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試験と文章を書く力(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 大学の授業、学期の終わりには通常期末試験が行われます。学生諸君はどんな試験問題がでるだろう、と思い悩みながら授業の予習・復習に励むわけです。実は私たち教員もどんな試験問題を作ろうか、と思い悩むわけです。

 試験問題のスタイルはいろいろ。〇×式の問題、選択肢から選ぶ方式、穴埋めで語句や数値を入れるスタイルなど。中にはマークシートを独自に準備して試験をされる先生もいらっしゃいます。

 これらの出題形式のメリットは明らか。採点がやり易いことです。ほぼ機械的に採点できるので、学生数の多い授業などではよく用いられる形式かもしれません。デメリットは問題に回答する思考の過程を見ることができないことでしょう。

 学生の思考を確かめる、という意味では文章題が良いでしょう。学生諸君は単に結果を示すだけではなく、どうしてその結果になるのか、その過程をも示すことになります。文章題の回答は、ある意味では自分の主張「答えは○○である」を示すための簡単な作文だ、ということもできるでしょう。

Document_marksheet

 さて、ふと思ったのですが、この文章題の解答というスタイルの作文、実は学生さんが教育のなかで一番密に訓練された文章作成の課題なのかもしれません。

 「解答」は目的が極めて明白に規定されています。学生諸君の簡潔に示すための動機付けも充分。書いた文章が理解されたかどうかは採点結果という形で良くフィードバックされているでしょう。

 〇×式の試験から始まって文章題への「解答」、その先にレポートへと発展してゆくと考えてみると、次第に書き手(学生)の自由度が増えてゆくことがわかります。

 1年生の学生さんたちはレポートを書くときに戸惑うことも多いようです。でも、試験の解答の先にレポートがある、様に考えてると意外と親しみやすく感じられるかもしれません。(いや、返って苦手意識を持つかな?)

江頭 靖幸

 

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