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2020年5月

2020.05.29

無観客試合に「歓声クリエイター」とかどうでしょう (江頭教授)

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  コロナウイルスの感染拡大に対応するための非常事態宣言が終了。これからいろいろな活動が再開されるわけですが、このプロセスこそ非常に難しいですね。どんな活動が感染拡大の原因になるのか、それを安全に行うにはどのような工夫が必要なのか、本当のところは感染が起こってみないとわからない。感染の有無がわかるのには時間がかかるからゆっくり時間をかけて判断し、解除を進めていきたいところですが、その間の経済的な損失を考えるとのんびりもしていられない。とはいえ制御不能な感染拡大が起こってしまう危険性といつも隣り合わせのプロセスで、難しい判断の連続となるでしょう。

 さて、これまで自粛を余儀なくされていたものの一つがスポーツイベント。再開の動きが報じられれますが、その中でよく出てくるのが「無観客試合」という言葉です。

 観客のいない試合をして楽しいんだろうか?

 まあ、プロのスポーツ選手なら仕事としてでも試合はするのでしょうが、問題は観客の方。TV放送やネット配信で試合を見ることはできますが、はて、無観客試合は見ていて楽しいのでしょうか。

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2020.05.28

オンライン授業の一週間(江頭教授)

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 全面オンラインに移行した2020年の新学期、最初の一週間が過ぎたところで我々応用化学科の全教員でWEB会議形式で情報交換を行いました。もともと水曜日がいろいろな会議が行われる曜日ですが、今学期は水曜日から授業がスタートしたのでちょうど一週間が終わり、二週間目に入るところで学科の会議の日程がまわってきたのです。

 教員が1人ずつ自分の担当している授業の実施方法と学生の反応、その他の気がついた点について話していきます。ちょうどこの日の午前中に学生さん達にやってもらったグループワークと同じ様なことを教員がやっている構図です。

 さて、私の感想は、先生方は皆いろんな方法を工夫しているんだなー、という事。特に本学の学習支援システムの moodle については、まだまだ知らない使い方があるのだな、と思っています。授業開始前の出席の代わりにアンケートを取ること、アンケートには「もう実験用の白衣を注文しましたか?」といった重要な確認事項を入れること、アンケートに答えることでその日の授業内容にアクセスできるようにすること、などなど。

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2020.05.27

オンライン授業やってみた!(江頭教授)

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 5月20日に本学の授業が再開して一週間。オンライン授業も一巡しました。私もいくつかの授業を担当しているので、そのオンライン授業をやってみました。

 その1つはフレッシャーズゼミという少人数制の授業。1年生を対象としたガイダンス的な意味合いの強い授業でしたが、今回のオンラインへの移行にともなって役割の大きな授業となっています。この授業はリアルタイム型と呼ばれる Google Meet などのビデオ会議システムを利用して出席者全員がネットでつながった形で行いました。

 リアルタイムのオンライン授業は実際の授業をオンラインで模擬するものだと言えるでしょう。これはオンラインの会議と同様で、やっぱり違うなあ、という印象です。特に、学生さん達から教員に届く情報が桁違いに少ない。リアルな授業を思い起こすと、目をこらすとかちょっと視線をかえるといった、ほとんど意識すらしないような形で複数の学生さんの状況を並行して把握していたのだな、と今更ながらに実感しています。オンライン会議室ではリアルな授業をあまり巧く再現できていないようですね。

 さて、この一週間、リアルタイム型ではない「オンデマンド型」の授業も行いました。

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2020.05.26

デマを拡散してはいけない-12 第2波、第3波に備えましょう

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 このブログの内容を不用意に拡散しないように。必要なら必ず裏をとり、自分で確認し、理解してから、自分の言葉として発言しましょう。他人のことばをそのまま鵜呑みにするのは危険な行為です。


 一昨日、昨日(2020年5月19日、20日)の東京都の感染者数は5名でした。今回のコロナ禍もやっと収束してきたようです。本学の講義は全て遠隔講義ではじまりました。でも、6月中には「ニュー・ノーマル」での対面講義も可能になりそうです。

 しかし、油断大敵です。歴史を見るとこのような感染症パンデミックは最初の大流行に引き続いて第2波、第3波の大流行を起こしています。日本でのスペイン風邪の流行を見ると、1918年の第1波よりも1919年の第2波での死亡率は4倍も高くなっています。そして、このような流行の波は繰り返し起こり、今日でもスペイン風邪H1N1亜種は弱毒化した季節性のインフルエンザとして毎年流行しているといわれています。

 Covid-19流行の第2波に備えましょう。こんなことを言えば、「縁起でもない」としかられそうです。もちろん、私も第2波は来ないことを祈ります。しかし.最悪を想定するのは危機管理の基本です。津波でも第1波より第2波が大きくなるのはよくあることです。

 幸いに、我々は今回のコロナ禍で多くのことを学びました。我々ひとりひとりのとるべき行動を学びました。また、それに必要な備えについても多く身にしみて学びました。もう少ししたら、以前とは少し異なる「ニュー・ノーマル」の日常生活になるでしょう。今までとは少し違った、それでも日常生活に戻れると思います。そのチャンスにコロナの隙を狙って第2波に備えましょう。4か月くらいの猶予のうちに必要な備蓄を行ないましょう。大学からの支援や国からの給付金を無駄にせず、遠隔授業を受けるための環境整備や後期のテキストの購入に投資しましょう。

 今はまだ「This is not a drill. (これは訓練ではない)」な状況です。でも、これを「This would be a good drill. (これは良い訓練になるだろう)」と言えるようにしましょう。そして、油断はしないように日々自分を律しましょう。

 

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しつこいようですが、このブログの内容は不用意に拡散しないように。必要なら必ず裏をとり、自分で確認し、理解してから、自分の言葉として発言しましょう。他人のことばをそのまま鵜呑みにするのは危険な行為です。

 

片桐 利真

 

2020.05.25

お花の鉢植えをおきました(片桐教授)

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 昨日(5月19日)、殺風景な部屋の窓辺に花の鉢植えをおきました。私の部屋は北側(正確には北西方向)なので、西日は差し込みますが、あまり日当りが良いとは言えません。以前、鉢植えをおいたところ、水はちゃんと与えていたのですが、おそらく日照不足で枯れてしまいました。そこで今回は、室内でも育てられるデンドロビウムというランの鉢植えを購入し、室内では一番日の差し込む窓辺におきました。からさないように注意したいと思います。

 近くのスーパーに併設されているお花屋さんを覗くと、今回購入した鉢植えをはじめとしてラン類がびっくりするほどお安く売られています。先日は立派な胡蝶蘭が二千円以下でした。何年か前に街の花屋さんで同じような鉢植えを見かけた時は、2万円くらいしていて、そのときもびっくりしたことを思い出します。今回購入したデンドロビウムの鉢植えは、税込みで500円しませんでした。コロナ禍の影響でお花の需要が減って、値段が下がっているようです。

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2020.05.22

Meetで合わせ鏡(江頭教授)

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 昨日の記事に google Meet では自分のPCの全画面を公開する機能がある、と紹介しました。PCの操作について説明するのにはとても便利な機能だ、と気がついたという話です。そのあとふと思ったのが「全画面の中に全画面が写ったら、その写った全画面の中も全画面があるはずだから...」ということ。要するに「合わせ鏡」の状態になると思うのですが、実際はどうでしょうか。

 まず、自分のPCの全画面を共有状態にすると以下の様な表示に。

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 Google Meet では自分が共有させている画像は自分のPCでは見ることができないのですね。残念。(この「自分が共有させている画像が自分では見えない」というのは実際にプレゼンをするとき、ひどく不安にさせられる仕様だと思います。)

 やっぱり「合わせ鏡」なんて不自然なことは起こらない様になっているのか、と一旦諦めたのですが、でもちょった待った。「自分が共有させている画像が自分では見えない」なら自分以外の人が見ている画像を自分のデスクトップに表示すれば良いのでは。「Meet の会議室を二つ用意して二人で両方に接続。片方ずつ入れ違いで全画面を共有」すればMeet版合わせ鏡になるのでは、と思いつきました。

 とはいえ、こんな遊びに人を巻き込むのも気が引けるなあ。いや、別に他の人に頼む必要はないぞ。自分のアカウントで二重にログインすれば良いんだ。

 Google Meet は一つのアカウントで同じ会議室に二重ログインが可能なのです。同じPCから二重にログインし、片方で全画面を共有。もう一つのアカウントの画像をデスクトップに表示すれば、会議室一つでも合わせ鏡になるはず。

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2020.05.21

ビデオで面談やってみた!その3「机の上はきれいにしなくちゃ」(江頭教授)

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 オンライン授業が始まった2020年5月20日、みんなちゃんと授業に参加できているだろうか。そう考えて空き時間を使ってアドバイザーをしている学生諸君と面談を設定しました。オンライン授業は新しい試みですが、みんなちゃんと授業に参加できているようで一安心です。

 面談ついでに学生さんからの相談も。口頭で説明できる場合は良いのですがPCのソフトの使い方などではなかなか口頭での説明は難しい。幸い、私が使っている Google の Meet というビデオ会議システムには「画面を共有する」という機能があって、自分が使っているPCの画面をそのまま共有することができます。これを使ってPCでの操作を実際に学生さんに見てもらうことができました。これはわかりやすくて良いですね。

 さて、Meet の「画面を共有する」機能ですが、本来の用途は実際の会議でスライドを使って説明するような内容をビデオ会議で再現することなのでしょう。おなじPCで動いている別のソフトのウィンドウを表示することができますし、Meet を実行している chrome というブラウザーの他のタブを表示させることも可能です。最初、全画面の共有は何に使うのかと思っていたのですが、まさに今回のような使い方が想定されていたのかもしれません。

 まあ、それは良いのですが...。正直、パソコンのデスクトップを人に見られるのは恥ずかしいなぁ。

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2020.05.20

今日(5月20日)から授業が始まります(江頭教授)

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 新型コロナウイルスの感染拡大によって延期されていた新学期、とうとう本日(2020年5月20日)から開始となります。とはいえ、八王子キャンパスは閉鎖中。新年度の授業はネット経由で遠隔授業として行われるのです。

 普通の「新学期」であれば大学のキャンパスに向かうたくさんの学生でスクールバスが混雑し、キャンパス内にも多くに人が歩いていて、そして新学期最初の授業のために決められた教室に入れば多くの学友と再会することになります。でも、今年の新学期はそうはいきません。今日の1限スタートの時間(8時50分)に決められたURLにアクセスしてオンラインの授業をうける。いささかドラマチックさに欠ける地味な新学期となりそうです。

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2020.05.19

ダルトン?ドルトン?(江頭教授)

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 以前の記事で原子論の確立に寄与したイギリスの化学者 John Dalton について触れましたが、この「Dalton」の日本語表記、ダルトンでしょうか、ドルトンでしょうか。化学の教科書にはドルトンとあるのはずですが、なんとなくダルトンのような...。そう言えば「ダルトン」という会社があったな。その際はこのように書いたのですがもっと公式な「ダルトン」表記があった、というのが今回のお話しです。

 そう言えば「○○万ダルトンの…」なんてフレーズを聴いたような。たしか学会発表で電気泳動の結果についての議論だったかな。

 そう、ダルトンというのは分子量や原子量の質量を表す単位でした。でも、これって「ダルトン」が正式な発音でしょうか。それとも「ドルトン」?

 ダルトン、というか Da は正確には重さの単位です。原子量12の炭素原子の質量の1/12で、具体的な数値は 1.660 × 10-27 kg だそうです。質量の単位は SI では kg ですが、Da もSI併用単位として認められていると言います。SIは国際条約で決まっているのですから、正式な文書があるはずです。 

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2020.05.18

Meetで撮影やってみた!(江頭教授)

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 2020年度の新学期がいよいよスタートしようとしています。今年は学科でのガイダンスができません。例年行っている学科の先生の自己紹介もできませんが、これはちと寂しい。ということで先生たちが個々に自己紹介ビデオを撮影して新入生諸君に見てもらおう、ということになりました。

 さて、ビデオの撮影か。どうしよう。大学にはビデオカメラと三脚があるけど今キャンパスは閉鎖だし。スマホで自撮りというのもどうだろう。

 そこで思いついたのがビデオ会議システムを使う事です。よく考えたらビデオもマイクもあるノートパソコンが目の前にあるのですから、それを録画したらそのままビデオ撮影ができますよね。

 さっそく、学生さんとの面談に使った Google Meet というビデオ会議システムを使って早速撮影にトライ。本学工学部電気電子工学科の天野先生のこちらの記事を参考に録画データを無事回収することができました。

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2020.05.15

ビデオでガイダンスやってみた!(江頭教授)

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 新型コロナウイルスの感染拡大により、ってまたこの書き出しになってしまうのですが、まあ仕方ないですね。いろいろなものがオンライン化されるなか、今年度入学した新入生に対するガイダンスもオンラインで実施することとなりました。オンラインではきめの細かい指導が必要だ、ということで今年の新入生に対するガイダンスは新入生10名程度のグループに対して担当の教員(アドバイザー教員といいます)が対応するスタイル(本学で一年生に対して行っているフレッシャーズゼミと同じ形式)で行われました。

 行われました、というか、行いました、ですよ。この差はおおきい。このガイダンスもビデオ会議のシステムを利用したのですが、今回は私が会議の議長?というかホスト役だったのです。Online_kaigi_man

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2020.05.14

「5月20日1限まで」は正確には何時何分まで?(江頭教授)

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 新型コロナウイルス感染拡大への対応として本学のキャンパスは閉鎖中。今年の新学期、少なくとも前半はオンラインで授業を行うことになりました。授業開始は5月20日から。それまでの間に学生諸君に「何時までに、どのサイトの、どのページにアクセスすれば授業を受けられるのか」を告知しなければなりません。

 20日なんてまだ先、と思っていたのですが授業の中には事前課題を課しているものもあります。そう考えるともう準備しないとまに合わない。急いで学生が受ける授業のアクセス情報と事前課題の有無を取りまとめていたのですが、そこで気になったことがひとつ。

 授業初日、例えば「5月20日1限までに何処何処にアクセスしてください」と書いたとします。学生諸君は5月20日の1限が「始まる前に」アクセスしてくれるでしょうか?

 時間を指定して「××まで」と言ったとき、たとえば「正午まで」と言えば12:00前はOKでそれ以後はNGと決まります。でも時間の指定に幅があると曖昧さがでてくる。「1限まで」と言ったら1限が始まる瞬間まではOK、1限が終わった後はNGなのですが、はて1限の途中というのはどうなるのでしょうか?これはアリでしょうか、ナシでしょうか?

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2020.05.13

「アボガドロの法則」はヤバいよね。(江頭教授)

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 化学を勉強した人間なら「アボガドロ」と来たら「6.02×1023」となるのですが、今回は「アボガドロの法則」のお話し。

 例によって Wikipedia での説明を引用しましょう。「アボガドロの法則」は

同一圧力、同一温度、同一体積のすべての種類の気体には同じ数の分子が含まれる

という法則です。これは「倍数比例の法則」などと違って原子や分子の概念を知っていてもどうしてそうなるのか分からないのではないでしょうか。化学を学び始めた学生さんに、この「アボガドロの法則」を納得できるように説明するのは難しいと思います。

 いえ、ダルトン、おっとドルトンの原子論とゲイ=リュサックの気体反応の法則を矛盾無く説明するための理論だ、という説明は問題ないのです。「同一圧力、同一温度、同一体積のすべての種類の気体には同じ数の原子が含まれる」と考えてしまうと気体反応の法則を巧く説明できない。だから分子という概念を考えて...、とその部分に注目すれば「アボガドロの法則」は分子の概念の必然の結果として理解できる。

 でも、そもそもの疑問として「同一圧力、同一温度、同一体積のすべての種類の気体には同じ数の」何らかの粒子が含まれる、という仮説はどう納得すれば良いのでしょうか?

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2020.05.12

「○○の法則」を暗記しておくべきか? (江頭教授)

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 このブログで「倍数比例の法則」「ダルトン(ドルトン)の法則」そして「ボイル=シャルルの法則」について述べてきたので、まとめてコメントを一つ。

 化学の教科書にはこのような「○○の法則」というのが結構な数でてきます。これらの法則はどの程度覚えておくべきなのでしょうか。

 「倍数比例の法則」について紹介したところで述べたのですが、この法則は「原子から物質が出来上がっていることを理解していればあまりにも当たり前」で「なんでこれが法則と呼ばれるほど重要なのか」分からないと思います。ダルトン(ドルトン)の法則」も理想気体が何かを理解していれば当然のこと、「ボイル=シャルルの法則」の法則も理想気体の状態方程式の応用に過ぎません。

 原子や分子そして理想気体というものはそもそも、これらの法則を統一的に説明する、もっと言うと個別の覚えなくても済むようにするために作り出されたものです。極論すれば、原子、分子、理想気体について理解していればこれらの法則は忘れてしまっても構わないと言えるでしょう。

 では、なんで高校でこれらの法則が教えられるのでしょうか。覚える必要の無いものなのに。

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2020.05.11

新入生の皆さんへ、その4 (江頭教授)

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 今回の記事は「新入生の皆さんへ」「新入生の皆さんへ、その2」「新入生の皆さんへ、その3」と同様、2020年度の応用化学科の新入生の皆さんに向けたものです。

 この記事を読んでいるあなたが2020年度の応用化学科の新入生なら、本学から資料が郵送で届いているはずです。入学を機にノートPCを共同購入した新入生諸君にはそのノートPCも既に手元に届いているはず。資料に従ってノートPCのセットアップを行い、本学のアドレスでのメールのやり取りができるようになっている人もいるかと思います。そのメールアドレスへ、我々教員からの学生諸君にメッセージを送って本年度最初の、というか入学以来最初のガイダンスを行うことを告知していますので確認してください。

 本来ならば本学の蒲田キャンパスのアリーナでの入学式、工学部全体でのガイダンス、応用化学科としてのガイダンスと三段重ねのイベントがあるのですが、今回は大規模な集会は不可能ということで、ネット上でのガイダンスとなりました。その代わり教員総出で少人数クラスでのガイダンスを行い、今回大きく変わった授業の受け方の説明を丁寧に行う予定です。

 また、本学のWEBサイトに記載された情報にも注目してください。

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2020.05.08

「ボイル=シャルルの法則を生まれてはじめて使いました」(江頭教授)

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 「倍数比例の法則」「ダルトン(ドルトン)の法則」ときて今回は「ボイル=シャルルの法則」について触れてみようと思います。今回も wikipedia から「ボイル=シャルルの法則」の説明を引用してみましょう。

気体の圧力P は体積V に反比例し絶対温度T に比例する

なるほど。「理想気体の状態方程式を知っていれば当たり前すぎてなんで法則と呼ぶのか分からない」とか「絶対温度って何よ。これって絶対温度の定義じゃないの」とか思うのですが、これは措くとしましょう。今回の紹介したいのは表題のセリフ「ボイル=シャルルの法則を生まれてはじめて使いました」というもの。これ、学生さんとガスクロでガスの組成を計る実験を一緒にしていたときに言われた言葉です。

 ガスクロという装置にサンプルのガスを注入すると、そのサンプル内にどんな成分がどれだけ( mol数、おっと今は物質量ですね )含まれているかがわかる。そんな測定です。ガスの各成分の比率が知りたいだけなら、それだけでOK。でもサンプル内のガスの全ての成分を測定できたかどうか、を確認したいと思ったら装置に注入されたサンプルの量を調べて、それが各成分の量の総和と等しい(もちろん誤差があって正確に一致はしませんが)かどうかを検証する必要があります。

 混合ガスをガス採取用のシリンジ(小さい注射器です)で決められた体積だけサンプリングする。これでサンプルの体積を決めることはできます。しかし、同じ体積でも温度の高い日はガスは膨張している。逆に寒い日ならガスは収縮しているので、体積を知るだけではサンプルの量を正確に求めることはできないのです。

 そう説明をして、学生さんにガスクロでの分析時の温度と圧力を測定しておくように手順の説明をしました。そのときの学生さんのリアクションが「ボイル=シャルルの法則を生まれてはじめて使いました」となるわけです。
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2020.05.07

「ダルトンの法則」の意味は?(江頭教授)

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 このブログの前回の記事は「ダルトンの法則」を落ちにしたので今回はダルトンの法則について少々。

 例によってダルトンの法則について、wikipedia から引用してみましょう。ダルトンの法則とは

理想気体の混合物の圧力が各成分の分圧の和に等しいことを主張する法則である

とのこと。

 このダルトンの法則、「倍数比例の法則」 とは別の意味でツッコミどころのある法則だと思います。

 気になるのは「分圧」って何よ、という点。気体の圧力は測定できる実体のある物理量なのですが分圧はどうでしょうか?分圧を直接的に測定する手段はありません。混合気体中のある成分のみを通さないような理想的な半透膜があればそれにかかる圧力、ということになるのでしょうが「理想的な」と言っている時点でそんなものはないと言っているのも同じです。だとすれば分圧は全圧にその成分のモル分率をかけた値だ、としか定義できないのでは。モル分率の総和は1と決まっているのですから、分圧の総和が全圧に等しいのは当たり前、ということになるのですが…。

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2020.05.06

「倍数比例の法則」とその例外 (江頭教授)

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 今回は私が高校生のころのお話です。最初に教科書(参考書だったかな)で「倍数比例の法則」を知った時の話です。

 まず「倍数比例の法則」について。Wikipediaの記事(下図)にある様に、「同じ成分元素A、Bからなる2つの化合物X、Yを考える。この時、同じ質量のAを含むX、Yについて、X、Yそれぞれに含まれるBの質量は簡単な整数比をなす。」という法則です。この記事では具体例として一酸化炭素と二酸化炭素の例が挙げられているのですが、私が見た参考書では酸化銅の例が挙げられていました。これは歴史的な経緯を反映したものだったのですが、一酸化炭素や二酸化炭素の例に比べるとシンプルさに欠けるのでは。まあそれは数値が複雑だ、という程度の話なのですがこの参考書に例外として不定比化合物の説明まで書いてあったのです。

 一体何が言いたいのだろう?これが当時の私の印象です。

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2020.05.05

新入生の皆さんへ、その3 (江頭教授)

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 今回の記事は「新入生の皆さんへ」「新入生の皆さんへ、その2」と同様、2020年度の応用化学科の新入生の皆さんに向けたものです。

 新型コロナウイルスの感染拡⼤を受けての緊急事態宣言により、本学の八王子キャンパスも閉鎖。その期限は緊急事態に合わせて5月6日までと予定されていたのですがこれは延長されることとなりました。ただし、新入生の皆さんへのガイダンスを5月13日から開始し、そして授業を5月20日からスタートさせる、という日程はこれまで通りです。さらに、キャンパスの閉鎖中にガイダンスを行い新学期を迎える、という異例の事態(最近は異例尽くしですが)となりましたが、遠隔ガイダンスと遠隔授業に向けて本学教員も着々と準備を進めています。

 加えて「7月1日(水)からの前期後半(第二クオーター)では、キャンパス内において対面授業を実施する方針です。」とあるように大学キャンパスへの登校の開始が7月1日以降になることも示されました。(もちろん、これも状況に応じて変わる可能性があります。)

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2020.05.04

最近お金を使わないな、という話(江頭教授)

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 お金を使わないで済むなら結構なことですが、今回の話は少し違います。ここで言っているお金は硬貨や紙幣のこと。最近とんと実物のお金を使う機会が減ってきた、というお話しです。

 キャッシュレス化を個人的に意識したのは2018年末頃のQRコード決済のブームの時でしょうか。ポイント還元目当てで私もユーザー登録をしたものですが、最近ではあまり使わなくなってしまいました。ポイントの還元率を他と比較してどうこう、という理論的な理由があるわけではないのですが、なんとなく習慣にならなかった、というところです。

 でも、それで現金決済に戻ったのか、というとそうでもありません。今のところクレジットカードでの決済が多くて、ときどき交通系ICカードを使う、という状態。これでほとんどのところは用が足りてしまうんですね。

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2020.05.01

2020年4月ブログ記事アクセスランキング(江頭教授)

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 異例なことばかりの2020年4月が終わり今日から5月になります。でも2020年5月も異例なことばかりになりそうですね。4月の「異例」のなかでも大きなものの一つが多くの人が家の中で過ごす時間が増えた、ということではないでしょうか。そうだとすれば家でインターネットに触れる時間も増えるはず。なら本ブログのアクセス数もアップするのでは…。

 そう思って今月のアクセス数をチェックしてみると確かに3月より4月の方がアップしています。やはり予想は正しかった?いえいえ、実は3月から4月にかけてブログのアクセス数が増えるのは毎年のことで今年が特別というわけではないのです。

 ついでに2020年4月の記事別のアクセス数ランキングをチェックしてみましたので、その順位を発表したいと思います。

1位 電子レンジでコップ1杯のお湯を沸かすには何分必要か?(江頭教授) 2019年6月6日

2位 デマを拡散しないように-5 BCGはコロナ肺炎の予防に効果があるか? 疑似相関のはなし(片桐教授) 2020年3月31日

3位 世界の人々の暮らしがわかるWEBサイト「Dollar Street 」 2019年2月21日

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