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2020年1月

2020.01.31

八王子キャンパスのコンビニにセルフレジが登場(江頭教授)

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 先週末だったでしょうか。本学内の食堂や売店の集まった複合施設 FOODS FUU のコンビニに買い物に行くと、なんとセルフレジができていました。

へぇ、セルフレジができたんだね。

と店員さんと話していると、後ろを通りかかった二人連れの女子学生が「あーっ、セルフレジができている!」などと歓声を上げていました。どうやら本当に出来てたのホヤホヤようです。

 じゃあ、早速試してみよう、と思ったのですが「QUOカードによる支払にはまだ対応していません」ということで、今回は断念。コンビニで出来ることは凄くたくさんあって、文字通りコンビニエンス。その全てをセルフ化するのはさすがに無理ということなのでしょう。

 

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 本学内のセブンイレブンです。普通のコンビニよりも通路が広く取ってあるのは休み時間にたくさんの学生が集中する、という大学の特徴に合わせた仕様ですね。

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2020.01.30

大雪が降らなくてよかった、と思ったら...(江頭教授)

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 2020年の1月27日、夕方から大雪という予報で、さてどうなるものかと思っていました。でも翌日28日の朝、外をみると雨が降っていて道路はぬれていました。おや、雪じゃなくて雨だったのか、と思ったのですがどうやら夜の内は雪が降っていたようです。

 大学に来てみると写真の様に結構雪が積もっているように見えます。

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 片柳研究棟前の馬の象も背中に雪が残っていました。

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 とはいえ、雪が残っているのは建物の屋根や草木の上。人が歩く通路にはほとんど雪が残っていませんでした。

 これはありがたい。

何しろ29日の1限は私の受け持っている授業の期末試験の時間だったのです。

 今年の冬は暖冬だったので積雪で授業が潰れることもありませんでした。でも最後の最後で大雪が降ったらもう予備日もありません。ヒヤヒヤさせられましたがこれなら大丈夫でしょう。

 

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2020.01.29

都立小松川高等学校で化学の体験実験を行いました(2019年度)(西尾教授)

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 昨年度に続き,都立小松川高校の化学教諭の藤田陽子先生から依頼を頂き,1月18日に化学実験を実施しました.実験テーマも前回と同じで,「Al板への虹色めっきで、カラフルなモルフォプレートを作成しよう」です.(前回のブログ記事はこちらにあります.  )
当日は,1・2年生19名が2班に分かれ,電気分解を利用した金属の表面処理(陽極酸化とめっき)でAl板を虹色にする実験を行いました.実験に先立ち講義を行ったのですが,部活で理化学研究所を見学してアルマイトの知識をつけていた人,昨年度も参加して概要を理解していた人もいて,スムーズに進めることができました.しかし,今回実験に参加した生徒さん達も拘りが凄く,時間を延長しても,用意していたアルマイト試料を使い切ることができませんでした.物事に強く拘ることは,研究者として重要な基本姿勢と考えていますので,真剣に実験を楽しむ姿を見ることができて非常に良かったです.Photo_20200128182801

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2020.01.28

そもそもサステイナブルな職業ってあるの?(江頭教授)

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 「ユーチューバーなんて職業、いつ無くなってもおかしくないぞ!」というのが前回の記事でした。要するに「ユーチューバーはサステイナブルな職業とは思えない」ということです。でも逆に考えると、そもそのサステイナブルな職業ってあるのでしょうか。

 一時期「10年後に無くなる仕事はこれだ!」的な話題が盛り上がっていたのですが、そのきっかけの一つはオックスフォード大学のC. B. FreyとM. A. Osbone による2013年の論文「THE FUTURE OF EMPLOYMENT: HOW SUSCEPTIBLE ARE JOBS TO COMPUTERISATION?」だと思われます。AIをはじめとするコンピュータ化によって(アメリカで)どんな職業がなくなるリスクがあるのか評価したもので、アメリカの雇用の47%がリスクにさらされている、という結論になっています。

 評価の対象となった702件の職種のうち、もっともコンピュータ化でなくなりそうな職種は同率で12種。データ入力者や時計の修理などが並んでいます。その一方で一番コンピュータ化が難しいとされたのはレクリエーションセラピストだとか。はてレクリエーションセラピストとはいったいどんなことをするのか。「レクリエーションセラピー」をしてくれる人なのか、レクリエーションをするセラピストなのか。うーん、よくわからないものにお金を払わせるところがコンピュータ化しにくい、ということかもしれません。

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2020.01.27

「ユーチューバーってサステイナブルかなあ?」(江頭教授)

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 共同研究の打合せが終わって飲み会に行ったときのお話。最近の若い者は、という訳ではありませんが「今年の子供のなりたい職業ナンバーワンはユーチューバーだって」という話がでました。そもそもユーチューバーは職業なのかね、とか、ユーチューバーになりたいなら今すぐ配信を始めるべきだ、いやいや本当に人気なのは公務員だ、などなどひとしきり盛り上がったのですが、はてこの話は本当なんでしょうか。

 すこし調べると「ソニー生命」が出している「中高生が思い描く将来についての意識調査2019」というニュースリリースが見つかりました。その中の中学生を対象とした調査で将来なりたい職業の男子の部の第一位が「YouTuberなどの動画投稿者」となっています。

 うーん、これはいかがなものでしょうか。「馬鹿なこと言ってないで将来のことを真面目に考えろ」と片づけたい気もしますが、それでは「昭和のおやじの繰り言」になっていまうので、少し現代的味付けをしましょう。「ユーチューバーってサステイナブルかなあ?」

 まず、今の中学生が職業人として活動するのはこれから10年後から60年後くらいの期間だと思います。今から60年後、2080年にYoutubeはあるのでしょうか?意外とあるかもしれない、という気もしますがたとえそうだとしても今と全く同じ存在感を持っているとは考えにくい。その場合、ユーチューバーが生活を維持できるほどの収益を上げられるような仕事になるのでしょうか。そもそもユーチューバーの収益基盤はYoutube、というか Google の運営方針如何で突然消滅してしまうような脆弱なものです。そのことを考えるとユーチューバーという職業は持続可能ではない、つまり、サステイナブルではないのでは、と思ってしまいます。Douga_haishin_youtuber

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2020.01.24

卒業論文提出日(2019)(江頭教授)

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 応用化学科の四年生はこの春卒業の予定。いま卒業研究の仕上げにかかっていますが、昨日と今日(23日,24日)は卒業論文の提出日となっています。

 卒業論文の提出というのは大学の中では結構なビッグイベントです。提出しなければほぼ自動的に留年決定なのですから、普通のレポートの様に期日までにポストに入れる、という訳にはいきません。場所と時間を決めて担当の教員に提出することになります。内容をチェックして規定を満たさないものは却下。受け取ってもらえた場合は「受領証」に判をもらいます。この受領証は卒論を提出した大切な証拠書類ですから、卒業証書をもらうまで大切に保管することになります。

 卒論の提出が間に合わない!というシーン、昔はドラマや漫画で見たような気がしますが今はどうなのでしょうか。実際の卒論提出はやはり厳格なもので、期限通りに提出しないと受け取ってもらえないことになっています。提出する論文は本編とそのコピー2部。全部で3部を提出します。印刷する時間もそれなりに必要ですから余裕をもって準備するべきでしょう。

 応用化学科の提出日は本来昨日(23日)なのですが、今日は一応の予備日。何かの事情で提出できなかった人向けの時間です。この場合は理由書を作成、指導教官が確認して押印することが必要条件です。

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2020.01.23

今日から期末試験(江頭教授)

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 一昨日、1月21日は2019年度の最後の授業日でした。

 そして一日おいて今日からは期末試験がスタートします。期間は1週間なのですが今年は少し変則的です。23日の木曜日と24日の金曜日は試験。でも翌週の27日の月曜日を飛ばして28日火曜日から再スタート、そのまた翌週の2月2日の月曜日まで続く、という日程です。本来なら普通の授業と同じペースで試験があるのですが今年は少しゆっくりペース。おまけに、試験をしない授業もありますし(体育とか)、授業内で試験を終わらせている授業もありますから、結構余裕のスケジュールといえるでしょう。

 また、試験の時間は1時間。通常の授業は90分なので、30分短くなっています。これに対応して試験期間中は休み時間も少し長く取れるようになっています。

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2020.01.22

「サステイナブル工学プロジェクト演習」最終報告会本選(2019)(江頭教授)

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「サステイナブル工学プロジェクト演習」については本ブログでも何回かとりあげています。(こちらこちら、そしてこちら

 昨日、21日には半年、というか後期15回の授業の最終回として「最終報告会」の本選が開催されました。本選、とあるのは先週予選を行い選抜された班による発表会であること(これは本選の本の部分)と、今回の選ばれた班が学部長賞で表彰されること(これが本選の選の部分)によります。

  「サステイナブル工学プロジェクト演習」は本学工学部の3年生によるグループワーク形式の授業です。特徴としては3学科合同の授業であること。異なる学科の学生が集まってグループワークを行うことになっています。三学科合同で約300人、通常授業は二クラスに別れ、それぞれ27班、28班でのグループワークとなります。

 予選では全体で55班がグループワークの成果を8会場に分かれて発表し、その中から10班が今回の本選に進みました。

 発表の内容は工業製品やサービスのLCAによる評価と機能的、経済的価値を統合化した環境効率の算出です。さらに対象とした工業製品やサービスに対する改善提案を行い、その環境効率への影響を検討しました。LCA評価では環境ラベル「エコリーフ」に登録さている公開情報を利用して実際の製品に近い条件での評価をおこなっています。一方、改善提案については各班のメンバーが自分の学科のバックグラウンドを生かしつつ自由に発想しています。

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最終発表会本選で使われたスライドの一部です。環境効率の算出と改善提案、と内容は統一されていますが、対象とする製品・サービスやスライドデザインもいろいろですね。

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2020.01.21

コーオプ演習1 最終発表会(江頭教授)

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 本学工学部の特徴の一つ、コーオプ教育。その最初の授業と位置づけられるのが1年生後期の授業「コーオプ演習Ⅰ」です。授業内容は最新の工学・技術的トピックスについて調査し、発表すること。グループワークを中心とした授業で、賛否のわかれる技術上の課題やサステイナブル社会に関連する新技術などを対象として調査を行い、調査結果に基づいたディスカッションの内容を発表します。

 本日、この「コーオプ演習Ⅰ」の最終発表会が開催されます。

 私はこの最終発表会前の行われた予選に参加しました。今回のテーマは「サステイナブル社会の実現に工学が貢献できること」でしたが、より具体的に対象とするプレゼンの相手が想定されていて「目上の科学的な知識を有した上司に対して」「工学によって※※※のようなことができます」という企画の提案を行うこと、をイメージしながら発表をまとめたといいます。

「生ごみの再資源化」「水資源問題」「バイオマス燃料」「核融合」さらには「新たな繊維の原料の提案」などいろいろなトピックがありましたが、短い時間の中でどれもよく調べていたと感じました。さらには質疑応答のなかで環境負荷についてのトレードオフ関係にまで話が進んだので「3年前期のサステイナブル工学実習という授業でLCAについて学修するから、今の議論にも具体的な結論が出せるよ」と思わずコメントしてしまいましたね。

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2020.01.20

理系と文系で引用の形式に違いがある、という話(江頭教授)

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 先日紹介した研究倫理についての e-ラーニングについて、興味深い指摘があったので今回はその点について紹介しましょう。一般財団法人公正研究推進協会(APRIN)提供の研究倫理教育eラーニング「APRIN eラーニングプログラム (eAPRIN)」のなかでの盗用について学習する単元。この中で引用の方法についての一通りの説明があった後で「引⽤符を⽤いるやり⽅は⽂系ではごく⼀般的ですが、⾃然科学・⼯学の分野ではむしろまれです。」という記述があったのです。私自身は⾃然科学・⼯学の分野の人間なのですが、確かに仕事関係の文章では引用符や字下げ(インデント)による引用をしていないなあ、と認識を新たにした次第。

 これは一体どうしたことか。e ラーニングのテキストをさらに読み進めると、工学系の文章では引用に際して言い換えや要約がなされるべきだ、とあります。一字一句同じ文章を書くのはだめだが、一部分を選んで言葉を入れ替えば良い、というのでしょうか。

 こういうと変な感じがしますがおそらく本当に言いたいのは、引用元の文章の内容を自分の頭で理解して自分の言葉で書け、ということでしょう。そうすれば元の文章のキーポイントが自分の言葉で要約されているはずだ、ということなのだと私は思います。でも、「自分の頭で」とか「自分の言葉で」という表現には客観性がないので「要約」とか「言い換え」という言葉が出てくるのだと思います。

 では文系ではなぜ言い換えをしない引用符を用いる形式が一般的なのか。これは私の想像ですが、言い換えをすると意味が失われてしまうか、あるいは不正確になってしまう表現があるからではないでしょうか。

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2020.01.17

阪神淡路大震災から25年(江頭教授)

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 阪神淡路大震災は1995年1月17日の早朝、大坂・神戸・淡路島一体をおそった大規模な地震のことです。本日(2020年1月17日)、阪神淡路大震災から25年、四半世紀の月日が流れたことになります。

 高校生、大学生の皆さんはまだ生まれる前でしょうか。当然、当時の記憶は無いかと思います。私も当時は東京に住んでいたので、この地震については報道を通じての知識しかありません。

 私が最初にこの震災の情報に触れたのは1月17日の早朝、地震が起こったすぐ後のNHKのニュースだったと記憶しています。「大阪で大きな地震があった」という情報で、神戸についての言及はありませんでした。その後「大阪から神戸方面に向かったところ、甚大な被害が出ている様子だった」とつづき、やがて地震による被害の大きさが明らかになっていったのです。

 本当に大きな災害の場合、被害の中心地から第一報は届かない。これは後の東日本大震災の時も経験したことで、一般的な現象なのかもしれません。

 同様に、被害の総計が次第に増えてゆく、という現象も東日本大震災のケースと共通していました。ニュースとして報道するのは確認された被害の総計ですが、確認作業が手間取るほどの巨大な災害では、次第に増えてゆく被害状況を目にしながら憂鬱な気分をかき立てられることになるのです。

 さて、この阪神淡路大震災、日本における災害ボランティアがはじめて本格的に活躍した、という側面は不幸の中でもポジティブな位置づけのできる部分です。

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2020.01.16

「サステイナブル工学プロジェクト演習」最終報告会予選(2019)(江頭教授)

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 1月15日「サステイナブル工学プロジェクト演習」最終発表会の予選が開催されました。これは本学工学部の3年生によるグループワークでの発表会です。この「サステイナブル工学プロジェクト演習」の特徴は3学科合同の授業である、という点ですが、この中間発表に向けた取組では異なる学科の学生が集まってグループをつくることが特徴になっています

 さて、今回の最終発表(予選)はスライドを用いた口頭発表です。54班の発表、さすがに一会場では捌ききれないのでパラレルセッションとなりました。発表は8会場で同時進行し、我々教員は手分けして各会場での発表を聞きくことに。

 さて、今日の最終報告会は予選、ということで各会場の教員には、6~7件の発表の中から本選に進出する班の選定する、という作業も。各会場での厳正な審査の結果、無事、本選に進む班を選定することができました。

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2020.01.15

後進国?発展途上国!開発途上国!!(江頭教授)

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 前回の記事では「日本はすでに先進国ではない」「このままでは後進国になってしまう」という言説について私の考えを述べたのですが、「先進国」はともかく「後進国」という表現、最近は使わない表現です。いつのころからか「後進国」は「発展途上国」と言い換えられています。

 「発展途上国」は英語では "developing country"です。

"developing country"がdevelopを完了して"developed country"になる

こう考えるとわかりやすいですよね。でも

「発展途上国」が発展を完了して「先進国」になる

というのはしっくりきません。発展したからといってほかの国より「先」になるわけではありません。英語での表現は一つの国のdevelopの前と後とを表現しているのに対して、やっぱり「先進国」という表現のもっている他との比較で「先」という感覚が「発展途上国」とは釣り合わないのでしょう。

 いっそ、「先進国」をやめて「発展完了国」と言い換えればどうでしょうか。

「発展途上国」が発展を完了して「発展完了国」になる

となって明快ではないでしょうか。

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2020.01.14

先進国とは?(江頭教授)

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 「日本はすでに先進国ではない」「このままでは後進国になってしまう」そんな主張が最近気になっています。今回はこの主張に乗ってみましょう。

 そもそもは有名企業の経営者がインタビュー記事のなかで日本は現状を憂いて「このままでは後進国になってしまう」と言ったのがきっかけだと思いますが、もちろん同様の主張をしている人はその前にも後にもたくさんいると思います。その一つ一つを詳しく検討する時間も意欲もないのですが、私が気になっているのは一点だけ。そもそもこの人たちは「先進国」「後進国」という言葉をどういう意味で使っているのだろうか、という点です。

 「先進国」も「後進国」も、その定義はいろいろあるのですが、私自身がしっくりくると思っているのは「FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」の著者、ロスリング博士がイギリスBBCと作成した動画"Hans Rosling's 200 Countries, 200 Years, 4 Minutes - The Joy of Stats - BBC Four"(「ハンス・ロスリングの200ヵ国200年を4分で」)に示されてる考え方です。この動画では縦軸に寿命を、横軸に収入をとったグラフに世界の200ヵ国のデータをならべ、その200年間の変化を動画で示しています。収入が低く寿命が短い(画面に向かって左下)の領域にあった国々が収入が高く寿命が長い(画面の右上)に向かって移動してゆく様子がはっきりと示されています。後進国とは短命で貧困な国、先進国とは長寿で豊かな国、というわけですね。

 さて、少し話は変わっていわゆる「先進国」「後進国」は英語では何というのでしょうか。それぞれ"developed country "、"undeveloped country"`であって、日本語の持っている「先」と「後」というニュアンスは感じられません。

 先の動画を見直すとすべての国々が左下の後進国から右上の先進国に向かって移動してゆくのが分かりますが、先に移動する国もあれば後から移動を開始していてまだ右上に到達していない国もあります。日本語の「先進国」「後進国」という言葉の持つ「先」と「後」というイメージはここにあるように私は思います。

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2020.01.13

修士(博士課程前期)中間審査会のこと(江頭教授)

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 1月11日に表題の「修士(博士課程前期)中間審査会」が開催されました。1月11日は土曜日ですが、この日は補講日として授業が予定されていました。その補講が終わった時間を見計らって少し遅めの15:30からスタート、バスがなくなる前に終了という時間割でした。

 これは学部ではなく大学院の行事となります。我々応用化学科は組織としては大学の組織で、工学部に所属しています。大学院ではサステイナブル工学専攻であり工学研究科の一部という位置づけ。このサステイナブル工学専攻には機械工学科と電気電子工学科とも一緒になるので発表の内容もバラエティに富んだものになります。審査会の予稿集も化学にかぎらず機械、電気電子の発表も含まれています。

 

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 上の写真はその予稿集の表紙。【学外秘】となっています。また、この予稿集の表紙左上には「05」という番号が打たれているのが分かると思いますが、これは予稿集すべてに点けられた通し番号です。きちんと管理してください、ということですね。

 さて、会場に向かうと守秘義務に関する説明を確認して署名する用紙が置かれていました。特許などの関係もあり、この審査会はオープンではないのです。

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2020.01.10

「eラーニング」をやってみた(江頭教授)

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 「eラーニング」は私の学生の頃には影も形もなかった(たぶん)ので自分でやってみるという経験それほど多くはありません。そこで、

学生もすなるeラーニングといふものを教授もしてみむとするなり

と言うわけではありませんが、今回のネタは「eラーニング」のコースをやってみた、というお話です。

 受講したのは一般財団法人公正研究推進協会(APRIN)提供の研究倫理教育eラーニング「APRIN eラーニングプログラム (eAPRIN)」というものです。実はこれ、私が個人的にeラーニングや研究倫理に深い関心があって、という話ではなくて「東京工科大学における研究費の不正使用及び研究活動に係わる不正行為の防止に関する規程」という規定に従って本学の関係者全員が受講することになったものです。

 さて、まず内容はさておき、eラーニングという形式についての印象。テキストを読んで、それに関するクイズに解答する、という形式だったのですが、私の場合は「疲れる」という感想です。自分のペースで進めてゆけば良いということは分かっているのですがどうしても気がせいてしまいす。eラーニングでは自分が教材を読み進めなければ先に進みませんから大急ぎで読む羽目に。さらに最後にクイズがあると思うと緊張してしまって普通の本を読むテンションとは明らかに違っていました。うーん、ビデオを利用したeラーニングの方が良かったかも。でも、ビデオよりテキストの方が効率は良いとは思います。

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2020.01.09

カラー印刷あれこれ(江頭教授)

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 こちらの記事でも紹介した学会発表についてのお話。最近の学会発表ではプロジェクターでPCの画面を写して発表する口頭発表でも、自分で印刷したポスターを持ち込むポスター発表でも発表でつかう図や表、写真なのはどれもカラーで表示可能です。

 特に写真などはカラーか白黒かでかなり印象が違いますからカラーで表示できるメリットは大きいですね。(写真は写真でも電子顕微鏡写真なんかはカラーにはできませんが...。)それに、グラフは白黒でも表現可能ですが、カラーをうまく使えばデータの判別がし易くなって見やすいグラフを作ることができます。

 と言うわけで、発表に際してカラーの写真やグラフを利用する、というのは学会発表では一般的なことです。でも、発表に際して配布される予稿集(発表内容を簡潔にまとめた紙資料)はどうでしょうか。ペーパーレス化でそもそも紙資料を作らない、という学会もありますが発表会場での利便性を考えるとまだまだ印刷物への需要は健在でしょう。そこで問題になってくるのは紙資料をカラーで印刷するのにはかなりお金がかかる、ということです。

 まあ白黒なら黒のトナーを一回定着させれば良いのに対して、カラーなら少なくとも3原色、できればそれに黒を加えた4色のトナーをそれぞれ定着させる必要があるわけです。これはコスト高にならざるを得ない。

 写真はともかく、グラフなら工夫して「カラー・白黒両対応」のものを作ることもできます。「青線と赤線で二つのデータを表示」するところを「青実線と赤点線で二つのデータを表示」しておけば色データが失われて白黒になっても「実線と点線で二つのデータを表示」できるわけですね。実際、グラフを作るときは「まず白黒で作って後から色を付ける」といったテクニックもあったのですが、これはいかにも面倒です。それに学会の紙資料は大抵複数の人の原稿の寄せ集め。全員が白黒化に配慮した原稿作りをしてくれるとも限りませんから、お金をかけて全てラカー印刷か、それとも多少げ情報のロスを覚悟で白黒印刷か、という究極の選択を迫られることとなります。

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2020.01.08

「サステイナブル」?、 「サスティナブル」?、「サステナブル」?2020年版(江頭教授)

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 我々応用化学科が所属する東京工科大学工学部、その柱の一つがサステイナブル工学教育です。では「サステイナブルって何?」と思ったひと、言葉自体が分からないひとはどうすれば良いのでしょうか。「ググれ!」ということで今回は「サステイナブル」と検索の話を。

 「サステイナブル」とは "sustainable" という英語をカタカナになおしたもので...、と始めた途端に問題が生じます。 "sustainable"って「サステイナブル」じゃなくて(イのない)「サステナブル」では、いや(イが小さい)「サスティナブル」だろう等々、表記のゆらぎがあるのです。

 ものは試しで実際に検索してみましょう。Google検索で検索してヒット数からどの表記が主流なのか比べてると、

 「サステナブル」 4,630,000

 「サスティナブル」 1,550,000

 「サステイナブル」 2,950,000

という結果が。我らが工学部おすすめの「サステナブル」は第二位。一位の「サステナブル」の半分くらいのヒット数でした。

 「サステナブル」が主流なのかなぁ、でも「サステナブル」で検索したときの画面は以下のとおり。これってAKB人気の影響なんじゃないの。

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2020.01.07

ポスター発表と口頭発表(江頭教授)

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 このブログを読んでいるのが高校生のみなさんなら「学会で発表したことがある」という人は少ないのではないでしょうか。もちろん、学会といっても厳密な定義があるわけではありませんが、一般的には「学術研究に関する発表会」というぐらいの意味でしょう。その学会を開催する主体としての組織もありますが、それも「学会」と呼ばれています。ややっこしいですが「化学工学会」というのが組織としての学会で、その化学工学会が主催するの「年会」「秋季大会」といった発表会も「学会」というわけですね。で、今回は発表会としての「学会」での発表形式についてのお話です。

 さて、このブログを読んでいるのが高校生のみなさんなら「ポスター発表」「口頭発表」両方とも経験があるのではないでしょうか。近年、発表というかプレゼンテーションのような学生がアウトプットする授業が重視されています。でも、私自身は学会で発表するようになるまでほとんど発表の経験がない状態だったと記憶しています。そして私が学会に参加するようになった頃には発表の形式は口頭発表が主流でした。その後、次第にポスター発表の比重が増え始め、今ではポスター発表と口頭発表は半々、あるいはポスター発表の方が多いかもしれません。

 はて、一体どうしてポスター発表が増えてきたのでしょうか。

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2020.01.06

新年の授業が始まります(江頭教授)

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 我々工学部応用化学科が所属する東京工科大学の八王子キャンパスは1月3日まで閉鎖、4、5日が土日だったので活動を再開は本日1月6日からとなります。昨年は7日から授業が再開していたのですが、今年は一日早い授業再開です。

 実は1月5日までの期間、本学八王子キャンパスは年末年始休業期間となっていて防火・防犯体制が強化されています。お休み、という以前にキャンパスには原則立ち入り禁止となっています。卒業論文の追い込みで実験をしたい4年生諸君には申し訳ないのですが、ここは英気を養ってもらうところでしょうか。

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2020.01.03

「ちょっと深呼吸」いや、「深吸呼」じゃないか?(江頭教授)

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 我々応用化学科の学生は1学年で100名弱、私が担当してる2年生の選択の授業などでは大体70名が授業を受けています。いわゆるマスプロ授業(マスプロダクション=大量生産の様に一つの教室に大人数を入れて行う授業のこと)とは違って普通の高校のクラスの2倍程度の人数ですからひとりずつ名前を呼ぶ形で点呼をとることができます。まあ、本学の場合はネットで出席を取ることが普通ですから「点呼」をするのは例外的なケースです。
 さて、この「点呼」という言葉ですが「1人1人名前を呼ぶ」という意味ですよね。この場合の「呼」という字は「呼ぶ」という意味です。

 実は「呼」という字にはもう一つ意味があります。「息を吐く」という意味で、この用法で一番一般的なのは「呼吸」でしょう。というか、呼吸以外でこの用法を聞いたことがないような。あえて言えば人が呼吸で吐き出した息のことを「呼気」と呼ぶ程度でしょうか。以前このブログでも「人間は呼吸で吸気の中の全ての酸素を取り入れることはできない。呼気には16%程度の酸素が残っていてる。」という話をこちらの記事で紹介しています。

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2020.01.02

2020年度シラバス作成中(江頭教授)

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 今日は新年二日目、まだ本学はお休み中でスタートは来週の月曜日からです。その開始一番での仕事が各種授業の担当教員によるシラバスの登録となっています。

 「シラバス」という言葉はどのくらい知られているのでしょうか。我々大学関係者にとっては言わずもがななのですが、はて世の中一般ではどうでしょう。私が学生の頃、シラバスは「授業概要」といった名前だったと思います。いわば「授業のカタログ」のようなもので、授業の内容についての説明が大学で行われる全ての(あるいはほとんどの?)授業について記載されたものでした。もちろん、当時のことなので印刷物として配布されていました。当時は授業当たりの内容もそれほど多くはなく1科目1ページかそれ以下だったと思います。でも授業数は多いので冊子としてはそれなりの厚さがあり、自分の受ける授業を見つけるのも一苦労だった記憶があります。

 さて、現在のシラバスは電子化されていてネットからアクセスできるようになっています。登録も同時に電子化されていてWEB経由で登録可能。そして毎年の教員によるシラバス登録の締め切りが年の初等にくる、という訳です。これは毎年のことで年中行事化しているのですが、今年、オリンピックの行われる2020年は少し様子が異なります。

えっ、オリンピックとシラバスに何の関係が?

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2020.01.01

新年のご挨拶(2020)(江頭教授)

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 新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

 本学、東京工科大学の工学部の一翼を担う応用化学科、その開設は2015年でした。それ以来4年と9ヶ月、2015年に入学した第一期生は昨年の3月で4年間の課程を終了して卒業。あるものは新社会人としての活躍を始めたことでしょう。そして、あるものは本学の修士課程の学生として勉学に励んでいるところです。

 第一期生が2019年4月に卒業したことによって我々応用化学科を含む工学部のカリキュラムはすべて完成しました。半年間の企業での有給の就業体験であるコーオプ実習を中心としたコーオプ教育、そして他学科の学生と協力して実施するLCAを中心とした実践的なグループワーク「サステイナブル工学プロジェクト演習」をクライマックスとするサステイナブル教育、これらの理念を一つの形にまとめることができたことは我々立ち上げに参加した教員の大きな喜びです。とはいえ、完成したカリキュラムに安住することなく、さらなる改善を進めるべくカリキュラムの改定も順次進められています。

 さらに第一期生の卒業に合わせてスタートした本学の大学院のサステイナブル工学専攻では新たな一期生が勉学の研究の日々をスタートさせました。

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