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手書きレポートの限界(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 今年から1年後期の学生実験の担当に加わることになったので1年生の学生さんのレポートをたくさん観るようになりました。学生実験は応用化学科の授業のなかでも大きな比重をしめていますし、なかでもレポート作成は今後、エンジニアとして、というか社会人として活躍するための基礎となる技能ですから、その採点と指導は教育上重要な役割だと考えています。

 とはいえ、少し泣き言を言わせてください。学生さんと教員、これは正に「多勢に無勢」な状況です。レポートを書くのは大変でしょうがみる方も結構大変です。レポートの山を一部ずつチェックしていきます。サイズはA4で統一。さすがにこれは皆さん守っているな。表紙には指定の用紙を。あれ、このレポート、表紙が手書きじゃないか...。このレポートなんか読みにくいな。あっ、これ右上が止めてある。ホッチキスの針を外して...、あっ痛い。ホッチキス、ホッチキス。あ、あった。左上を止め直して...。うーん、分厚くて針が通らない。ほとんどのレポートは体裁が整っているのですが、部数が増えれば例外も増える、ということですね。

 さて、私が担当しているのは1年生。今は後期ですから学生さんもレポートの作成に慣れてきたころでしょう。1年生の最初は手書きのレポートが多かったようですが、いまではほとんどのレポートがPCで作成されていてプリントアウトされたものが提出されています。でも中にはレポートを手書きする学生さんも。その際困ってしまうのはレポートのなかでクロマトグラムや光吸収スペクトルなど、機器分析の結果を表すチャートを表示する必要がある場合です。

Reportpad

 手書きにこだわって分析機器の出力のチャートをトレスして提出する、ということも可能ですが(実際、昔はこうしていたわけですが)さすがにそれは手間がかかりすぎでしょう。なにより、現在の分析装置は記録用紙にチャートをペン書きする訳ではありませんから、分析機器の出力自体がそもそも電子化されている訳で、手書きにこだわるのは無理があるというものです。

 本来、レポートの評価は提出されたものの質にもとづいて行われるべきものです。作成方法がPCによるか手書きであるかにはこだわるべきではないのでしょう。とは言え、応用化学をはじめとして理系のレポートには図やグラフに留まらず、機器分析のチャートや写真まで含まれます。現実的な労力でレポートを作成するには、やっぱりPCを利用すべきでしょうね。

江頭 靖幸

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