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ダルトン?ドルトン?(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 以前の記事で原子論の確立に寄与したイギリスの化学者 John Dalton について触れましたが、この「Dalton」の日本語表記、ダルトンでしょうか、ドルトンでしょうか。化学の教科書にはドルトンとあるのはずですが、なんとなくダルトンのような...。そう言えば「ダルトン」という会社があったな。その際はこのように書いたのですがもっと公式な「ダルトン」表記があった、というのが今回のお話しです。

 そう言えば「○○万ダルトンの…」なんてフレーズを聴いたような。たしか学会発表で電気泳動の結果についての議論だったかな。

 そう、ダルトンというのは分子量や原子量の質量を表す単位でした。でも、これって「ダルトン」が正式な発音でしょうか。それとも「ドルトン」?

 ダルトン、というか Da は正確には重さの単位です。原子量12の炭素原子の質量の1/12で、具体的な数値は 1.660 × 10-27 kg だそうです。質量の単位は SI では kg ですが、Da もSI併用単位として認められていると言います。SIは国際条約で決まっているのですから、正式な文書があるはずです。 

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 産業技術総合研究所の計量標準総合センターにはSIについての情報がまとめられています。ここには国際度量衡局(BIPM)が2019年に刊行した「The International System of Units, 9th edition」の日本語版「SI文書第9版(2019)日本語版」が公開されていますので、そのなかでのDaの記述を見てみましょう。

 30ページの表8「SI単位と併用できる非SI単位」に質量の単位として名称「ダルトン」、記号「Da」 が示されています。

 なるほど、日本での発音は正式に「ダルトン」でした。ちなみに「Dalton」の原語での発音は「ドルトン」の方が近いそうです。でも「Da」と書いて「ドルトン」と読め、というのはちょっと難しいかも知れませんね。

江頭 靖幸

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