科学者のたしなみ(片桐教授)
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最近立て続けに、コロナ騒動関係のブログ記事を書いていたのですが、気がめいるので、少し違う話題をふります。
私は車を運転する時にNHK第一放送のラジオをよく聞きます。最近は日曜日や長期休暇時に「子ども科学電話相談」をやっています。小学生が電話で大学の教員や博物館の学芸員に素朴な質問をぶつけるというものです。
https://www.nhk.or.jp/radio/kodomoqmagazine/
少し前の休日に興味深いやりとりを聞きました。質問の内容は、小学生の女の子の質問で、「自宅の紫モクレンはヒヨドリに食べられてしまいます。近くの公園の白モクレンは食べられていません。なぜですか?」というものでした。その問の回答者に指名されたのは鳥の専門家の先生でした。
「そうだねえ、もしかしたら紫モクレンの花の方がおいしいのかもしれませんねえ。ところで、私の横にちょうど植物の専門家の先生がいらっしゃいます。先生、白モクレンに比べて紫モクレンの花はおいしいのでしょうか?」と、これはムチャ振りです。そのように問いを振られた大学院の教授先生は、慌てずに、「私はモクレンの花を食べたことがないので、わからないのですが、紫モクレンはおいしくありませんでした。」と答えられていました。
ラジオを聞いていた私は「食べたんかい!」と思わずラジオに突っ込みを入れていました。ムチャ振りしていた鳥の先生も司会のアナウンサーのお姉さんも「食べたんですかぁ?」とあきれたように言っていました。
その植物の大先生は、自分の家の紫モクレンの花がヒヨドリに食べられてしまうので、おいしいのかな?、と試しに食べてみたとのことでした。ツボにはまったのか、鳥の先生もお姉さんもラジオの向こうでケラケラ笑っていました。
先日のブログ(2020.3.30)でヤング片桐が「純水?を飲んでお腹を壊した」話しを紹介しました。科学者は疑問に思ったら実際に実験してみる、体験してみることが大事だということでしょう。科学者のたしなみ、正しい姿勢であろうかと思います。
買い物を終えて、自宅に帰りついても先生方の掛け合いマンザイが面白くて、しばらく聞き続けました。
さて、最初の女の子の質問への二人の先生の回答は「モクレンの花の色はあまり関係なくて、天敵(タカ)などが近くにいるかとか、そのような理由だと思います。詳しいことはヒヨドリさんに聞いてみなければわかりませんね。研究中です。」だそうです。https://www.nhk.or.jp/radio/kodomoqmagazine/detail/20200320_04.html
今日もラジオで子ども科学電話相談を放送していますが、コロナ騒動の影響で、先生方はご自宅から電話で回答しているようです。電話相談電話回答になってしまいました。
小学生の素朴な疑問はとても面白いものです。「自分ならどのように回答するか」を考えながら、ラジオを聞いています。皆さんも一度聞いてみてはいかがでしょうか。
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