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郵便貯金、今の金利は 10ppm です(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 「ppm」という言葉を初めて聞いたのはいつのことでしょうか。はっきりとした記憶はありませんが、おそらく「窒素酸化物濃度は××ppm」といった大気汚染の表現にからんだ用法だったのではないでしょうか。私の子ども時代には自動車の排ガス問題や光化学スモッグもんだいなど、いろいろな環境問題、いえ公害問題が盛んに報道されていましたら、そのなかで知った言葉だと思います。

 当時の私にとっては「とにかく少ない量の単位」という程度でしたが、本来 ppm は Parts Per Million、要するに100万分の1、という意味です。1%の一万分の1といっても良いでしょう。大気成分で%レベルなのはせいぜいアルゴンまでですから大気に関する議論ではppmという単位がよく用いられています。二酸化炭素濃度が「0.04%に!」と言われるより「400ppmに!」と言われる方がインパクトがある気がしますよね。

 

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 さて、最近私が気がついた ppm を使った方が良さそうな数値、それは金利です。それも預金者金利。ご覧のように「金利 0.001%」では位取りが判別しにくいのでは。いっそ「金利 10ppm」と言えば良いのではないでしょうか。「100万円預けると10円の利子が付く」ほら、イメージし易いでしょう。

 ppmは比較的よく使われる表現ですが、その割に具体的に正確な定義を知らない人も多い様に感じます。(私のこどものころと同じですね。)以前、私がこの大学に赴任してくるまえのことですが、テストで「ppm」を扱う問題を出したところほとんどの人が正解できない、ということに驚いた記憶があります。

江頭 靖幸

 

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