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2019年は台風大型化始まりの年?(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 2019年も大晦日。皆さん今年を振り返っていろいろな思い出があるかと思いますが、今回のお題は大型台風、具体的には10月12日、13日に伊豆半島から関東地方へ、そして東北地方に抜けていった台風19号についてです。

 ここ数年、毎年大きな台風がやってきて問題になっていたのですが今年の19号は東京を直撃したことで大きな社会的な関心を集めることになりました。個人的にもこの台風の影響で本学の学園祭(紅華祭)が縮小開催になってしまったこと、さらには我々応用化学科の初めての同窓会が中止になってしまったことなど影響の大きな台風でした。

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 台風19号では100人近くの死者がでたことも衝撃的でした。過去には伊勢湾台風や室戸台風など数千人の犠牲者がでる台風もあったのですが、治水事業の進展にともなって「台風で人が死ぬ」ということは文字通り過去のはなしだと思われていたと思います。それが、最近になってまた台風による死というリスクが浮上してくることになったのです。

 なぜこのような変化が起こるのか。地球温暖化との関連にすぐ想いが向かうのです。いまのところの気象庁の見解は

台風(最大風速が秒速17.2メートル以上の北西太平洋の熱帯低気圧を台風と呼びます)の発生個数、日本への接近数、上陸数には、長期的な増加や減少の傾向は見られません。(気象庁「台風の将来予測」)

というものですが、これは過去のデータについての話。これから先、10年、20年の年月が過ぎたとき、あの年が「温暖化による台風被害が本格化した年」として記憶されるのではないか。そんな気もする2019年でした。

江頭 靖幸

 

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