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デマを拡散してはいけない-11 インフォデミック(片桐教授)

| 投稿者: tut_staff

このブログの内容は不用意に拡散しないように。必要なら必ず裏をとり、自分で確認し、理解してから、自分の言葉として発言しましょう。他人のことばをそのまま鵜呑みにするのは危険な行為です。

 今回のコロナ禍はいろいろな横文字ことばを流行らせました。パンデミックからはじまり、いろいろなカタカナ医薬品名(アビガン、カレトラ、シクレソニド、ヒドロキシクロロキン、ナファモスタット、イブプロフェン、アセトアミノフェン)、感染拡大に関する用語(アウトブレイク、エピデミック、エンデミック、オーバーシュート、クラスター)、感染防止対策に関する用語(ゾーニング、ロックダウン、ソーシャルディスタンス、ステイ ホーム、テレワーク、リモートワーク)、その他(コロナハラスメント)などなど。いろいろなカタカナ用語をニュースでは使っています。

 その中で、私の気になったのは「インフォデミック」という新語です。これは、大量の情報が社会に「感染症」のように広がり影響してしまうことを指します。2019-2020年Covid-19感染拡大時に、SNSを利用して危険情報などを拡散する速度は2002~2003年のSARSコロナウイルスの感染拡大の時に比べ、68倍も早いとのことです(2020.4.6 日本経済新聞「情報パンデミックの拡散力、SARSの68倍 新型コロナ」)。これはSNSの普及により、誰でも情報を発信できるようになったことによります。このような情報発信は多くの場合は善意で行なわれるのでしょうが、中にFake Newsが紛れこむと、たとえ善意でも社会の混乱を招きます。それが、トイレットペーパー騒動などの社会混乱を巻き起こしました。

 我々は自分が発信する情報だけでなく、自分が「中継」する情報にも責任をもたなければなりません。それは情報を扱う者の矜持です。

 日本赤十字社のWeb Pageに「新型コロナウイルスの3つの顔を知ろう! ~負のスパイラルを断ち切るために~」という特集記事がありました。 http://www.jrc.or.jp/activity/saigai/news/200326_006124.html この中では3つの「感染症」として、①病気そのもの、②不安と恐れ、③嫌悪・偏見・差別、をあげています。あえて分類すれば、①肉体の感染症、②精神の感染症、③社会の感染症、ということでしょうか。この記事にはどのように肉体の感染症が不安をかき立て、それが嫌悪を通して、偏見・差別に結びつくかをわかり易く説明しています。そして、それぞれの「感染症」を防ぐ手段が示されています。

 肉体の感染症の予防には、「手洗い」「咳エチケット」「人ごみを避けること」が示されています。精神の感染症に振り回されないためには「気づく力」「聴く力」「自分を高める力」が必要であることをまとめています。そして、社会の感染症を防ぐには「ねぎらい」と「敬意」が重要であるとしています。

 まとめてしまうと簡単になりすぎますが、皆さんには是非このページを訪れ、自分でこの記事を見てほしいと思います。当たり前のことを当たり前のようにやることが安全の基本です。

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しつこいようですが、このブログの内容は不用意に拡散しないように。必要なら必ず裏をとり、自分で確認し、理解してから、自分の言葉として発言しましょう。他人のことばをそのまま鵜呑みにするのは危険な行為です。

 

 

片桐 利真

 

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