声に出して読みたい「自分の」レポート(江頭教授)
| 固定リンク 投稿者: tut_staff
学生実験をはじめとしてレポート作成は工学教育の重要な一分野です。工学系の情報を伝えるための文章、レポートや論文は普通の文章の書き方とは少々異なっていますからね。でも、今回のお題はそれ以前のはなし。ちゃんとした日本語の文章を書くためにどうするか、という件です。
大学の授業ではレポートの類をたくさん書くことになります。特に工学系の学生は実験や演習に時間がかかり、その結果をまとめるのにさらに時間がかかりますから、短い時間の中で多くの文章を書くことになります。どうやって正しい文章、できれば分かりやすい文章を書くことできるのでしょうか、大学の教員であれば工学系でもそんな相談をときどき受けるものです。
さて、私のおすすめは「自分の書いたレポートを声に出して読んでみる」というものです。
書いた文章を読み直しましょう、という意味ももちろんあります。それにプラスして黙読ではなくて音読をしましょう、ということです。
人間、黙読に際しては「今読んでいる場所」の前後を無意識に読み込んでいて、それに併せて文章の内容を修正する(修正できる)そうです。これは多少おかしな文章でも正しく読めてしまうわけで、「間違い探し」には向いていません。自分のレポートであれば、何が言いたいのかは分かっているのでなおさら高度な修正ができる。その分だけ間違いを見つけにくいわけですね。
音読するのはやや気恥ずかしいものですが、声に出す、という作業の分だけ自動修正の能力が削られのるのでしょう、音読の方が間違いが見つかりやすくなる様です。それに、自分の発した言葉を直接聞き取るわけですからなおさら間違いに気づきやすい。実際、他人と話すときでも言い間違いには気づきやすいものです。
ただし、この音読法、当然ですが自分が間違えて覚えている言い回しや誤字には対応できません。こればっかりは他人に原稿をチェックしてもらうしかありませんね。
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