そもそもサステイナブルな職業ってあるの?(江頭教授)
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「ユーチューバーなんて職業、いつ無くなってもおかしくないぞ!」というのが前回の記事でした。要するに「ユーチューバーはサステイナブルな職業とは思えない」ということです。でも逆に考えると、そもそのサステイナブルな職業ってあるのでしょうか。
一時期「10年後に無くなる仕事はこれだ!」的な話題が盛り上がっていたのですが、そのきっかけの一つはオックスフォード大学のC. B. FreyとM. A. Osbone による2013年の論文「THE FUTURE OF EMPLOYMENT: HOW SUSCEPTIBLE ARE JOBS TO COMPUTERISATION?」だと思われます。AIをはじめとするコンピュータ化によって(アメリカで)どんな職業がなくなるリスクがあるのか評価したもので、アメリカの雇用の47%がリスクにさらされている、という結論になっています。
評価の対象となった702件の職種のうち、もっともコンピュータ化でなくなりそうな職種は同率で12種。データ入力者や時計の修理などが並んでいます。その一方で一番コンピュータ化が難しいとされたのはレクリエーションセラピストだとか。はてレクリエーションセラピストとはいったいどんなことをするのか。「レクリエーションセラピー」をしてくれる人なのか、レクリエーションをするセラピストなのか。うーん、よくわからないものにお金を払わせるところがコンピュータ化しにくい、ということかもしれません。
冗談はさておき、この論文では就業者の賃金と学歴と、その職種がなくなるリスクとの間には強い負の相関があるとも述べています。要するに賃金と学歴が高い職種につけばコンピュータ化されるリスクは小さい、ということ。まあ、身もふたもない結論です。
なお、この研究には残念ながらユーチューバーのリスク評価はありません。そもそもユーチューバーを職業として認識していないのかもしれませんね。
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