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大学院秋入学式での祝辞(片桐教授)

| 投稿者: tut_staff

 2019年9月20日に大学院秋入学式が行なわれました。
 研究科長として祝辞を述べました。以下に掲載します。皆様の大学院生活が実り多く充実することを心からお祈りいたします。

190920
秋入学 M1入学式祝辞

 みなさん。大学院への進学、おめでとうございます。
 でも、周りから「おめでとう」、「おめでとう」、といわれても、ご本人がおめでたくなってはいけません。修士課程、博士前期課程はたったの2年間です。早期卒業制度を利用して進学した方はたったの1年半です。これまでの大学生活を振り返ってください。この短い期間で修士として相応の能力や実力を身に着けなければいけません。自分を十分に育て鍛えることができるでしょうか。時間的な猶予はありません。初っ端から正念場です。

 今日の日本では、同じ世代のおおよそ5%が大学院へ進学しています。つまり、皆さんは1/20の知的エリートへのスタートラインについたということです。これからの短い期間で20人にひとりの知的エリートであると世間から認められるだけの実力を身につけてください。
 これからの1年半は地獄のような忙しい日々になります。しかし、「極楽は飽きる、地獄は慣れる」とも申します。できるだけ早くこの忙しさに慣れてください。

 実質、この1年で研究成果を出さなければ間に合いません。学会発表はマストです。就職活動もすぐにはじまります。研究室の後輩は言うことを聞きません。先生は次々と無理難題を吹っかけてきます。講義もたくさん受けて、単位をとらなければなりません。まったくもって大変です。
 あれもこれもと、やらなければならないことは山積みです。しかも〆切は容赦なく追いかけてきます。このような修羅場を皆さんはきりぬけなければなりません。

 切り抜けるためには時間を上手につかうしかありません。タイムマネジメントですね。すなわち、時間管理は人の上に立つ知的エリートの必須技能です。人の上に立つ者は、自分はもちろん部下のタイムマネジメントもできなくてはなりません。


 私のタイムマネジメントの指針は3つです。

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 ひとつめは、〆切を意識することです。〆切は絶対です。学会開催日を過ぎてから成果を出しても、発表できません。当たり前です。
 修士論文を〆切までに出さなければ、修士号をもらえません。

 ふたつめは、時間マージンを設けることです。πファクターということばがあります。大事な絶対に破れない〆切までのマージンは、必要な時間の3倍必要だというものです。1週間かかる仕事の〆切が3週間後の場合、今すぐに仕事にとりかかりましょう。そうしなければヤバイということです。多くの〆切は同時並行的に設定されます。余裕があるはずの〆切の前に別の小さな仕事の〆切がぽつぽつと割り込んでくるのは、よくあることです。

 みっつめは、長期プランを立てるということです。私ははたちの時に「1万日勉強して、1万日働いて、1万日遊ぼう」と人生計画を立てました。つまり、27歳で博士をとるまでは、その次の働く1万日の仕事のために実力をつける。27歳から55歳までは仕事を通して社会に貢献し、社会での立場を固める。そして、55歳から82歳まで楽しく仕事をして楽しく生きる、そしてこの世からバイバーイ、という人生計画です。

 目先の利益や目標にだけこだわるのではなく、長期的な人生計画を立て、その視点で行動しましょう。そして、人間に与えられた時間は限られていることを意識しましょう。メメント・モリです。人生は何もしないのには長過ぎますが、何かを成し遂げるには短すぎます。

 長い皆さんの人生の中で、この大学院の在学時期が充実したものになり、大きな意味を持つことを、お祈りいたします。


これで私の祝辞を終わります。

片桐 利真

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