教員向け授業参観2019(江頭教授)
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高校や中学、小学校でも「先生」と呼ばれる人たちは教員免許状を持っているひと、つまり教育に関して学んだ人たちです。それにくらべて大学の先生、つまり私たち大学教員は必ずしも教育についての教育を受けているわけではありません。では大学教員はどうやって授業のやり方を学んだのでしょうか。
これは人それぞれでしょうが、大抵は自分が受けた授業の見よう見まねでスタートしたのだと思います。中でも面白かった授業、分かりやすいと思った授業を思い出しながら、自分もそれに近づけるように頑張るわけです。とはいえ、大学の授業で教える内容も変化しますし、教室の設備も新しくなってゆきます。いずれは学生時代の記憶だけでは間に合わなくなります。さて、どうしましょう。
大学の教員ですから、まず「自分で考える」のは大前提ですが、どんな授業は有効なのか、ヒントや前例が欲しいところです。
本学で行われている授業は定期的に点検されています。学期ごとにいくつかの授業が選ばれて、その授業を担当していないほかの教員が点検を行います。この授業点検は文字通り授業を点検するという意味ですが、他の教員がどのように授業を行っているか、という参考にもなっています。
これは授業点検で使用される評価シート。授業を評価する側の教員はこれに書き込んだ上で評価される側の教員とのミーティングに臨みます。
今回授業を参観して思ったこと。まずプロジェクターで映すスライドの文字は大きければ大きいほど良い、ということでしょうか。同時にスライドに示す内容を極力絞り込んである感じです。スライドはあくまでもまとめで、補足的な部分は口頭で説明するという考えが徹底されているのは印象的でした。
また、授業中に示す具体例を新聞から選んでいる、というのも良い試みだとおもいます。(しかし、毎週授業で具体例として出せるぐらいに企業の不祥事があるんだ...。これは逆の意味で驚きでした。)
さて、今回の授業点検、工学部の他学科の先生の授業だったのですが授業としては工学部全体を対象としたものでした。ところが今年度の応用化学科の受講生は0人だったとのこと。これは授業のやり方の問題ではないのでは。どちらかと言えばカリキュラムの構成に関する問題では、というのがミーティングでの議論でした。
このように授業参観、授業点検はカリキュラムの点検という役割ももっているのですね。
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