタンドがある様です。Photo_20190902070501

 早速、一番近い充電スタンドに行ってみました。

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2019.09.02

電気自動車の充電スタンドを見つけた(江頭教授)

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 たまたま立ち寄った多摩市にある病院(駄洒落じゃないよ!)で、見慣れない標識を見つけました。これはどう見ても電気自動車に充電ポイントに違いない。

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そう思って駐車場の中をみてみると、確かに充電スタンドがありました。

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 病院内にある駐車場の車1台分のスペースが電気自動車専用となっていて、その場所に充電用のケーブルとタッチパネルのついたポールが立っています。

 

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